5話 ステータス確認
今日は各自のステータス確認だが・・・・。
これ、他の人のも見るのか?
昨日通された謁見の間以上に広い場所・・・訓練場かな?
軍があるからそういう部屋の可能性・・・ないか?
室内だから訓練場なら庭が定番じゃないか・・・・?
思わず、思考が現実逃避よろしく別の事にふらふらと移動してしまった。
だってそうじゃないか・・・。
この場で僕のステータス偽装がバレたら面倒な事にしかならない。
そう思考が袋小路のようになりつつある中、歓声の声が上がるのに視線をそちらへと向ける。
「会長が勇者!?すっげぇ!!」
「やっぱ、聖君が勇者よね!!」
騒がれてる中心には生徒会長を務めている聖 誠也。
親も弁護士と警察って事で正義感が強すぎる行き過ぎた奴だ。
両親共に正義や弱者救済の立場の人が手本となりそれを見続けて育てばそうなるか?
そんな事を考えつつ生徒会長をただ眺める。
ステータスは鑑定の魔道具が空中に鑑定した個人のステータスを表示するようになってるらしい。
なんでもこの道具は特注品らしく(本来だとステータスは魔道具の水晶玉部分に浮かび上がるらしい)軍内部の力関係を表示する為のものでもあるとの事。
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【名前】 聖 誠也/Hijiri Seiya
【年齢】18
【種族】人間
【職業】【性別】男
【レベル】1
【体力】500
【魔力】800
【攻撃力】750
【防御力】500
【俊敏性】450
【スキルポイント】100
【スキル】
≪ジョブスキル≫
剣術Lv.1
指揮Lv.3
鼓舞Lv.1
≪ユニークスキル≫
聖剣Lv.1
聖気Lv.1
異世界言語
異空間収納
【称号】
勇者
異世界人
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秘匿項目はないのかな?
僕の場合はあったけど他の人の場合は看破とかそう言う偽装や隠蔽スキルを見破るスキルがないと見れない可能性もある。
次々とほかのメンバーが魔道具に触れステータスの確認をしていく。
生徒会長以外にも賢者、聖女とか二次創作に出て来るテンプレ職業の人もいた。
自分番になったのに心臓が痛いぐらい騒ぐ中鑑定の魔道具に触れる。
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【名前】 風間 忍/Kazama Shinobu
【年齢】17
【種族】人間
【職業】剣士
【性別】女
【レベル】1
【体力】300
【魔力】100
【攻撃力】150
【防御力】150
【俊敏性】200
【スキルポイント】0
【スキル】
投擲Lv.3
≪ジョブスキル≫
剣術Lv.1
≪ユニークスキル≫
異世界格闘技Lv.6
異世界剣術Lv.4
異世界言語
異空間収納
【称号】
異世界人
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隠匿項目がちゃんと表示されないのに安心しつつユニークスキルの項目に注視される。
「これほど高いというのにジョブスキルの剣術が低いのはいったい・・・・。」
「あの・・・こちらの剣って両刃なんですよね?」
「え?えぇ。」
鑑定結果を記録する為の書記をしてる人に声をかけながら確認をとる。
周りもスキルレベルの差に驚いてる。同じ剣術でも異世界だからやっぱ違うのか?って考えなのかな。
「えーっと・・・僕の祖父は道場開いてましてその為のユニークスキルのレベルだと思います。
剣術の方は習ってたのは片刃の剣術なんで兵士の皆さんが装備してる両刃ではないからじゃないでしょうか?」
「あぁ、なるほど。剣術にも双剣術やあなたのおっしゃいました片刃の剣術・・・刀術と言うのがあります。
そういう事でしたら納得ですね。刀術スキルは剣術スキルの派生ですので剣術スキルのレベルを上げれば刀術スキルが出現するでしょう。
おそらく、すでに刀術スキルは経験値が溜まりスキルレベルはあるのかもしれませんね。」
「それなら刀術スキルがステータスに出てると思うけど・・・違うものなのかな?」
「この世界に来て武器を使用する事で出るのかもしれません。」
そんなものなのか?
首を傾げるが一人だけ独占する訳にもいかないからその場を離れ次の人へとその場を明け渡しそのまま司の元へと足を進める。
「ユニークスキルって同じのあったな?」
「剣道部のメンバーも異世界剣術持ちだよね?」
「柔道、空手、レスリング、ボクシング・・・格闘技系の部活メンバーもだな。」
なのにジョブスキルでそれぞれ格闘技や剣術などのスキルを習得してる全員Lv.1・・・。
正直その基準ってどこにあるんだろう?
いや、そもそもこちらの世界と僕等がいた世界の格闘技や剣術ってまったく違うものとして扱われてるからこその対応なのか?
武器の明確な違いとか?剣って言っても長剣、両手剣も剣術扱い?
んー、スキルの違いなんてわかんないし・・・。うん、おいとこう。
この世界のスキル成り立ちなんてのもわかんないし。
解明されてるかもわかんないようなブラックボックスの領域なんて考えるだけ無駄というか人生捧げるようなもんだから止めよう。