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無限初回ログインボーナスを貰い続けて三年 ~辺境伯となり辺境領地生活~  作者: 桜井正宗
メテオゴーレムダンジョン 地下十階

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SSS級の弓・インビジブルアーバレスト

 順調に進んでいくと、地下十三階まで降りて来られた。

 アイスゴーレムの脅威度は依然(いぜん)高い。油断をすれば『ブリザード』を受けて氷漬け。状態異常の『凍結』になる。


 更に、十三階からモンスターの種類が増えた。


 エルダーメイジという“魔法使い”が現れた。人型のモンスターが出現するとは。しかも強力な魔法を浴びせてくるし。



【エルダーメイジ】

【Lv.79】

【念属性】

【詳細】

 HP:12333。

 ゴーレムを作り続ける魔法使い。

 ダークエルフの思念体。



「まったく、ゴーレムダンジョンに他の種族のモンスターがいるとはな」


「もともとダンジョンを作ったのはエルフらしいです。事故とかで亡くなったダークエルフの怨念があの“エルダーメイジ”だとか」



 エルフ族であるミランダの説得力ある説明に俺は納得。そうか、ダンジョンとはエルフが作った物だったんだな。


 だから、あんな風にモンスターとなって化けているわけか。氷の通路を歩いていくと、先行していたパーティが苦戦していた。



「あのエルダーメイジってヤツ、念属性のせいか攻撃が当たらないぞ!」「無属性じゃダメだ。属性付与するんだ!」「魔法でいきましょ!」「なら、俺が壁となろう」



 マジかよ。物理攻撃は効かないのか。



「念属性ってなんだ?」

「教えて欲しいですかぁ~、アビスさん!」



 ローザが聞いて欲しそうに笑顔になる。まあ、いつもの事だから良いけどさ。



「教えてくれ、ローザ」

「アビスさんって、案外素直なんですね。昔はツンツンだったのに」

「な、なぜそれを……ああ、そうか」


 俺とローザは子供の頃に会ったことがあるらしい。俺は覚えてないけどな。

 俺にはその記憶がない。

 曖昧どころか空っぽ。


 本当にあった過去なのかすら怪しいけど――俺の脳に問題あるのかもしれない。いつか、思い出す日が来るのかな。



「大丈夫。その日はいつかきっと訪れますから、ご心配なく」

「どういう意味だ?」

「さあ、それは運命が導いてくださいます。それより、念属性ですよね」


「あ、ああ……」


「まず、属性ですが、無、火、水、風、地、闇、聖、不死、念の九種類があるんです。それぞれに特性があり、弱点もあります。

 ――で、念属性の場合、無属性が効かないんです」


「つまり?」

「念とは“幽霊”みたいなものと考えて下さい」

「なるほど、分かりやすい」


 そりゃ攻撃が当たらないわけだ。

 けど、無属性以外なら攻撃が当たるようになるようだ。なら、俺は攻撃を当てられるな。


「アビスさんの場合、聖属性攻撃が可能ですし、倒せると思いますよ」


 その通り、俺は余裕でエルダーメイジを倒せた。ただ、敵は射程のある魔法を使ってくる為、接近攻撃はリスクが高い。だから俺は槍を投げて倒した。


 ひたすらエルダーメイジを排除していると、さっきのパーティが悲鳴をあげていた。……なんだかヤバそうだぞ。


 仕方ない、俺が助けに行ってやるか。


 地面を蹴り、苦戦しているパーティの元へ向かう。すでに三人が死亡。蘇生不可能なほどやられていた。リザレクションは無理だな。



「……た、助けて!」



 残ったのは男だけか。

 せめてあの人だけでも助けるか。


 コールブランドを放ち、エルダーメイジを撃破した。



『――ギャアアアア!!』



 雄叫びをあげ、消滅。

 俺は男の元へ向かい、ケガの状態を確認。



「大丈夫かい、君」

「……た、助けていただきありがとうございます。でも……仲間が……」

「ああ……魂も残らずか。蘇生は無理だな」


「そんな、そんな! あんた、S級冒険者だろ!? なんとかならないのか!」


「無茶言うな。そんな奇跡を起こせるのは神様くらいだ」

「そうだ、君のパーティのカーディナル様なら蘇生できるんじゃないか!」


 男は、ローザを頼る。

 近寄っていくが、俺が阻止(そし)した。


「辛いだろうが、ローザには近づくな」

「話だけでも!」


「諦めろ。蘇生は不可能なんだ。そうだろ、ローザ」



 俺は、一応ローザに訊ねた。

 すると反応は思っていた通り、首を縦に振った。つまり、蘇生不可能。そもそも、霊魂がないんだ。どうしようもない。



「そんなのウソだ! そこの銀髪の女の子は、何人も蘇生していただろ!」

