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第一章 2 『全ての始まり』


俺、ジーク・アルペディアは二児の父親だ。


子どもの名前は、アークハルトとクラリス。

どっちもララに似て可愛い奴らだ。


立場と言うのはなんだかんだ、人を変えるものらしい。


ほんの数年前までは冒険者として、各地のダンジョンを探索して、

そんでその街の女を口説いては、やんちゃしたもんだ。


それが、子が生まれ、

いや妻と結婚してからと言うもの、

やんちゃすることも減った。


たまに騎士団の仲間ともめたり喧嘩したりするが、それはまあ可愛いもんだ。


そうそう、俺はこの町でで騎士団に入団した。


騎士団がやることと言えば、町の周辺の魔物の討伐や、

そんで町の門番。貴族の護衛やら、上げたらきりがないが、

俺が所属してるのは魔物の討伐隊だ。


別にここの住人を守りたいなんて大層な心がけじゃないが、

家族は守りたい。金も稼がなくちゃならない。


そのおまけとしてこの街の人が平和に暮らせるなら、

まあ悪くない。


ララと結婚して、この町に引っ越してきたのには理由がある。


ララはエルフ族、そんで俺は魔人族。


魔人族の中にも種類はいろいろあるが、俺はちと特殊だからだ。


ララみたいなエルフ族と、俺が結ばれたってのが問題だった。


子どもが差別の対象になる?

まあそれも少しはあってるが、今の世界じゃ種族なんてさほども問題はない。

種族意識の強い場所じゃ差別されるかもしれんが、

差別なんてキリがねぇ。

どんなやつだって、周りの環境次第で差別の対象になっちまう。

だから、そうじゃねえ。



血が問題だ。

混ざっちまったのが問題なんだ。


まあ、いいか。


俺とララの子供だ。


そんなしがらみにとらわれるような子供じゃない。


きっと自由生きるだろう。


いや自由に生きさせたい。


窮屈な思いで生きさせたくはねえ。


アークはかなり頭が良くて大人びてるから逆に不安だ。

頭がいいやつほど自由に生きれねえ。

だから俺が道標になってやりたい。

クラリスは相変わらず可愛い子だ。心配わない。


そんで二人に愛情を注いでやりたい。可愛がってやりたい。


そうだ、まだアークとクリスは町に出たことがない。

もうあいつらが生まれて二年になるか。


仕事もひと段落着いたいし、連れてってやるか。

ついでに騎士団にも子どもの自慢をしに行きたいしな


————————————————


「おぉぉおおお…………」


俺は今初めて街に来ている。

俺の家は町からちょっとだけ離れた場所にある、いわゆる田舎にある。


でも近くに人は住んでるし、店だってあるから孤立しているわけではない。


しかし町はやはり違う。


遠目でしか見たことがなかった、大樹が目の前に見える。

すげえ。

まだ一キロくらい離れてるはずだがでかすぎる。

なんていうか、自然の力を感じる。


「アーク、お前へんなもん好きなんだな」

「へんなもん?」

「神木アラスタフィアが好きな奴なんて妖精族かメルト教のやつくらいしかいねえぞ」

「なんか見ててうおぉってなんない? 

大自然の前で開放的になるのと同じ感じでさ。

あ、父さんにはわかんないか」

「わかんねぇよ悪かったな。

そのうぅおってやつは多分魔力を感じてんだよ。

魔力が集まりすぎて目に当てられたもんじゃねえから、

俺は嫌いだがな」


俺は再度、神木を見る。

魔力がどういうやつか分からんが、なんらかの力があるのは分かる。


「魔力?」

「え? 

