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11話 命を預けること

あれから軍部で基礎が出来てるのと出来てない人で別れて鍛錬に入った。

基本、ほとんどの人が木製の武器であったり素手での対人戦になれば動けなくなった。

攻撃される恐怖もそうだけど、傷つける覚悟がないからね・・・・。

怪我を負わせて怯えてる接近戦系の職業持ちは割といる。



「ここまでとは・・・。」


「まぁ、仕方ないかと?


僕等の居た世界で戦争なんてほとんどない・・・他国で宗教戦争とかテロとかありますけど身近にはありません。


その上、故郷が関わった戦争と言えば世界中が戦争だった時に敗戦してから争いごとには消却的ですし国の法律から武力放棄で自衛主体にシフトしてます。」


「法からとなれば人を傷つけるべからずと無意識に思ってしまうか・・・。


忌諱があるとすればそれをどうにかしなければいけないな。」



団長さんも大変だねぇ。

ぶっちゃけるとノリ気じゃないが自衛能力はマジで大事だと思う。

この世界、命の価値観割とひっくい。

魔物という存在が危機的状況を生み出してるのもあるから『明日は我が身』という言葉通りだ。

各々で自衛しないと手が回らないよね。

にしても生徒会長は馬鹿なのかなぁ?

声をかけるのは良いけど・・・。



「風間、君は消却的だね?」


「道場通いとか部活勢組はそうですよ。


全員、武道を人に向けるべきではないと教わった時に叩き込まれますからね。」



率先として行動するつもりはない。

これは武道を嗜むからこその考えだ。

休憩中にこっちに会長が来たのにぼやくように呟く。


「会長には戦える力あるなら戦えってスタンスみたいですけどこっちからすればふざけんなって思いですよ。」


「・・・・君は何とも思わないのかい?」



おや、不服のようですね?

不貞腐れたような会長の顔を見てから視線を動かして流れる汗をタオルで拭う。



「人助け、と言えばまぁ・・・。


考えは分かります、けど会長の言い方だと人を殺す為の力を発揮しろって言ってるのと同義なんですよ。


戦争に参加って事は人を殺す訳ですからね。人を殺すの大歓迎!なんて連中居る訳でもないですし・・・・。


僕等は人を傷つける為に研鑽したわけじゃないんです。


人を傷つける為に着けた力を使え!って今までのなんもかんも否定するような言い方が腹立つし気に入りません。」


「僕はそんなつもりは・・・・。」


「目の前の事しか目がいかないって事でしょう?


困ってるから手を貸す。別にそれはいーですけど手を貸した後って会長なんかしてるんですか?


その場限りの優しさなんて地獄への片道切符のようなもんですよ。


『地獄への道は善意で出来てる』って言葉知ってます?


人の善意は時には地獄への誘導にしか僕は思えない。今回は先生の考えに賛同ですよ。


大体・・・会長。」



視線を会長へと向ければやっぱり不貞腐れた顔だね。



「参加して僕等生き残れるんですか?」


「え・・・・。」


「会長の中だと生き残れるの前提ですけど戦争ですよ?


歴史の授業で戦争の悲惨さ習いましたよね?


ちょっと、書庫とか歴史とか調べたんですけど・・・魔族って死に際に魔力高めて道連れで相打ちになって死んだ人もいるそうですよ?


ラノベ好きな司に言わせれば『最悪を想定』しないと死ぬって言ってました。


戦争だとどれだけ被害を最小限にするかを考えると最悪を想定して動かなければいけないそーですよ。


向こうがこっちの思い通りに動く訳じゃないんですから・・・こっちにとって一番いやな方法で来るだろうって。


そうすれば被害増大混乱の間に大量虐殺出来れば儲けもの・・・って事じゃないんですかねぇ、魔族からすれば。」



考えた事も無かったように青褪める様子にダメだと考える。

この人の考えは目先しか向いてない。

だから、こそ・・・・。



「考えた事なかったですか・・・・。


うん、なら・・・やっぱり先生の方に賛同だなぁ。


教師としての役目を果たそうとしてるから・・・ね?


会長も、ちゃんと考えるべきだと思いますよ?


生徒会長の役目・・・いや、立場かな?生徒の代表って事なんですから。


今後もちゃんと考えないと・・・簡単な安請け合いでクラス全員の命チップ状態になりますよ?」



はくりと言葉を失う様子に釘刺しできたかと内心首を傾げる。

あんまり強く言いすぎてもダメそうだもん生徒会長。

ぶっちゃけると打たれ弱い?

苦難に直面してもてこずる事無く乗り越えたクチじゃないかな?

中々乗り越える事の出来ない壁に直面した事無いから簡単に肯定して協力しちゃうとか?

あっ、それなら納得できちゃうのが怖い・・・・司と先生にちょいっと相談したいはここんところ。

物騒ネタでもあるけどね・・・・。

下手すると会長が許可したから全体OKってとられかねないしマジで釘はもっとぶっといの刺すべき???

いや、それは先生に任せた方が良いかな?同年代だからあんま耳傾けなさそうだし。


まぁ、どっちにしろ・・・・。

今の生徒会長と先生のどちらの考えを賛同するか?

って、言われれば圧倒的に先生だろうね。カリスマはないけど元の世界に帰った時とかも考えてるし。

とは言っても・・・女子はミーハーで男子はカリスマでもって会長派が多いだろうな。

中立もいるというかお悩み?の人もいるけど大人数な会長の考え賛同派に流され気味だけど・・・・。

先生の考えでちゃんとしなきゃいけないって考えてるのもいるだろう。

まぁ、とにかく今は自衛能力ちゃんとつけないと城の外での情報収集も出来ないだろう。

城だと多分、王が緘口令みたいなので城の外の情報ってあんまないし?


ラノベ好き司の勇者召喚ネタはいくつかパターンがあると聞いてる。



1、本当に魔王がいて魔王に追従する種族以外滅ぼされかけてる。


2、魔王はいるけどそれは魔族の王の総称で人間再度が気に入らないから魔族潰そうとしてる。(資源問題とか宗教的な考えでとか)


3、宗教概念、政治的概念からの召喚。(偶像の災厄を想定して召喚!!とか)



後は、魔法を極めるのにとか個人の欲求からの召喚とかいろんなパターンがあるらしい。

細かく上げればそれこそ無数になるがおおざっぱに分類するとこの3つが今回の国主導の場合に起きるパターンとの事。

普通に怖いわ!!宗教とか政治概念とかプロパガンダかよ!?って思った。

まぁ、異世界から来たって事は未知の実力者って考えられて希望の星扱い・・・重いなぁ、その期待・・・・止めろ思う。


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