48話 初調合
スキルについての考察とかがあったけど。
正直深淵をのぞき込む感じで頭いたーい!からぶん投げよう!
先人と言う守護霊が居るからあとで聞けばOK!
いや、正直それよりも生存せんりゃーく!と行きたい。
下手な思考の袋小路はいやでぇす。
あっ・・・カヒコの口調うつった・・・。
独特過ぎるよねあの口調。
耳にめちゃくちゃ残る。
「よし、とりあえず作るが・・・。
完成品どこに入れろと?」
保存用の瓶とかないよ?
出鼻くじかれまくりだよ!
くっそ、めちゃくちゃ手間取ってる・・・。
他の皆はこんな手間取らないだろうなぁ。
思わず、離れ離れになったメンツの顔を思い浮かべながらため息を吐く。
【問題ないのでぇす。作っちゃってくださぁぃ。】
「何言ってんのこいつ?完成品をどこにしまえと!?」
笑顔でグットサインで言いやがった!?
このブサ猫どうしてくれよう・・・作ったとして保存場所無いしスキルのレベルを上げるにも調合の数をこなさないといないんだよ?
なのに、保存する瓶とか無いと1回の調合のみになるんですけど。
【ノンノン、作ればわかりまぁす。】
仕方ないなぁとばかりに慈愛に満ちたその目がくっそ腹立つ。
いや、普通にそうでしょ?
保存場所無いのに作るとか素材の無駄とかになりません?
え?作っては捨てる的な感じ?
・・・何それ、持ったなさ過ぎません?
【口で説明するよりも実際に見てもらえればわかりまぁす。
ですのでぇ、早速レッツ調合ですぅ!】
「君のそのノリについて行けないんだ・・・いや待って?
どっからマラカスだした!?」
【ヒ・ミ・ツ☆】
ノリノリにマラカス振り出してるところ悪いけど、どこからだしたそのマラカ!?
シャカシャカとマラカスを振るって音を出してるけど・・・やだぁ、この子こぁい・・・。
大きさ的にカヒコの顔を一回り小さくしたようなマラカスなんだよ?
どこにしまってたのさその大きさの奴・・・。
思わず考察してしまったがカヒコはこれ以上説明するつもりはないらしくマラカスを振りながら応援をして来よる・・・。
でも、作らなきゃ試練クリアが出来ない。
つまり一生ダンジョンから出れないと言う事だ。
・・・断固拒否!!
思い至った事に全力で拒否反応でるわ!
監禁コースなんてノーセンキュー!
家族のところに帰りたいのでダンジョンから出ますっ!
「えーっと、ポーションの作り方は・・・。」
道具はある、素材も揃った。
それらを前にして手順が脳内に思い浮かぶ。
思い浮かんだ手順をなぞるように体が勝手に動き出す。
詰めた素材・・・薬草を薬研の中に放り込む。
そうしてから少量の水を入れてから薬草をひたすらすりつぶす。
ゴリゴリ、グリグリと薬草をすりつぶし続けていく。
いれた水がすり潰された薬草と薬草が擦り潰れたと同時に出てくる汁によって緑色に変化していく。
最初は薬草があったがすり潰されていくことに小さく千切られていくようにも見えた。
それらが薬研ですり潰され続け原型を失いさらに葉の欠片すらなくなった状態までにしていく。
途中で水を少量ずつ入れてすり潰した薬草から出てくる薬草がため込んだ水分と混ざり濃度を調整していく。
とは言っても入れる水の量はレシピ通りだから決まってる。
決まった量を入れきるまで薬研を動かし続ける。
そうしていれば薬研には緑色の液体が並々入った状態になる。
ただし、すり潰していたがやっぱり出ましたね・・・すり潰しきれなかった薬草の一部。
緑色で見えないけどきっと底にも同じようにすりつぶしきれずに残った欠片がきっとあるんだろうなぁ。
だがしかしここで止まってしまう。
薬研はある・・・だけど、この次の作業がこすとか・・・。
えっと、キッチンペーパーないですよ?
漉すのなら漏斗も必要ですよね!?
「・・・カヒコー、薬研以外の道具ってひつよ゛!?」
思わずカヒコに問いかけようとしたら体が動いた。
いや、動いたというか魔力がごっそりと失った。
思わずパニックになるが体は自分の意に反して勝手魔力を放出し次の作業を始める。
そう、放出された魔力が勝手に姿形を変えていく。
思わずそれに見入っていれば必要だったフラスコと漏斗とキッチンペーパーのような布?が出来上がる。
「ひぇ・・・。」
【薬研以外の必要なものはすべぇて魔力が姿形を変えて作られますからご安心くださぁい。】
「心構え欲しいですっ!!
いきなり魔力持ってかれるからパニックになるわボケ!」
こっわいわ!いきなり魔力ごっそりと持ってかれる恐怖だよ!?
魔力枯渇でぶっ倒れる!?って思っちゃうぐらいごっそり持ってかれたんだからね!?
【魔力を物質化するのには魔力は一気にへりまぁす。】
「遅いよその注意事項!!」
説明必要だからね!?
くっそ、半信半疑になるような内容でも聞いておかないと心臓に悪い・・・。
カヒコに抗議の叫びやら文句やらをこぼしてるが体は調合のスキルを発動してる為か勝手に動き続ける。
すり潰して薬草の欠片が浮かんでいる液体を濾過して魔力で作られたフラスコの中へと落ちていく。
だがしかしフラスコを抑えてる手は常時魔力を放出し続けているの・・・何で?
魔力を消費され続けているから滅茶苦茶だるい。
薬研の中に溜まっていた液体がフラスコの中に全て入ると魔力放出を止める
コルクも自前の魔力作られそれで蓋をする。
【はぁい!完成でぇす!】
「うそやん。」
【本当でしたらフラスコとか準備が必要となりますがぁ。
ぶっちゃけ旅するには邪魔でぇ・・・す。
なので魔力を物質化する方法にしましたぁ。
生産職の方はこれもまた【隠れ】スキルとして内包してるでぇす。】
荷物がかさばらないのは良いけど・・・正直に言おう。
「旅路の途中でこの魔力消費はきっついわ!!!」
1つのポーション作るだけでもう疲労困憊なんですよ!