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2話 異世界召喚

「ようこそ、異界の勇者様方。」



教室にいたはずの僕等は石畳の広間の真ん中に舞台のように数段高くなかってる壇上に魔法陣が描かれた陣の上にいた。

あっちこっちから困惑の声が上がる中、その人・・・・壮年の王様?って言えばいいのかな?

服装は豪華とは言えないが気品があって王冠があるから多分そう。

その人の傍に神官かな?前にニュースで出てたローマ法王みたいな服装の人やシスターや牧師のような服を着てる人もいる。

さらに壁際には騎士達もいるし。

どこの中世?って考えがよぎった。

だってそうだろう?平成の時代に甲冑を来た男達が壁際にぞろりといるんだ。

周りを見て観察するが彼― 黒装束で顔も黒い布を頭巾のようにして隠してる ―は目を細め警戒してる。

僕以外には不可視の存在。祖父の実家に伝わる忍刀につく付喪神だったり家の守り神とか呼び方はいろいろだった。

僕は守護霊扱いしてるけど。小言のうるさい保護者だからね。

そんな彼はは小さい頃からずっと一緒にいたからこそ彼等を信用すべきではない存在だと教えてくれる。

周りの混乱は落ち着く事もないがそれはあらかじめわかってたように彼等はただただ、微笑みコチラを見ていた。



・・・・・



あの場である程度の混乱が収まるなりここが僕等のいた世界ではない事を告げられた。

異世界召喚なんてと否定的な人もいたが甲冑を着てる兵士や王や神官達の様子が嘘を言ってるようには見えなかった事。

一度、部屋を出て謁見の間に移動時に城の外の様子が吹き抜けの通路から見えた。

中世時代を思わせるような城下町と城と城下町を囲う塀・・・と言うか街ごと城壁に囲まれてるのに誰もが絶句し案内されてる途中とは言え足を止めてその風景に僕等は見入ってしまった。

いつまでもそうしてられずに謁見の間に通され説明されるのは異世界召喚定番の魔王討伐。

以前にも勇者召喚をしたがそちらは勇者と魔王の相打ちとなり魔王は深手から眠りについていた。

その眠りから目覚める兆候―――魔物の活性化に魔王の目覚め間近と感じ召喚を決行となった。

そうして召喚されたのが僕等だと説明されるが・・・・。



「ふざけるな!!魔王と戦え!?そんなの出来る訳ないだろう!!」


「そ、そうよ!!私達戦うとか無理!!」



戦後数十年過ぎてる僕等の世界ではそれこそ祖父母や曾祖母等から世界戦争時代の体験談を聞くか博物館などに足を運んだ人が当時の様子を見聞きした程度。

それよりも王は分かってたような態度・・・・。

これって先代勇者達も同じような反応をしていた・・・・?

守護霊の方を見たくってもこっちを観察してる周りに気づかれるとかまずい。



「おいおい、俺達帰れるのかよこれ・・・・。」


「落ち着いてるとこ悪いけど・・・僕等のこの世界の知識なしっぷりからは無理でしょ。

召喚した彼等ならその方法を知っていてもおかしくないけど・・・・。」


「ラノベだといくつかパターンあるぞ・・・どれが該当すんだよ・・・。」



そう言えばこいつラノベとか異世界召喚、転生、転移ネタ好きだったね。

幼馴染である野木 司が青褪めつつも現実であると認識しようと必死だ。

訳もわかんなしいこれは現実じゃないと否定しようとすれば出来るけど・・・。

逃げるなと彼は視線で訴えて来る。

この場で彼が見えるのは僕だけで普段は斜め後ろに浮くようにして見守ってる存在が現状を現実として受け止めろとばかりに目の前に移動してこちらを見て来る。

そもそも普段なら声をかけてくるのに何で今回は何もしゃべらない?

守護霊(?)への疑念を考えつつもも周りと比較的に表面上は冷静に見えるんだろうな。



「おい、忍。お前冷静すぎるわ。」


「非現実的すぎて夢だと認識してるだけさ。」


司にそう返せば微妙な顔をされるもどうすればいいのか考えようにも考えられない。

この現状に対して誰もが正常さを失ってる現状でまともな返事なんてできるのか?



「勇者召喚をされた当時の文献には召喚されました勇者様方にはそれぞれに適した職業がステータスに表示されております。

此度、召喚されました皆様方にも同じように個々に適した職業が表示されてますでしょう。」



宰相の言葉にさらに困惑しかない。

適した職業?それに合わせた戦い方をしろって訳か?

そんなものを提示されても僕等は戦う為の覚悟なんてない。

道場で武術を習っててもそれを対人に持ち込んではいけないと教えられてるしなによりも犯罪につながる。


一番の大前提として相手は素人と言う事だ。

武術の心得あり=専門のところで学んだも同然なんだ。

専門のところで学ぶと言う事はいかにその武術を使う上で体の的確な動かし方などを学ぶ事。

よく、小説や漫画で蹴りや突きなどに腰が入ってないって表現がある。

素人の攻撃ってまさにこれに等しいし道場通いは腰が入ってる攻撃が出来ちゃうわけだ。

違いがよくわからないと言うのならば武器持ってる相手と戦えるか戦えないかとでも考えれば良いかな?

普通の人ならビビって武器持ちの人から逃げるし。


まぁ、色々と語ったけど結局は【戦う力やるから殺して来い】って事だ。

魔王を倒すと言う事は物語の主人公ポジだぞお前等!って言われてる。

まぁ、召喚ネタの話ってあるから召喚された時点ですでに主人公の立場だろうね。

あぁ、でも召喚されてもモブポジとか主要ポジとかで別れてるから一概に主人公の立場ともいえないか?

まぁ、だからこそ有頂天になるのも出てきて面倒だとも言える。


そう、僕等の集団から王に近い生徒会長―――聖 誠也。

彼はある意味絵にかいたような主人公。

品行方正、両親は弁護士と警察官と言う悪を許さない立場の人間。

そんな両親に憧れてるとか将来は弁護士になるとかいろいろと噂のある彼ならば・・・・。


この現状で勇者になると、魔王を倒すと名乗り上げそうだ。

強きをくじき弱きを助ける、そんな言葉に振り回される彼なら・・・・ね?




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