ep2 妹の病気悪化させるぞー!
早速、妹の部屋に向かおうとしたが、俺は大きな欠点に気がついた。妹の部屋がどこか分からない…。しょうがないのでお母さまの部屋を訪問してみる。運よくいるかも…?
確かここだよな?
コンコン。
『おかーさまー!メルフィーナいますかー?メルと遊びたいです!!』
本当はメルフィーナをいじめに来ました〜!
メルフィーナとは妹の事だ。メルは妹の愛称。俺以外はみんなフィーと呼んでいる。俺はメルがいいと押し通したのだ。(だってメルちゃんっていう人形の名前と同じで覚えやすくって…)
「あら、いらっしゃい。フィーなら多分自分の部屋にいるわよ。部屋は分かるかしら?」
『分かりません!』
俺は究極の方向音痴だもん!お母さまの部屋はなんとか覚えたけど。俺の部屋の隣だし。
「はぁ…、しょうがないわね。来てちょうだい」
俺は息子にため息つくものじゃないと思うよ?
「ここよ。フィー。入るわよ〜」
「はぁい!」
バタバタ
「なぁに?お母さま!」
「お兄ちゃんがフィーと遊びたいって」
「そうなの?」
『やぁ、メル。体調はどう?一緒に遊ばない?』
「ええ、もちろんいいわよ!」
「よかったわね。じゃあ、私は帰るわね」
「『はい。お母さま』」
『何して遊ぶ?』
「別になんでも」
『勝負でもする?』
「仕方ないわね。良いわよ」
『じゃあメル、競走しよー』
「うそ、まって競走…!?」
『あっちの壁に先触れた方が勝ちねー!よーい、スタート!』
「あ〜もう!」
そうして俺らは走り出した。普段運動なんてしない妹が勝つわけもなく、もちろん俺が勝った。
『はい、俺の勝ち〜』
うざめに言ってみた。
これでムキになって無理してくれればいいんだけど…
「ぬぬ…」
お、良いんじゃないか?
「今度はこれで勝負よ!次こそ負けないんだから!ルク兄に何が何でも勝ってやる!」
おっと、これは対抗心燃やさせすぎた。さすがの俺でも勝てるかな…?
「次は私が何をするか決めるわよ!」
…そうしてどんどん僕らは勝負をした。結果は5:5。
引き分けだ。そして11回目の勝負の時妹は体調を崩し、倒れた。俺は怒られるだろうがこうするしかなかったんだ。…ってなんか悪役の、セリフみたい!一度は言ってみたかったんだよね〜。………じゃなくて、もちろんお母さまに怒られたし、妹は……計画通り悪化したと仮定しようじゃないか。
でも、毎日、妹をいじめてばっかりじゃなぁ…あいつ何?ってなるし…よ〜し。3日後、妹をいじめに行こ〜頑張って昨日妹の部屋覚えたはずだし(多分)
* * * * *
3日後、妹の部屋は一目で分かった。衛兵が何人か立っている。これは俺に入らせないように?
『妹に会いたいんだけど…』
「申し訳ございません。リーフィルク様。奥様とメルフィーナ様が何があっても通すなと…」
うわぁ、まだ大丈夫だと思ったのに!くそ〜!ちょっと遅かったか。3日後だから大丈夫だと思ったのに…。
「フィル!何をしているの!?」
げ、お母さまだ…
「あなた、自分のせいでフィーが倒れたって分かってるの!?」
わざとなんです〜
「それなのにまたフィーに会おうと?フィル、あなた何をしようとしているか分かっているの!?」
ん〜、なんて言い返そうかなぁ…できれば申し訳なくさせる感じの〜…
『お母さま、僕はメルに謝りに来たんです。申し訳なくって…』
「だめよ。通させないわ。それに謝りに来た?今更?3日後に?」
『メルが心配で寝れなくて…』
夜しかね。
『それで、寝不足で体調が悪かったんです。それで…今は少しマシで…』
「体調が悪いんだったら帰りなさい。それと、あなたが元気に過ごしてたと聞いてるのよ。」
『うそだ。そんな、せめてメルの様子だけでも…!』
流石にずっといじめてたらバレるからしばらくお見舞いに来て警戒心をとこうと思ったのに。
「フィーは寝てるわ。帰りなさい」
『はい…では失礼します。お母さま』
初妹ちゃん!ちょっと生意気な態度にしてみました!何故かしっくりくる…