「それは蘇生可能な霊魂がいたからだ。今の状態とはまるで違う。帝国へ送ってやるから、せめて仲間を(とむら)ってやれ」


「ふざけるな!! 僕は諦めない!」



 男は、ローザの腕を引っ張り走っていく。……野郎、俺の仲間(ローザ)を連れていく気か。



「アビス様、ローザ様が!!」

「ああ、あの男……。ミランダ、行くぞ」

「はいっ」



 * * *



 男を追っていくが、どんどん離れていく。なんてこった、あの男の移動速度早いな。ついに見失ってしまった。


「どこへ行った?」

「あっ、アビス様。地下十四階へ行ったみたいです。足跡が」


 地下階段の近くに複数の足跡。他の冒険者のも混じっているが『A級ガラハッド社製ブーツ』は、独特な足跡をしていた。実に分かりやすい。


 ミランダを守りつつ、地下十四階へ。


 どうやら、ここもアイスゴーレムとエルダーメイジがうようよしているようだ。まずいな、ローザの身が心配だ。



「あ! そうでした!」

「どうした、ミランダ」

「大変重要なことを失念しておりました。アビス様、パーティを組んでいる場合、仲間の位置が分かるのです!」


「え、マジ?」



 教えて貰うと――まず、左手でバッテン(×)を切る。そして、例のマップボタン【(MAP)】を押す。


 すると、青く点滅していた。


 そうか、これがローザの位置情報というわけか。



「ごめんなさい。わたくし、もっと早く気づければ……」

「いや、ミランダはよくやってくれた。急ごうか」


「あ、あの……」

「ん?」


「わたくしって歩くのが遅いですし、その……アビス様がよろしければなのですが、抱えてくださると……嬉しいかなと」



 顔を真っ赤にして、そう提案するミランダ。あまりに可愛くて、俺は……頭が真っ白になってしまった。

 そんなクネクネと照れられると、こっちまで照れるって。


 いやいや、動揺している場合ではない。一刻も早く、ローザを助けないと。



「わ、分かった。今はあれこれ言っている暇はないよな」



 ドキドキしてヤバいけど、俺はミランダをお姫様抱っこした。……体重、軽っ。まるで紙のようだな。



「こ、こうされるの憧れだったんです。それがアビス様だなんて、幸せすぎてどうかなりそうです」


「……っ!」



 俺の方こそこんな美しいエルフを抱えられて……だめだ。頭がどうかなりそうだ。前だけを向け、俺よ。



 ただひたすらに前進あるのみ。



 マップの点滅を追っていく。

 襲ってくるモンスターは基本的に無視し、倒せるものは倒した。ミランダを抱えていても、なんとかなるな。


 どんどん先へ進むと、ようやく男の後ろ姿を捉えた。



「あれは、ローザ様!」

「あれか。しかし追いつけんな。ヤツの足を止める方法はないのか。インビジブルランスではローザを巻き込むかもしれないし」


「そういえば、アビス様は弓も使えるのですか?」


「あ、ああ、インビジブルアーバレストだな。そういえば、まだ一回も使ってないや」

「では、矢はありますので、一緒に矢を放ちましょう」



 ミランダは、アイテムボックスから『エルフの矢』を取り出した。矢尻が“エクサニウム”で出来ているようだ。



「どうすればいい」

「弓を出していただけますか?」

「分かった」



 俺は、はじめて『インビジブルアーバレスト』へ変形させた。これが弓か。貴族時代、親父にやらないかと誘われて少しだけ触れたことがある程度だが。



「そ、それが弓……素晴らしい造形です」


 同じパーティのミランダには、俺の“弓”が見えている。



「かなりデカイし、ゴツいな。で、どう射ればいい?」

「では、わたくしがアビス様のお手に添えますので……その、よろしいですか」


「あ、ああ……頼む」



 かなり密着してくるミランダ。

 良い匂いがする。

 心なしか、背中に柔らかいものも当たっている気がする。だけど、そんな感触を味わっている暇もない。


 重ねてくれるミランダの手に身を任せ、俺は弓を引く。


 すると、エルフの矢が凄まじいスピードで飛んでいった。それはあの男の足へ見事に命中。転倒させた。



「うあああああああああ!!」



 その隙に俺は、ローザを救出した。



「ローザ! 無事だったか!」

「アビスさん!! 必ず見つけ出してくれると信じておりました」


 鼻水を垂らしてわんわん泣くローザを俺は受け止めた。


「すまないな、まさか連れ去られるとは思わなかったんだ」

「わたしも驚きました。でもですね、この男性……えっと、アーリーという方なんですが、なんと――」



 俺は、ローザから意外な真実を聞かされて驚いた。……そうか、それでローザを連れ去ったのか。

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