51話 違い
「薬師ってメリット、デメリットがよくわかんない。」
【・・・唐突ですぅ?】
「いや、錬金術でも代用できんじゃん???」
【まぁ、出来ますぅが・・・。
そもそも、錬金術は魔力がぁこもった物同士を混ぜ合わせるのが出来ますぅ。】
「うん?」
魔力がこもった物限定って事?
いや、それなら限定的なのか・・・?
【素材の薬草は魔力がこもってないものもありまぁすよ?】
「あー・・・取り扱えない素材があると?」
【ですでぇす!錬金術師は魔力の籠った素材の合成と言うくくりぃがあるのでぇす。
薬師は薬効の効果が得られる素材、鍛冶師は金属と言うくくりになりまぁす。】
「・・・錬金術は広く浅く、他は専門的だから狭く深くみたいな?」
【そうでぇす。どの職業も突き詰めるのと解釈の仕方次第なのでぇす。】
解釈?
なんでそこで解釈の話になるんだ?
解釈よりも工夫や応用とかじゃないの?
「技術的な工夫か配合じゃないの?」
【そこはあなたが気づかないとだめでぇす。
他者からの指摘でぇは育たないのですぅ。】
おぅ、教えるだけではだめな部分あるんかい。
いや、育たないって事はスキルが成長しないからって事かな?
自力で発見する事がスキル成長のきっかけ・・・だから詳細教えないって訳か。
生産系のスキルは全体的にそうなってるのかな?
いや、それよりも・・・。
スキルの成長方法をカヒコは把握してるのか?
もしそうなら・・・、スキル成長の方法なんてどうやって知った?
生産スキルにしても僕と同じスキルを持ってたって訳でもなさそうだし・・・。
そもそも、同じスキルでも成長の仕方違うんじゃないのかな?
複数のスキル持ちでようやく取得できるスキルとかあるけど・・・。
まぁ、今のスキルに関する情報なんて城の書庫にあったのと授業で得た知識。
他だと・・・ゲームとかラノベだからなぁ。
その情報が適用されるかわかんないし。
例え適用されたとしても作品ごとに違いがあるからなぁ・・・。
錬金術と言えば鋼が代名詞なあの世界とかシリーズとなってるゲームとか・・・。
王道RPGでも出たな、錬金術。
まぁ、どれも同じ設定ではないし作品ごとでガチで違うな。
素材を釜にいれて待てば錬金完了☆なのもあるけど・・・。
それでも、素材の鮮度やら質の違いで変わる場合もあったしなぁ。
・・・・って、違う違う!!!
解釈の仕方じゃないよこれぇ!!仕様の違いじゃん!!!
考えてた事があっちこっちにいったりしてたら議題から外れすぎィ!!!
えぇっと・・・そもそもの解釈って?
僕は薬師だから薬を作るのあって錬金術のように魔力が宿ってる・・・あれ?
「・・・カヒコ、錬金術は魔力がこもってる素材限定なんだよね?」
【はぁい。】
「薬師は薬を作るから薬と名のつくもの全てが対象?」
【そぉですぅ。】
つまり・・・・。
薬と名前がつけばなんでもOKだと・・・?
それってヤバくない?
薬と定義しちゃえば良いって話じゃん?
ありえないものでも○○薬!ってしちゃえば出来るって事?
え???やばくない!?
【・・・何を考えてるかぁ知りませんがぁ・・・。
解釈はそれぞれでぇ違いますので言ったらだめですよぅ?
この世界は解釈次第でスキルの使いやすさが変ってしまうのですぅ。
あなたの解釈と他の人の解釈は一致なんてありえませぇん。
十人十色と言葉のよぅに多種多様の解釈が存在するのでぇっす!】
カヒコがふざけてるような口調だが神妙な表情を作り念押しをして来たのに顔が引きつる。
解釈次第でスキルは強くなったり弱くなるって言ってるようなもんじゃん。
え?こっわ!!!!解釈が影響とか知らんがな!?
【この世界は発展途上のようなものなんですぅ。
ぶっちゃければ〝世界の理〟が不完全ながら出来ちゃったぁ☆みたいなものなんですぅ。】
「ものすごい欠陥住宅を言われたようなもんですが?」
【あなたのような異世界人の解釈や考えを学び不完全な〝世界の理〟を完成させようとしてるのでぇす。
なので、あなたの解釈もまた〝世界の理〟を完成させる為の情報源の1つとされております。
異世界・・・あなた方の元の〝世界の理〟をこの世界に持ち込んでもいいのでぇす。
もしくは、想像上・・・・物語上の〝世界観〟を定義すればぁ・・・この〝世界の理〟へと定義する事もできまぁす。】
カヒコの言葉に愕然とする。
なんだそれは?
漫画家や小説家が執筆途中に後付け設定しまくってるようなもの?
世界がそれとか大丈夫なの?
後付け設定とか矛盾が生じちゃう奴じゃん。
それなのにこの世界は矛盾を孕んでも存在してるの・・・?
鈍足執筆ながら本慈雨、同時に新作を上げました。
興味のある方はお読みください。