37話 もたらされる情報
「っ!?」
体の自由が戻った時には別の場所に居た。
周りはあの時、魔法陣の上に居たメンバーが居る。
「こ、こは・・・。」
「おい、シノブどう言う事だよ!?」
「あんた何したの!?」
周りからの声にどう答えれば良いかわからない。
あの時の僕は僕ではない。
でも、それはここに居る中でわかるのはきっとツカサだけだ・・・。
「黙ってない「そいつに聞いても無駄さ。」っ・・・!?」
ここに居る誰の声でもない声に振り返れば関節人形が鎮座していた。
「そいつに聞いても無駄だ。
俺がそいつの体を使ってたからな。」
その言葉にツカサ以外が驚く。
「・・・あんた、なんなの?」
「付喪神(笑)」
「ふざ「とりあえず今はそれだけだな。
仮名だ仮名。俺の名は教えられないが・・・前回、召喚された奴等のうちの1人の失敗者。」っ!?」
関節人形の中に居る守護霊から繰り出される言葉に誰もが絶句する。
だって、そうだろう?
前回召喚されたメンバーの1人・・・。
それは僕等が知りたい情報を持ってる事になる。
それは今回召喚された皆が前回召喚された者の近しい者だから知りたい情報だ。
「ど、言う事だっ・・・!!」
「言葉の通り。
けど、今のお前達に教えるつもりはない。勇者の様に洗脳されたら困るからな。
敵に知られたら困るから【ダンジョン制覇】と言う区切りを超えた奴しか教えない。
俺達の中に居た【迷宮主】の職業持ちが作ったこのダンジョンを制覇したのなら・・・教えてやる。」
長髪的に伝えられた内容に1人が反応する。
「いくつか質問しても良いか?」
「答えるかは内容次第だがな。」
「ここはダンジョンと言ったな。」
「あぁ。」
「で、あるなら攻略はほぼ絶望的だな。
そうだろう?俺達は武器も身を護る防具も回復する為の道具もない。
ゴブリンを素手で倒せるとは思えない。」
クラス委員のサトウの言葉にここに居る皆が今の所持品などを手元や服装を確認し納得出来てしまった。
そうだ、無装備で僕等はダンジョンを攻略なんて無理だ・・・。
「あぁ、それなら問題ない。
ダンジョン制覇に向かうなら防具はこっちで提供するさ。
ダンジョンは最下層100階にいるボスを倒せばいい。
そこに行くまでの間に低レベルでも持てる成長する武器を準備してある。」
「成長する武器・・・?」
なんか、ファンタジーにありそうだけど伝説クラスの武器じゃないかなそれ?
思わずツカサを見てしまえばあっちも困惑してるし・・・。
「お前達のレベルが上がれば下位の武器では武器自体がお前達のステータスに耐えられない。
だからと言って新しく作るにしてもここに連れて来る奴に鍛冶師を連れて来れるかもわからない上に・・・。
鍛冶場なんて作る余裕もないからな。モンスターを殺す事で成長すると考えろ。
ただ、成長するかわりに意思を持つ場合もあるし武器を制御できなければ魔物化するだろうな・・・。
俗にいうリビング・アーマーのようなもんだ。」
「・・・難易度が高いが・・・。
お前が言うことも正しい。」
「こっちも苦肉の策さ・・・。
食料に関しては各階層に食えるもんと水場があるからそれを探せ。
水なら最悪水属性を付与した魔石に魔力を込めれば水を得られるからな武器と一緒のところに保管されてるから持ってけばいい。」
考える余地はあるって訳ね。
守護霊の説明に進むしか現状は無いだろう・・・。
出口見当たらないし、進む事を前提として作られてるのだろう。
「次、ダンジョンを制覇しなければこのダンジョンは出れないのか?」
「転移魔法でなら脱出は可能だな。
他の方法はダンジョン制覇。ラスボスの居る部屋の奥に外に出る転移の魔法陣があるからそれだ。」
「・・・何故、お前はカザマの体を動かせた?」
「俺は前回召喚された奴の中でも特殊な立場になったから・・・とでも言おうか?
詳しくは説明出来ないな・・・現状。」
「終わった後なら出来ると?」
「あぁ。」
「サトウ・・・。」
「進むしか無いようだな。」
覚悟は決まらないがダンジョン制覇しなければいけないのだろうな・・・。
100階のダンジョンを制覇なんて・・・年数掛かるだろう?
「あぁ・・・。
最後に、このダンジョンは外との時間の流れが違う。
これはお前達がダンジョン制覇に年単位の場合だと外の情勢の変動が大きいだろうと判断してそうしてある。
性格には転移の魔法陣に細工してこのダンジョンに入った時空に戻る短距離のタイムトリップだな。」
「待って???リアルな国民的アニメネタ実現!?」
「魔法で再現だと!?」
「おい、そこの2人気持ち分かるが落ち着け。」
思わずツカサと反応してしまったが他も同じだろうが!!!!
言葉にしなかっただけで顔は思いっきりマジで!?って顔だったじゃないか!!!