7話 その選択の先は?
先生の言葉に生徒会長は何も言い返せなかった。
目の前の問題にだけしか目がいかずその後の事なんて・・・きっと、この中で僕と先生ぐらいしか考えてなかったんじゃないかな?
そもそも、先生・・・気づいてるのかな?
先生もたしか身近な人があの行方不明事件でいなくなってる。
クラス全員があの事件の行方不明者の関係者で固まってる以上なんらかの縁があるんじゃないか?
そんな途方もない事を考えつつもその考えは頭の片隅へとおいやる。
現実逃避のこの思考は一端終わらせないと・・・・。
気になるけど今は目の前に集中しよう。
この国の連中に聞かれるとまずいから隠れてこのあたりの事を先生に相談したいなぁ。
そんな事を考えていれば先生は生徒会長から国王へと再度視線を移す。
周りもどういった答えがくるのかと視線がそちらへと集まり出す。
僕等の混乱してる間に思考を誘導して魔王討伐を約束づける。
そうすればよかったんだろうな。
ラノベだと約束しちゃったら言質とったとか契約魔法の拘束で破ったら死ぬしかないとかあるし。
司のラノベ知識が怖いけどね!むしろ知ってるからそこ怖いわ。
ラノベ展開になったらやばすぎる。
「ふむ・・・で、あれば後方支援はどうじゃろう?
支援に向いたスキルを得てもらうまではレベル上げなどが必要となるが・・・。
戦闘に置いて王都近辺でなら人型の分類ならゴブリンと亜人のオークぐらいじゃ。
覚悟無き者が戦場に出ればそれだけ場が混乱してしまうであろう・・・・。
あぁ、責めている訳ではないのだ。過去に召喚された方々は勇猛果敢に戦場を駆けたという伝承が色濃くある故・・・。」
王の発言はある意味挑発的だ。
まぁ、発破かけて協力的なのとそうじゃないのとふるい分け?
って、ダメだあれこれと怪しんじゃう。
守護霊の警戒もそうだけど・・・なんかなぁ?
王様がなんか企んでる気配が・・・よくおじいちゃんがお使いと称して色々とやられたから・・・。(遠い目
その時の企んでる気配がする。
為政者だから他国どころかこの世界の存在でない僕等の扱いは利用するだけ利用するか誠意な態度でこちらから自発的に協力的にするつもりなのかな?
「こちらも戦う覚悟ありきと考えてしまった。
それはこちらの不徳、宰相よ。
少々期間を設け戦う意志があるかの確認をしたいと思う。
どうであろう?」
「そうですね・・・・。
でしたら、その期間中に1度ダンジョンへ向かわれるのはどうでしょう?
言葉だけではイマイチ伝わらないと思いますゆえに、実際に魔物と相対する事で実感して頂きたく思います。
もちろん、皆様方の安全を考慮いたしまして護衛に騎士達をお付けいたします。
あぁ、ただダンジョンに行く前に少々の鍛錬は必要かと思います。
護衛が居たとしてもダンジョンでは何が起こるかわかりませぬ。
その理由などを知っていただくために皆さまにはこの世界の知識を知っていただこうと思います。」
「うむ、たしかに。
召喚された者達はこの世界の知識はないからのぅ。
こちらも困窮してるとは言え急ぎ過ぎたのもいなめぬ。」
ぞわりと何かがまとわりついた感じに吐き気を覚えた。
王が目を細めただけなのに?
なのにこの感じ・・・一体なんだっていうんだ?
異質過ぎる感じだけど・・・。
「すまぬ、こちらもこの後に少々話し合いたく思う。
あぁ、誤解をせぬで欲しい。
学ぶべきことなど座学の内容の話し合いなど色々と決めたい。
しかし、こちらとしては訓練は受けて欲しい。
治安は良いとは言っても犯罪ギルドなども存在する故、こちらの目の届かぬ時に魔族が来ぬとも思えん。
奴等にとって召喚されたそなたらは仇敵もどうぜん育つ前にその芽を刈り取りたいと思うであろう。
そなたらの命を守る為にも自衛能力をつけておくべき・・・と愚考する。」
先生も少し考えてから王へと言葉を返す。
「・・・こちらの世界の治安などは実際に目にしていない以上俺達では判断できないんで自衛手段は納得だ。
座学も正直、俺達の常識は一切通じないであろうからな。
知らんうちに犯罪に手を染めてしまわないようにも知るべき事。」
まぁ、そうだね。この世界の常識知らない上に法律とか犯罪関連なんて一切わかんないし?
ありがたいけど・・・・なんか裏がありそうだよね。
一部は召喚された=特別待遇当たり前って考えだった奴が落胆の表情だけど郷に入っては郷に従うって言葉がるでしょーが。
思わず落胆してる連中に呆れの視線をやっちゃったよ。