4話 ステータス比べ
「司、ちょっといい?」
「んぉ?忍か?どうした?」
司に呼び掛けて中に入れてもらえばやっぱこっちにもメイドがいる。
「それでは、ツカサ様。私は部屋の外におりますので何かありましたらお声掛け下さい。」
「あっ、あぁ。わかった。」
司付きのメイドが出て行ったのを見てから見知った幼馴染との空間だけになった事にようやく力を抜く事が出来た。
「どうした?」
「ステータス見た?僕の方でちょっと気になるスキルがあってね。
そのスキルもしかしたら司も持ってるんじゃないかな?」
「ん?同じ職業ならあると思うが・・・?」
「異世界格闘技と異世界剣術ってあるんだけど・・・・。
ほら、僕の家って道場でしょ?司は門下生だから同じスキルを持ってると思うんだ。」
「なるほど、それならありえるかも?
ステータスの見方は教わったところだからちょっと見て見る。」
「うん、頼むよ。」
司がステータスチェックをする傍ら僕も自分のステータスをチェックする。
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【名前】 風間 忍/Kazama Shinobu
【年齢】17
【種族】人間
【職業】薬師(錬金術師忍者※隠匿)
【性別】女
【レベル】1
【体力】300
【魔力】100
【攻撃力】150
【防御力】150
【俊敏性】200
【スキルポイント】100
【スキル】
投擲Lv.3
≪ジョブスキル≫
調合Lv.1
≪ユニークスキル≫
神託Lv.3(隠匿項目)
分身Lv.1(隠匿項目)
隠密Lv.3(隠匿項目)
隠蔽Lv.4(隠匿項目)
疑似神眼Lv.1(隠匿項目)
依り代Lv.1(隠匿項目)
異世界格闘技Lv.6
異世界剣術Lv.4
異世界言語
異空間収納
【称号】
異世界人
半覚醒者(隠匿項目)
先祖に神を持つ者(隠匿項目)
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隠匿項目がある時点でおかしいでーっす!!!!
多分これは司にはない。隠匿項目がある時点で普通じゃない!!!!
目の前のステータス画面を睨みつつ考える。
「お、おい。ステータスんな睨み付けてどうした?」
「へ?あぁ・・・・職業と比べるとスキルがちょっとね。
道場で学んだ事とこっちの世界で選定されたって言えばいいのかな?
その職業とのつながりのなさとかが気になって。」
薬師でこのスキル一覧はないでしょ?
むしろなんでこんなスキル一覧なんだ!?ってツッコミを入れざる得ないような一覧だ。
生産職なのにステータスもおかしいが・・・こっちは道場の門下生だったからこそ体が鍛えられたと言われればそれまでだ。
むしろこっちの世界だと流派や道場の門下生とか専門的なところで学んだ人はこうだと言われればそれまでだ。
後、隠匿項目ってなぁに????
隠してるって事だけど隠してつもりなんですが・・・・。
「え?そん何???お前道場やってる家の血筋だから戦闘職なのはわかるが・・・・。
どれだ?風間総合格闘技を学んでるから分類的に格闘家?いや、こいつ投擲得意だから盗賊とか暗殺者とかか?」
「個人的には盗賊、暗殺者って何その犯罪者枠?って思うわ。
元の世界戻ったら苦労するフラグ。」
「確かに。」
さすが、ラノベ読み込み人!!
ラノベ展開は一通り理解しつつそれが現実に起こり元の世界に戻った時の問題点なども思い浮かべてるだろうなこの幼馴染。
考え込むよ様子を眺めつつ自身のステータスを睨み付ける様に見据える。
「お前のステータスって?」
「お互い見せられるものじゃないけど?」
「まぁな・・・・。職業はどうだ?
