41話 別離
「薬研・・・薬研無いの・・・。」
「どこぞのお化けかお前。」
職業に必要な道具が無いのに絶望していればツカサに呆れられた。
だがしかし、これは仕方ないじゃない?
「まぁ・・・武器庫って言ってたから・・・。」
「畜生っ・・・!!あったら毒薬作って投げナイフに着けたりとかユウの使う矢に痺れ薬とか使えるのにっ!」
「あぁ・・・うん。」
「痺れ薬は欲しいな。」
アイディアを嘆くように言えばそれは欲しいと言う感想を貰った。
実際に効果あるかわかんないけど創作ネタの奴使ってみたいよね!?
狩りゲーとかに出てくるじゃん!痺れトラップとかぁ!
まぁ、実際にどこまで使えるかわかんないけど・・・。
罠にしても上手く作動するかもわかんないし。
「無い物ねだりもそこまでにしておけよ。」
「あぃ・・・。」
「しょげてる・・・。」
「まぁ、将来性を考えれば適正のある職業と持ってるスキルを育てるのは手だろう。」
「そう言うものか?」
「レベルアップによるステータス補正が多分生産と戦闘職で違うと思うんだ。
それぞれに合った職業によってステータスの上がり方が違うハズ・・・。
理由として適正職業=才能だから才能にあったステータスの伸び方だと考えてる。」
「なるほど・・・ならステータスの上がり方も違うだろうな。」
「将来を考えると・・・まぁ、手段としては欲しいな。
俺としても買い物とか考えると回復手段の幅が広がるのが欲しい。」
「わかりみがふかい。」
「回復は魔法・・・いや、魔力が切れたら魔力自体を回復させる手段として必要か・・・。」
「そっか・・・ダンジョンとかで手に入るとかって絶対って訳じゃなさそうだし・・・。」
そう、回復手段が魔法オンリーはつらい。
回復薬を作れる手段があるなら試したい。
魔力が無くなった場合やら回復役が動けないとか別行動の時の場合を考えれば回復手段は複数の方が良い。
「薬研が無いから諦めるしかない・・・。」
「いや、あってもレシピ的なもんは?」
「道具揃えば知識自動インストールとかじゃない?」
「おい、ラノベネタに走るなここは現実。」
走らせて・・・現実逃避だよ。
「知識自動インストールと言うか材料があれば何が作れるかなんとなくわかるな。
スキルレベルが低いと材料が揃ってもわからんけど。」
「よっしゃ!二次元あるある!」
「ツカサ、戻れ。」「シノブ、無言でサムズアップしてないで。」
思わずツカサと反応したら怒られた。
良いじゃないか・・・ちょっとだけ希望出たんだから!
いや、それよりも・・・。
関節人形の発言から守護霊ってもしかして・・・・僕と同じ生産職だった?
「質問OK?」
「内容次第。」
「あんたも生産職?」
「・・・まぁ、それぐらいなら良いか。
俺も生産職だけど?」
「それ聞くのは?」
「お前の道具作るから見てればわかるだろ?」
「へぁ?」
作る?
何を言ってるんだこいつ?
そう考えていれば関節人形は手近にあった両手じゃないと持ち上げる事が出来なさそうな大斧を手にしたと思えば金属部分が一人でに動き出すのに驚く。
「っ!?」
「うそ・・・。」
「俺は錬金術師の職業だ。鍛冶、調合、合成とか生産系オールラウンダーのようなもんだな。
あぁ、でも木工と農業とかは違うからオールラウンダーとは言えないか?生産系と言うか・・・物づくり系オールラウンダーがしっくり来るな。」
関節人形が動く金属を自由に動かしてるらしく大斧の姿からどんどん金属が圧縮されてるのか小さな物へと変化していく。
「すげぇ・・・。」
「金属・・・だよな?あんな生き物みたいに・・・。」
「よし、これで良いだろう。薬師に必要な薬研の出来上がりだ。」
関節人形がそう言い差し出して来た薬研を受け取る。
薬研を2つそれぞれいろんな角度から見ても元の大斧の姿なんて欠片も無い。
それどころか金属圧縮されてたハズなのに重さをそこまで感じないのが不思議だ。
だって、一目見て僕が両手を広げても大斧の幅に少し届かないような大きさだった。
それが、両手で持てるほどの大きさになってしまった。
錬金術ってすっごいわぁ。
「それで材料が揃えばなんとなく解るよ、スキルの使い方。
俺もそうだったからな。」
「・・・薬草とかなかった!!!」
「薬草と水系で一般的なポーションだから。」
「水系?」
「魔力が込められた魔力水や付与でもて属性効果のある水とかあるから水系とひとくくり。」
「効能差でも出る?」
「自分で調べろ。」
んー、まぁなんでもかんでも教えられても身につかないだろうからこれは仕方ないのかな・・・?
「さて・・・防具は無いがそれぞれ武器は渡った。」
道化染みたように関節人形が語り出す。
「盾は武器扱いか・・・。」
「盾を利用したタックルとかあるからねぇ。
まぁ、良いさ。さて、ここからはダンジョンの内部に行ってもらう。
おっと、忘れないうちに水の魔石を渡そう。魔力を込めれば水が出るから水分補給には困らんだろう。
無くされると困るから腕輪なのは諦めろ。」
右手首に光の環が出来たと思ったら腕輪が一瞬で嵌められた。
いよいよをもって・・・ダンジョン攻略するまで出てこれなくなるのか・・・。
「あっ、そうそう!言い忘れてたけど10階まではソロな!」
「「「「「「は・・・?」」」」」」
「それぞれにあった課題の攻略が課せられるだけだ。
good luck、10階で全員集合出来ればいいな!!」
ガコンッ
「んな!?」「いっ!?」「「はぁ!?」」「うそでしょ!?」「ひぇっ!?」
それぞれの足元の床が扉となったと思ったらその扉は開かれ僕等はソロでのダンジョン攻略を余儀なくされるとか・・・。
あのクソ守護霊ふざけんな!!!