24話 古傷
性別を間違えてた連中は塊、思い出したのはやべぇって顔だね。
「え・・・?は?女???
カザマが女!?」
団長の驚きに周りの騎士も驚いてるね。
まぁ、これ証明しようとすれば出来る事だし。
「待て待て待て待て!!!!!
いや、ならなんで制服は?あれは男が着るのを着てただろ?」
「事情がある者なら男子制服着ますよ?
学校側の許可証と生徒会長の許可証もちゃーんとありますし?
だから、そこの裏切者にハメたの認定してるんじゃないですかー。」
道化染みた動作で軽く肩を竦める。
目を白黒させてる会長へは侮蔑の視線。
「自分の言葉ぐらい責任持てよ。」
ビクリと震え上がった会長を眺めてからその場にしゃがんで右足のズボンの裾折ってく。
突如しゃがんだのに驚かれたが気にせず膝までズボンの裾を折り上げ普段は隠されてるソレを見せる。
ズボンの下から現れたソレに息を飲んだりクラスメイトに至っては吐き気を催すらしく口を手で覆ってる。
「この通り、ヒドイ火傷があるので女子制服だとこれが見えてしまう。
中学時代はこれが原因で孤立してたんで高校は男子制服でそう言うのを防ぐ目的で学校側は許可をくれました。」
男子制服を着てる理由を言えば火傷を隠す為だと理解される。
「・・・学校側は余計な問題が起きないようにの配慮だな?」
「えぇ、火傷の範囲は広く下半身がほぼこれです。
両足にヒドイ火傷後があるなんて目立つでしょう?
体育・・・えーっと、運動をする授業だって水泳は厳禁ですね。
塩素プール染みるから僕は助かりますけど・・・・。」
スカートだと見えるんだよね火傷。
それに、塩水を火傷に塗りたくるとか苦行だからね。
傷口に塩水付けると考えろ。察せ、痛みを・・・。
「理由は分かった。
確かにお前の性別が女なら訳が分からない。
そう言う人はいると聞くが本人も否定してるからな・・・。」
視線が自然とウィアンへと向けられる。
なんかすごく呆然としてるけどさぁ・・・。
「暴行受けたなら性別わかってるハズだけど?
なんで今知りましたって反応?」
びくりと震え上がり青褪めてる様子に回りもいぶかしむ。
知って無きゃいけないハズだけど?
ハメるなら対象の情報ぐらいしっかりと情報収集ぐらいしてると思うんだけど?
それをする必要はないと下に見てたんだろうな・・・。
「今日は一端解散とする。
ウィアン、カザマはそれぞれ監視をつける。」
「な!?」
「団長!?」
「明日、ステータスの確認でカザマの性別を確認する。
カザマの性別が女の場合、ウィアンは誓約をしたのに発動していない・・・。
これが、どういう事かわかるな?」
団長の力強い視線が他の騎士達へと向けられる。
向けられた騎士達が息を飲むのにそこまでまずいのか?
虚偽報告出来ないって事以外にも誓約があるとか・・・?
「王族との誓約は虚偽報告の他にもある。
詳しくは教えられないがその中に王へ危害を加える事を禁じるとな。
王族に向けての物ではないゆえに王以外の王族の危険になる。」
異世界から召喚された僕達に説明された言葉に顔を引きつらせる。
つまり、王以外・・・この国は王女と王妃が1人ずついる。
彼女の暗殺は可能と言うことだ。
え?何それやっばいわ。
あっ、だから監視・・・。
「で、でもっ・・・!!」
ここで食いつくの会長?馬鹿なの?
団長に食い掛るけどそれアウト。
「セイヤ、王は無事でも王妃と王女の身の安全は?
誓約が正しく発動してるならカザマの性別が女であるのに何故暴行をしたと?
暴力以外のものがあると痕跡があるのならカザマ以外が行い、カザマに罪を被せようとウィアンに虚偽報告をさせた事になる。
ならば誓約は誰が解除したか?
そもそも、誓約の解除は城勤めの間はずっと発動している。
城を辞して誓約が解除されるからウィアンは外部の者となる。
外部の者が城内を歩くのは何かしらの企みをもってと判断した結果だ。」
あぁ、王族の安全確保・・・。
納得ですね。
団長からの説明で納得する者がほとんど・・・。
だけど、会長だけは理解できるが納得できないって態度・・・。
この人、わかってないなぁ。
「カザマも現状は服装が違った理由は分かるが女性である事は確実ではない。
カードもあるがあれは小さい上に一度に全員が見れる訳でもないからな。
先日、お前達がステータス確認したアレを使って一同への開示を推奨する。
それを行うまでは疑惑は完全に解く訳にはいかないからそれまでは監視付けだ。」
「まぁ、現状は疑惑を両者持ってるんでかまいません。
ただ、伝言とか良いですか?
ツカサ・・・幼馴染が騒ぐと思うので。」
「む?あぁ・・・幼馴染ならお前の性別も知ってるか・・・。
それぐらいなら構わない。」
「『キレて暴れるな単細胞。』ってお願いします。」
「・・・それ悪口じゃ?」
「ステータス開示すればわかるアホな冤罪だからすぐに解けるじゃないですかー。
ステータス開示の件言えば納得してくれますよ。」
溜息一つつきながらそう返す。
生憎と今回の件で僕の中でこの国への不信感マッハだけどな・・・。
あー、守護霊から情報さらに引き出さないと。
あいつなんか色々と知ってるだろうし・・・。
なによりも・・・僕の現状は再現じゃないのかな?
前回召喚された者の中で排除された1人もこうやって冤罪を受けたのなら・・・。
ぐるぐると前回と今回の情報を持ってる僕は答えのない考えを・・・。
出口のない迷路を彷徨うように答えを求めて考え続ける。
ステータス開示までの間に相手の目的が分かれば僕がどう動くべきかわかるんだけどな・・・。
まぁ、今はそうはいかないか。
下手したらかなりまずいから一端置いておこう。
まずは冤罪である事の証明が先だね。