ああ、そう言うことか。なんかあれ見てると感じんだろ。

力がギュッと集まってるみたいな感覚」

「まあ感じる」

「それがまあ、魔力だ」


魔力はもっと、色とか流れとか見えるもんだと思ってたがそうではないらしい。

だがなぜかあの神木には目がひきつけられる。

それが魔力なのかもしれない。


「もっと近くで見たい」

「えぇ……」

「なに? こんな可愛い息子がお願いしてるんだよ?」

「そんなこという三歳児いねえっての」

「こんな愛くるしい三歳児ほかにいませんよ?」

「ったく、仕方ねえな」


俺の願いに根負けしたのか、俺が可愛すぎたか、

ジークは俺を肩車して、神木の方へと向かった。

こんなムキムキでも、やはり可愛い息子の頼みには弱いらしい。

可愛さは罪なことだ。てへ。



街には大勢の人がいた。

種族もバラバラで、中には背中に剣を背負ってるものもいた。

これがファンタジー。

これぞ異世界。


俺が目をキラキラさせ町を見ていると、ジークがいろいろ教えてくれた。

俺が見たこともない種族だったり、町の地理。

どこの何がうまい、とかこっちはおいしくない、危ない。とかだ。


傍から見ても親子にしか見えない。

まあ、実際に親子だからそうだ。

しかし、前世ではこういう経験が少なかったように思える。



あ、そうそう。

クリスとララは家にいる。ララは俺についていきたがっていたが、

どうも外が怖いらしく、家でお留守番中だ。


「あ、そうだアーク。お前は自由に生きるんだぞ」


ジークはたまに、こうして生き方について言うことがある。

親と言うのはそういう生き物なのか、

はたまたジークに何か考えがあるのか。


「突然何父さん」


「いやもしかしたら、お前は将来、

苦労、するかもしれない」

「苦労?」

「ああ、苦労だ」


肩車ではジークの表情はうかがえない。

彼がどんな思いでそう言ったのかは分からない。


「なんで?」

「俺の子だからだ」


「そりゃ苦労しそうだなぁ」

「おい、なんかニュアンスが違う気がするが……。まあいいか」

「大丈夫。父さんみたくかっちょ良くなりますから」

「いい心がけだな我が息子よ」


そう言うとジークは笑って、がしがし頭をなでてきた。



————————————————


神木アラスタフィアはもう目の前だ。

と言うより、でかすぎてどこからが神木なのかさえ分からない。

近づくにつれて傾斜が多くなっていたが、あそこ辺りから神木のだったのかもしれない。


この街は確かに神木を中心に広がっている。

中心へ行けば行くほど建物は密集し人口が増えていく。


店が増え、子どもが減り、仕事人が増え、そして人種も増えて言った。


昼下がりと言うこともあり、途中で店により飯を食べたが、

それはもううまかった。


そして、俺が駄々をこねたこともあって、

神木に登ることができた。


もともとメルト教とか言う宗教の聖地のひとつでもあるらしく、

確かに聖堂らしきものも多かった気がする。


神木の幹に沿って、木造の建物が経っており、上るのにも金が要るらしい。

観光業として神木はこの町を支えているらしい。


そしてようやくたどり着いた。


「うわぁああああ…………」


はじめは神木をまじかで見たかった。

だがこんな景色見せられたらそんなことどうでもよくなった。


「どうだ、きれいだろ」

「うん、すごく」


家の屋根裏からも街を見渡せた。それもまあ綺麗だった。


だが、街の中心から見渡すと言うのは訳が違う。


街の外まで一様に見渡せる。


ここら一帯は森林になってんだな。


辺りは大きな山に囲まれているらしい。


「あれが北サクラオット山脈。ここら一帯を囲ってる山脈の一つだ」

「へえ」


指さされた山脈は雪が白く染め上げ、確かにここら一帯を囲っているように見える。


「この国はな、中立国エアランドっつてな。多分世界で一番戦争から縁遠いい国だ。

干渉することなく、また干渉されない。

だからこんな光景、見ることができるんだ」

「ほかの国は違うの?」

「ああ、ちげえ。

…………ってそんなことどうでもいいか」 


頭をカリカリとかき、ジークは山の向こうを見つめる。


「父さんは冒険者だったんだよね」

「ああ」


よく寝る前にジークが語ってくれる冒険の数々。

話しているジークはとても生き生きしていた。

きっと彼は冒険が好きなのだろう。

ジークは二十後半だ。普通なら現役で冒険者を続けていられたかもしれない。


「冒険は、楽しいぞ。だがこの国は冒険からも縁遠い」


その言葉は正真正銘の心からの言葉だ。

顔を見ればわかる。


ジークは多分、親にしては若い方だろう。

本当はまだ冒険者でいられたのかもしれない。

冒険をしたかったのかもしれない。


前世の俺のように、諦めて、およそ正解と思える道に進んだのかもしれな。


だが俺だからわかる。

前世でやりたいように生きれなかった俺だからわかる。


それはきっと後悔する。


「父さん。冒険に行こうよ。家族みんなでさ」


ジークは呆気にとられたように俺を見た。


「俺も将来冒険したい。

ララは嫌がるかもだけど、俺が守るからさ。

父さんは母さんを守ってよ。


それで冒険するんだ。


この街をを出て、行きたいとこ行って。

気に入った場所があればそこに数年暮らしたっていいよ。

それで飽きたらまた冒険に行くんだ。

だから———。

うぉ、や、やめてとうさん」


するとジークは俺の頭をがさつに撫でた。

どこか嬉しそうにはにかみながら。


「そうだな、それも、いいかもな。」

「でしょ?」

「だがお前はまだ弱いから無理だ」

「えぇー」

「ガキは大人しく面倒見られてろ」


そう言ったジークはどこか嬉しそうだった。



—————————



なんて、仲のいい親子の会話はさておき、

お願いだから、誰か俺を帰らせてほしい。


「この子がジークの息子かぁ。

なんていうか、かわいいな」

「ララちゃんそっくりだな」

「このガキがジークの息子、だと!?」

「ガハハハ、俺に剣術で負けてしょんべん垂らしてたあのジークが親父かぁ」


「だろだろ、可愛いだろ。

ララに似て美形に生まれて——

っておい誰だこら、最後のやつ出てこい。ホラ吹きやがって。もう一回叩きのめしてやるわ!」


今居るのはジークが所属している騎士団だ。

そこでジークの仲間たちにもみくちゃにされている。


面々を見ると、人族に亜人族に魔人族。

色々いるが、なんてったって男ばっか。

むさくるしいわ。まじで。



と、俺がおもちゃにされていると、何やらジークが剣術を見せてくれることになった。

どういう経緯か分からないが、親としてカッコいい所を見せたいのだろう。

仲間の誰かと一騎打ちをするようだ。


俺は訓練場のような場所に連れてかれ観客席に座らされた。


「お前が、ジークの息子か?」


俺の隣に座ったのは額から角が生えた女性。

鬼族だ。

引き締まった体に、不愛想な顔。

だが、綺麗な人だ。ここには男しかいないと思っていたがそうではないらしい。


「はい、アークハルト・アルペディアです」

「あいつの子にしては礼儀がいいな」


ジークは相当やんちゃしているらしい。

まあジークはそれが美徳だ。


「お前はジークが好きか」

「まあまあです」

「そうか」


なんだろう。気まずいなこの人。

不愛想で何考えてるのか分からないし、なぜだが、

さっきまで俺をおもちゃにしてた男どもが近寄ってこない。


すると彼女は俺をじっと見つめる。

なに、もしかしてそっちの趣味の人?