謁見の間出てやべぇ事言ってた連中居るし・・・・。」
部屋の出入り口の扉の方を司が見ながら声を潜めて言うのに遠い目をする。
分かる、娼婦とか男娼とかふっざけんなって思ったんだが・・・。
「・・・・やばいから司の知恵を借りに来た。」
「え???うっそだろ!?」
大声で反応した司の口を塞ぎ扉を確認して静かにと口元に指を持っていきジェスチャーで伝える。
「それとステータスが色々と可笑しいだよ。」
「おかしい?」
「隠匿項目なんて部分がある。」
「・・・・お前それステータス偽装じゃね?」
「原因はなんとなく・・・擬態と隠匿の2つのスキルのせいだと思うんだ。
ほら、僕の実家ってもとは忍者だったって言うの一部しか知らないからそれが原因じゃないかなぁ?」
「なるほど。」
偽装ってやばいけど・・・・。
これ、使えるんじゃね?
「・・・ねぇ、司。このステータスって表示変えられるもの?」
「いじるのか・・・?」
「職業とジョブスキルだけね。他は基本変えないかな?
隠匿項目なんてバレるとやばそうだって感じだし。
騎士達が言ってた生産職だからそのあたりだけ変えたい。」
「まぁ、お前がした訳でもないし・・・元々の隠匿項目は最初っからだったって言えば大丈夫じゃね?
生産職の偽装も会長も理由言えば大丈夫だろう。」
目の前のステータス一覧をタップしたりと色々と試してみるも隠匿項目はどうにもならんかったです・・・。
鑑定スキルが高い場合はこれもバレるんだろうなぁと考える。
その時はその時だってわかるけど理解するのを拒否ってる脳よ。
「そもそも偽装スキルってとれるか?」
「確認したけど大丈夫。今持ってるポイント全注げばレベル2は取れる。」
最低限でもレベル2の偽装にしておくべきかな?
レベルが上がればこのポイントも増えるんだろうか?
「むぅ?」
「悩みか?」
「いや、明日ステータス確認みたいな流れだから偽装全振りでステータスごまかそう!!って思って。」
「なるほど。」
ぽちぽちとステータスをいじり結果がコチラ!!
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【名前】 風間 忍/Kazama Shinobu
【年齢】17
【種族】人間
【職業】剣士(薬師、錬金術師忍者※隠匿)
【性別】女
【レベル】1
【体力】300
【魔力】100
【攻撃力】150
【防御力】150
【俊敏性】200
【スキルポイント】0
【スキル】
投擲Lv.3
≪ジョブスキル≫
調合Lv.1(隠匿項目)
剣術Lv.1
≪ユニークスキル≫
神託Lv.3(隠匿項目)
分身Lv.1(隠匿項目)
隠密Lv.3(隠匿項目)
隠蔽Lv.4(隠匿項目)
疑似神眼Lv.1(隠匿項目)
依り代Lv.1(隠匿項目)
偽装Lv.2(隠匿項目)
異世界格闘技Lv.6
異世界剣術Lv.4
異世界言語
異空間収納
【称号】
異世界人
半覚醒者(隠匿項目)
先祖に神を持つ者(隠匿項目)
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・・・・隠匿項目あると随分とにぎやかだね・・・ステータス画面。
「これバレたらやべぇだろ?」
「生産職うんぬん聞いてたの他にもいるから全員の前で暴露ればセーフだと思いたい!!!
いや、セーフじゃなかったら全力で逃げる!!」
「声でけぇ。」
あっ、はい。
そう言えばドア向こうに多分いるんだったね・・・メイドコンビ。
そもそもあれってハニトラ要員らしいからな・・・・。
手早くスマホのメモ帳アプリを起動して司に守護霊情報でのメイド=ハニトラ要員なのを簡素に書き出して見せる。
「(あー・・・ラノベあるあるだな。召喚された奴等のレアスキルを血族に取り込むとかそういうのだろう・・・。)
とりあえず明日全員ステータス確認されるが・・・お前どう思う?」
「ぶっちゃければどれだけきれいごとを並べようがこっちからすれば誘拐してお前等戦闘奴隷として働けって脅迫されてるようなもんだろ。」
「辛辣・・・・。」
「国の最高責任者相手ならその肩書がすでに脅迫のネタだよね?
王が黒と言えば白であろうとも黒って定番じゃん。」
「権力者の発言で俺等の先はきまるってか・・・。」
ラノベ定番の展開だろう?
嫌な事に司からラノベネタを教わった身だからこそメッチャ最悪展開を想定しておかないとその時に遭遇したら精神が死にそうだわ。