45話 幻聴
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修正編集完了のを再度上げましたっ!
【どうして?】
ただ、それだけが僕の脳を支配した。
謁見の間で・・・気づいたら部屋がボロボロになっていた。
折れた剣を持って僕は・・・・兵士達に取り押さえられていた。
意味が解らなかった。
だってそうだろう?
捜査の結果を聞く為に謁見の間に居たのに・・・。
何で、部屋は戦いがあったようにボロボロに?
何で、僕は折れた剣を握ってた?
なんで・・・なんで皆は・・・・。
僕を恐れる?
それから慌ただしく変わった。
周りは目まぐるしく動いてるのに対して僕は・・・隔離された。
意味が解らなかった。
でも、先生がやって来て教えてくれた・・・。
僕がカザマを殺そうとした事を・・・。
聞いたときは、意味がわからなかった。
僕は、彼・・・いや彼女に対して思うことはあるが、殺したいと思った事は無い。
混乱する僕に先生は、謁見の間で起きた事を教えてくれた。
王からの謝罪と謝罪の意を示すのなのカザマの願いを叶えると言った事。
それに対してカザマが城を出て行こうとした事。
国として城に留めて置こうとしたが、レベルアップによる戦闘職とのステータス格差が出てくるのを出され薬師に師事されるのが良いと判断された事。
城だと魔族との戦争に備えて研究や薬の作成がメインで人材教育には手が回らないのだろうと先生は考えてるらしい。
そうして、カザマの今後を話し合ってた時に僕がカザマを襲い始めた。
先生が言うにはその時の僕は、目の色が赤くなっていたらしくそれは魔族の中でも一部が持つ洗脳系の異能の特徴らしく術者の目の色が反映されるらしい。
また、カザマもカザマじゃなかった。
モンスターハウスの時のようなものか?
と、聞けば驚きの答えが返ってきた。
「カザマは前回召喚された者の誰かが憑依していたようだ。」
「は・・・?」
「気持ちはわかる・・・。
だが、前回召喚された者の名前を言っていた事。
奴自身が、【前回召喚された俺】と言っていた。
他の生徒と話したがネクロマンサーの職業なら憑依も出来るんじゃないか?」
「そうですか・・・。」
上げられた職業にそれならと思った。
死体を使ったり死霊を使う職業のイメージから納得出来てしまった。
「その後、そいつはカザマと一部の生徒を魔石を使って消えた。」
「魔石?」
「魔法陣を封じていたらしい。
転移の魔法陣に飲まれた生徒数名とカザマは消えた。
転移魔法自体が高度な魔法で魔法に長けてる種族ぐらいか・・・または前回召喚された賢者が使ってた記録しかないからそれも判断材料の1つになってる。
おそらくだが・・・あのモンスターハウスでも憑依されてたんじゃないか?」
前回召喚された人かどうかの判断もそう言う判断材料もあったのか・・・。
それに、モンスターハウスの事を言われると確かにと思ってしまった。
あの時の彼女は人が変っていた・・・柔道やボクシングとか中継されるようなプロの試合と学生の大会を見比べれば違いが分かるように・・・。
あの時の彼女の動きはまさにプロ・・・熟練の動きだった。
「カザマ達の行方は分からないが・・・王は捜索はすると言っていた。
もっとも、城に魔族がいる可能性を考えるとそちらの捜索が優先になるだろうがな・・・。」
一瞬、行方不明者を放置するのか!?と思ったが・・・ここは城で王が居る場所。
そんなところに敵対してる存在が侵入して洗脳を行ったという現実に王の安全の確保が優先だと思いなおした。
「先生・・・この後、俺は・・・。」
「・・・わからない。
洗脳の影響がどこまであるか想像出来ない。
ヒジリ・・・お前をここから出て洗脳の影響が出たらおそらく誰も止められない。
レベルが俺達の中で一番高いカザマと互角だった・・・洗脳下にいる時は強化されてると考えられる。
そうすると、俺達どころか軍の人間でも止められるとは思えない。」
「そ・・・ですか。」
誰にも止められない。
その言葉に血濡れて倒れ伏すクラスメイトに囲われたところに立ちすくむ血濡れた剣を持ち嗤う自分が脳裏に浮かび上がる。
仲間を殺そうとした僕には勇者は相応しくないと・・・僕でも先生でも無い声が僕を責め立て続けた。