俺は可愛いがさすがに手はだしちゃ駄目だぜ。


「お前、魔力はどうした」

「魔力、ですか?」

「そうだ魔力だ」


どうした、と言われても答えようがない。


「お前は、あの女の魔力を受け継いでないのか」

「あの女、と言うと?」

「ララ・スカース・アリアエルだ」

「どなたですか?」

「お前の母親だ」

「母さんは、ララ・アルペディアです」

「……そう、だったな」


この世界も結婚したら苗字を夫に合わせる的なやつがあるのだろうか。

それにしても、魔力か。


「僕の魔力がどうかしたんですか?」

「お前には魔力が蚊ほどしか感じられない」

「それはだめなんですか?」

「だめじゃないが、あまりいないな」


そうか、俺には魔力があまりないらしい。

そういえば思い当たる節がある。

ララにまえ、魔法を教えてほしいと頼んだことがある。

その時は、「もっと大きくならないと使えないんだよ」

なんて言われたが、もしかしたら魔力がないからなのかもしれない。


それに、ジークは神木アルファリアを見て目が当てられない。と言った。

だが俺にはそこまで何かは感じなかった。


「まあいい。今はジークの応援でもするんだな」

「父さんは強いんですか?」

「お前はどう思う?」

「家では母さんによく叱られて、ヘラヘラしてますけど」

「… そうか。まあいい。お前の目で確かめろ」


すると、目線の先にはジークと大柄な男が向かい合っていた。

ジークはそれなりにマッチョで背が高い方だと思っていたが、

この世界ではジークは小さい方なのかもしれない。


ジークの手には一本の木刀が、

対する相手の手には巨大な大剣が。


正直、ジークの剣の腕前は良く分からない。

しばしば庭で素振りをしているのを見るに、

多分強いのだろうが、なんてったって俺は剣術の良しあしなんて分からない。


「はじめ!!」


誰かの合図とともに二人は動き出す。

どう見ても対格差の在る二人だ。まともに剣をぶつけ合えば、負けるのはジークだろう。


と思っていたが、的外れだった。

二人は本気で真正面から剣を交えた。

そして、どちらも互角の力で拮抗し、キリキリとにらみ合っていた。


「おぉおお」


そして、次には剣の打ち合いが始まった。

ジークは華麗な身のこなしと、軽くて速い剣戟。

対する相手は、力技だが効果的な一撃。


ジークはそれらを受け流している。


「ジークはあれでもかなりの経験を積んでいる。

それに、あいつには才能がある。

だから対格差なんて関係ない」


初めて剣の打ち合いを見たが、これはすごい。

いやすごいなんてもんじゃない。


カッコいい。


カッコよすぎる。

いつもはどこか頼りないジークだが、今の姿は紛れもない騎士だ。

剣がすりへる音と、小柄ながら、華麗に剣を振る父の姿。


これが見たかったんだ。


こんな削ぎう剣の輝きを求めていたんだ。


魔法だってかっこいい。


男なら一度は憧れる。

自分の手から、炎やら風の刃やらを作り出す。


そんな超上的な力、かっこいいのは当然だ。


ララが魔法を使っているところはよく見るが、

それはあくまで生活のためだ。

火をつけたり、水を出したり。


きっと、魔法使いってのは、もっと派手な魔法も使える。

ララはエルフだからきっと魔法が得意だろう。


俺も将来魔法が使えるようになるかもしれない。


俺もかっこいい魔法使いになれるかもしれない。


だが、俺は剣が綺麗だと思った。

剣の方が、かっこいいと思った。


ああ、ほんとうに、綺麗だ。



「とうさん!! がんばれええ!!」


気付いたら声が出ていた。

そうだ、俺はこういうのになりたいんだ。

俺は剣士になりたいんだ。


俺の声と共に、なぜだか、観客席で委縮していた騎士団の仲間たちが次々に声を飛ばし始めた。


ジークは俺の声を聞くとにやりと笑い、そんで一度距離を取った。


「やっちまえジーク!!

お前のお得意のやつでやっちまええ!」

「まて俺はバルトにかけてんだよ! 

