表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/57

27話 判定 前編

「すまんな、一時的だがこれを。」


「?」



団長から差し出されたのは鉄輪。

奴隷や囚人の描写で出てくるような枷のように一切の装飾はなくただの鉄の輪ってわかるやつ。



「マジックアイテムだ。


本来なら罪人につけるものでこれをつけた者は強制的に全てのレベルが1になる。」


「全て?」


「あぁ、ステータスがレベル1のものになりスキルレベルも全て1になる。


まぁ、いわゆる弱体化というものだ。」



なるほど。

王の前だから、疑わしい者は弱体化させると言う事か・・・。

罪人確定だったら檻にぶち込まれてるだろうね。

ん?レベルが1にリセット状態・・・?

・・・・やばい、隠蔽スキルばれーる?

聞かれたらどうしよう・・・いや、あの発言聞いてる奴もいるからいけるな!!


内心冷や汗だらけになりながらそんなを事を考える。

うん、偽造スキルの存在を忘れてた・・・メタクソ言われそう。

でもなぁ、記録取ってると思うからそれと比較しても自ら前線なんで?ってなる・・ハズ!

とりあえずなんか言われても理由はちゃんとしてる。

メイドとかもあの場に居たから名前知らなくっても特徴言えば言質取れるはずっ!


団長から鉄の輪を受け取りそれを身に着ける。

鉄輪の色が濃いグレーになるとガクンとつけた右手首が重くなったのに腕が重さにつられて下がるのに驚く。

え?ステータスってレベル1に戻るとこんなやっべーの?



「重さは鉄球1つ分・・・2,30ジグだ。


対象のステータスによって変動するようになってるからな。


色が黒に近ければ近いほど重くなる。」


「付けたら重くなるって事前に知りたかった!!!


腕が床にめり込むかと思った・・・!!!」



ギリギリとつけた右手を左手で支えつつ涙目。

くっそ痛い!!!

手首折れるかと思った・・・。



「ん?そんなに重要か?」


「手首が急に重くなったので折れるかと思った。」



すっとぼけ顔団長に言えばえー?って顔をされる。



「・・・ステータス補正ないと見た目通りの貧弱さなので。」


「あっ・・・。」


「忘れないでくださいそこのところぉっ・・・!!!」


「すまん、すまん。」



半泣きになって言えば軽い口調で謝れた。

右手は左手で支えながら降ろせば右手首の腕輪の重さでちょっと右腕は下がる。

小さな子供が親の手にぶら下がるような感じなんだろうな・・・親戚の叔父さんがくらって重い、重いって悲鳴上げてたなぁ。

片手で支えるのきついんだろうな・・・今の僕のように・・・。



「さて、緊張もほぐれただろうし行くか。


あっ、俺はカード見せてもらったから無実わかってるからな?」


「団長!?」


「・・・これ依怙贔屓になりません?」



思わず虚無顔で団長の傍にいた人を見ればスッと目を逸らされた。

いや、今ちょっと待て!?とばかりに団長呼んでたじゃん。

否定しようよ?お願いだからさぁ。

後、団長の様子に守護霊笑い転げてるのが視界の端にあってくっそうぜぇ。

殴っても許されると思う!!


でも、殴ったらアウト!!

だって周りからすれば何もないところを殴りつけてるんだもん!

精神異常者扱いになるわ・・・。



「ん?確認だけになる状態だから大丈夫だろう。


それよりもメイドの方が問題だ。


誓約がかかってないなどあってはいけない。」



びりびりと威圧を受けるのに息をのむ。

表情は穏やかだけど体から発せられる威圧がやばい・・・。

思わず逃げ出したくなる。



「団長・・・。」


「おぉ!!すまん、すまん。


カザマもそう警戒するな。」


「・・・あの威圧で警戒するなとか無理です。


って、言うか威圧対象から全力で距離取りたくなるレベル。」


「ひどいな?」


「おちゃらけてても怖いもんは怖いんで。」



人間、1度認識してしまった印象を変えるなんてそうそう無理だね。

会長への印象?偽善者一択ですね!いくら善行をしていてもその場限りの善行じゃんあの人!

虐めがあれば介入してその場をとりなしてそれだけ。

会長の目の映らない範囲で虐めは再び始まり以前より過激になる。

それすらわかってない。

介入するなら両者の保護者呼びだして対面させろや思った。


ちなみに僕はノーセンキュー。

関わるつもりないし道場で鍛えてるから手加減できなかった場合怪我もひどいだろうからね。

そういうのは進んで関わるべきじゃない。

先生達に言うのも手だが・・・事なかれ主義多いし。

高木先生なら叩き潰してくれそうだけどね!



「それじゃぁ、行くぞ。」



団長の顔つきが変わり言われるのに一つ頷いて団長の後をついていく。

僕の持てるカードは性別。

向こうの主張はまずこれで潰せる。


不安要素は偽装スキルの存在。

露見した場合は召喚された日に聞いた事の暴露。

アレの発言を聞いたクラスの連中もいるから大丈夫。

偽ったのは職業欄とジョブスキルのみだからこっちの言い分は通るだろう。


ただ・・・、最初っからあった隠蔽、擬態スキルの露見はアウト。

ツカサしか知らないがこれがある。

あいつの部屋で話していたのを聞かれてたら本気で詰む。

その時は逃げよう。


潔く逃げの手を打つしかないわ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