25話 相談
「弁明は?」
別室で窓のない部屋にて唯一の出入り口の扉の外には軍の人が見張りとして2人いる状態で寝た。
食事は断った。
毒盛るとかあるよねこういう場面・・・口封じとかで・・・。
まぁ、そんな事を考えてさっさと寝た。
『精神的に疲れたからもう寝ます、声掛けて起きなかったらすみません。』と兵士の人に言っておいたし。
僕としてはさっさと目の前で爆笑しそうなこいつをぶん殴りたかった!!!
こっちの声なんて無視・・・いや、笑いそうなのを必死に手で口を押えて体をくねらせ耐えてるのがくっそ腹立つ。
イラつくままに蹴りを繰り出せばそれを避けながらもう我慢できないとばかりに噴き出して笑いだしやがった。
「ふはっ・・・あはははは!!!!!
マジだった!性別間違えられて、たっ・・・・!!」
笑いすぎて呼吸困難になってるらしくひたすら笑う様子に腹立つわぁ。
むかつくその姿に蹴りや拳をぶち込むが全部避けられるのが余計に腹立つ。
「ふひひっ・・・あー、笑った、笑った。」
「こんにゃろうっ!!!」
「はいはい、悪かったって。」
笑いを引きずってるらしく声がすんごく震えてる。
からかうように言って来るのに噛みつきたくなるわ!!!
「んんっ、まぁ災難だったな。
だが、ステータス開示でお前の疑いも晴れるってもんだ。」
「まぁ、そうだけどさぁああああ!!!!!
あのクソ会長っ!!!」
会長の言動と結果があってなさすぎるんだよ!!!!
思い出しただけで腹立たしい!!!
自分が正しいって態度もそうだけど口先だけで結果が出てないのにあの態度とかっ・・・!!
「どうどう、落ち着け。
見てたが意志の強さだけは他人がどうこうするのは難しい。
それよりもだ・・・、お前の無実の証明が出来た後の事を考えろ。」
守護霊の言葉にそれもそうだと思考を切り替える。
無実が証明出来たとして・・・僕の今後はどうするべきだろうか?
真犯人がどう動くかが分からないし・・・。
「いや、そもそも失敗してまたハメてくる?」
「失敗したからこそ邪魔と言う判断をされるだろう?
それとも制御できるなら手駒にするか・・・武術出来るからそこをどう見られるか。
召喚された連中の中で覚悟決まってる分類なのも加味されるんじゃね?」
どういう扱いを受けるかぜっんぜん想像つかない。
ツカサのテンプレネタだとやっぱり排除or自主出奔・・・。
元の世界に帰る方法を調べるには外で旅をした方がマシだと思うしなぁ。
城に居ても身の危険しかないし。
「・・・城の外の情報があんまりないのに出てくのもなぁ。」
人間以外にも他種族がいるのは聞いたが種族間での仲どうなんだろうか・・・。
悪かったら情報収集は人間オンリーになるよね?
そうなると自主出奔はやばい。
隠れながらにしても色々とめんどくさいと言うか調べるのに適してない。
紙の生成が安定してないから高騰してるので高いんだよ本とか。
希少価値があるので過去の記録とかが載ってる本なんて王城とか貴族とかの家とかギルドとか一部にあるだけだ。
あれ?そうすると他種族の貴族階級と・・・あるかもわからん図書館狙い?
詰んでません?
自分の考えに思わず虚無顔を晒せば守護霊が大丈夫かこいつ?って目をするのに腹立つわぁ。
「まぁ、俺が知ってる情報でも生きていけるかっていわれると微妙だし・・・。
命の危険を考えれば出奔の方が良いだろうがそれをするにしても納得の上or死亡偽装が妥当だろう。
納得の上でも黒幕が消しておくべきと考えれば狙われるんだし。」
「いらない、そんなじょうほういらない。」
命を狙われる危険を叩きつけられるのに血の気が引いてくる。
こっちは少し前までただの学生だよ?
そんな考えたくもない話しを出さないで欲しい。
「まぁ、考えたくない話しだろうが警戒はすべきだ。」
現実から逃れるなとばかりに守護霊から叩きつけられる情報に息が止まりそうだ。
命を懸ける覚悟は・・・多分出来てる。
モンスター相手に出来たからそれは良い。
人相手に出来るか?
向こうは殺すつもりで来るのに僕はそれに対して殺せないだろう・・・。
意志を持って反撃は出来ないであろうことが簡単に想像つく。
「どうすれば・・・。」
「命の安全を確保するなら出奔がベストだな。
ただ、出てくにしても納得されるネタじゃねーとめんどうになるだろう。」
頭を抱えで悩んでいれば守護霊が簡単に提案してきた。
やるにしても不安しかない。
それに、ツカサの奴は?
下手したら孤立するぞ。
幼馴染を見捨てるのは・・・。
「・・・出て行ったとしてすぐに危険が迫るのは?
あのモンスターハウスみたいに仕掛けられた疑惑あるし・・・。」
「あー、あれ今回の黒幕の仕込み。
一部しか知らないし場所があるからそこをつかえば良いさ。」
「なんで知ってる?」
そうだ、この守護霊動きが早すぎる。
まるで、相手の動きを知っていたかのように・・・。
情報収集してたにしても、僕と一緒に異世界から呼ばれたのに潜伏出来る場所を知ってるのはおかしい。
疑惑が浮かぶか今までの守護霊がやってきた事を思い出せば敵では無いが・・・。
「まぁ、俺がそんな情報を知ってるのはさぞかし疑問だろう。
今まで、お前に伝えなかった事はここを出てから教えてやるさ。
冤罪を晴らしてからな・・・。」
黒い布で顔に巻いてるから表情はわからないが、ただ・・・どこまでも深い憎悪を宿した目で僕越しに誰かを見ていた。