バルト頼むから負けんじゃねえぞ!!」

「息子の前で恥さらすんじゃねえぞジーク!!」


そんな声援も気にせず、ジークは今までよりも低く構える。

今までとは空気が違う。

ああ、なんかやばいもんがくるな、と思った。


対する相手、バルトとか言ったか?

そいつも大きな体をずっしり構えた。


一瞬、音がなくなるのを感じた。

しん、と静まり返った訓練場。


かちっと、ジークの剣がわずかに動いた。


「くるぞ」


それと同時に、ジークは風よりも速く、

光かと見間違えるほどに、一直線に跳んだ。


ジークが蹴った地面はぼっかりとクレータができている。


そんで、俺の目には留まらないくらいの速さでバルトにむかい、

そんで、鈍い音が響き渡った。


何どうなってるのかわからない。


砂ぼこりがゆっくりとはけ、ようやくわかった。


そこには、ジークがバルトの首に剣を向けていた。


バルトはと言うと、尻を着きあっけなくジークを見上げている。


ここで一つの疑問があった。


「って、あれ? あの人の剣は?」


バルトの剣がない。どこに行ったんだ。


そう思い、俺はあたりを見回して、ようやく気付いた。


「うぉっ!」


俺の腹寸前で、バルトの大剣が止まっていた。

いや、隣にいた鬼族の女が大剣を片手で受け止めてくれていたようだ。

察するに、ジークによって吹き飛ばされた大剣がこちらに飛んできて、

となりの女がそれを止めてくれたのだろう。


「おいジーク! てめえ自分の子の方に剣吹き飛ばしてんじゃねえぞ!!」

「それでも親父かほんとに!! あと隊長にも謝っとけよ!!

こりゃやべえぞ!!」

「これで隊長がきれたらどうしてくれんだよ!!」

「こんなんお前の負けだばか!!」


ジークはやってしまったと、固まっていた。

そして、どうやら、俺の隣にいた鬼族の女。

彼女はこの隊の隊長らしい。


「やってくれたなジーク」


この後のことは、とんだ笑い話だ。

ジークはすぐさま隊長の元へ走り、

そんできれーな土下座をかました。


親の土下座なんて見るもんじゃない。


————————————


「父さんの土下座、きれいだったなぁ」

「おいマジで忘れろ。てかこれララには言うなよ?

絶対キレられるから」

「わかったよ」


もうすっかり日が傾き、街をでた。

またアークが俺をからかってくる。


本当に子供なのかと疑問に思うことが多い。

なにせ俺の子供なのに頭がいいし……。

まあそれはララの血が濃かったと考えよう。


だが親父として不甲斐ねえ。

親父らしく威厳をふりまこうと最初は考えていたが、俺には無理だ。


なんてったって、親父になったところで頭が良くなるわけでも

強くなるわけでもないんだから。

ほんの数年前までただただやんちゃしてたくそ野郎なんだし。


ひとはそう簡単に変われるもんじゃないらしい。


「とうさん」

「なんだ?」


だが、アークは自慢の息子だ。

多分、俺なんかより立派に上手く生きてくだろう。


だから、俺は心配なんだ。

賢い奴ほど、しがらみにとらわれちまう。


だから心配だったんだが。



「おれ、剣士になりたい」



聞いた瞬間、ああ運命なんだ、と思った。


こいつはエルフの血を継いでいる。

魔術に興味を持ちかもしれない。

こいつは頭がいい。

だから学問に興味を持ちかもしれない。


だが、こいつは剣に興味を持った。


「そうか」

「うん」


俺はアークの頭を撫でた。


俺とララの子供が剣を握る。

それは紛れもない()()()()()


こいつは多分苦労する。

いつか俺とララを恨むかもしれない。


でも俺はこいつの背中を押してやりたい。


「じゃあ、俺が教えてやる」


親父として、頑張っていこう。


立派じゃなくたっていい。


真剣に、向き合っていく。





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