8話 仮説
「先生。」
「風間と野木か・・・お前等どうした?」
「ちょっと相談事が・・・・。」
周りは部屋に戻る中そう言い少し外れた位置へと移動する。
「で?」
「いや、先生よくあそこまで言えたなー?って思ったのと・・・・。」
ちらりと生徒会長へ視線をやれば先生も苦笑いする。
「家庭環境からの凝り固まった思考と考えろ。」
「目先の事しか考えなさすぎる。」
「そう言うお前も平気そうに見えてパニックだらけだろーが。」
「うるさい。」
司に小突かれながら言われるのにあからさまに不機嫌と表しながらそういう。
「他にもあるんだろ?」
「・・・・昨日、謁見の間から出た時の周りの言葉聞いてました?」
メイドや騎士に聞かれないように小声で言えば顔をしかめるのに聞いてたのかと考える。
「あぁ、あれか・・・・。」
今朝部屋を出る前に書いたメモを見せる。
メモには日本語で『偽装スキルで擬態』と書かれてるのに顔をしかめられるがこっちは念のために先生にだけは相談しておきたいんだよ。
「まぁ、その心配もあってさっきの発言だ。」
「なーるほど。
ゆーじせんせーってやる気なさそうに見えて打てる手打つタイプ?」
「オタクのお前もこういう知識は相当あるだろう?
で?風間はまだ言いたそうな顔だな。」
「・・・召喚されたメンツがメンツなんで色々と勘繰ってるんですよ。」
クラスの特異性を先生に明確に言葉にせずとも理解されるのにお互い頷き合う。
司も最初はなんだ?って顔をしてたけど思い当たったのか顔色が変わる。
「ほら、日本には縁切りの神社あるんだから縁ってモノが本当に存在するなら今回のメンツが召喚された理由って・・・ってね。」
「・・・調べてみる価値はあるだろうな。」
「前回、召喚されたのが誰か・・・か。まぁ、確かに気になるな。」
おどけて見せたが司も先生も神妙な顔をするのは仕方ない。
もし、それが本当だったら・・・・僕等が探してる人達は・・・・・。
暗い考えに行きそうになれば先生に小突かれるのに慌てて先生を見る。
「可能性の話しでマイナス思考に行くな。
まだ、違う可能性もある。とりあえず俺達の持つスキルに関する使い方とかそう言うのを学ぶぞ。
色々と調べたいが・・・この世界の基礎も無いからそれをどうにかするのが先だ。」
「まぁ、そうですね。前回召喚された勇者達の強さが分かれば僕等もどれぐらいの強さを魔王討伐に求められてるか理解しますから。
そもそも、殺す覚悟ないのが戦場立つなって言って欲しい・・・・・。」
思わず黄昏てしまうがしかたあるまい。
司も先生も確かにと頷かれる。
ぶっちゃけ、他国の戦争に人たんねーから戦争してる相手国以外の人間戦闘奴隷として拉致ろう!!って話しだろーが。
思わず内心で愚痴ってしまえば守護霊(?)が笑ってるらしく体を揺らしてる。
おまぇなんでこんな時に笑ってられるんだよ・・・・・。
胡乱気に睨めば先生と司に変な顔をされた・・・・。
デスヨネー、守護霊(?)の存在知らんとそうだし!!!
【俺の方で調べておくさ。
俺も色々と調べないとならない事があるからな。】
守護霊(?)からの思念というかテレパシー的な?
それによって聞こえた声にまぁ、ゴーストならバレないだろうけど・・・・。
神職者系たる聖者とか聖女(いや、これ召喚された側に居るけどこの世界居るのか???)とかにバレない?
ファンタジーRPGの敵キャラあるあるなネクロマンサーとかにはバレるでしょ?
【王城内を調べるだけだ。勇者召喚なんて表ざたに詳細残すとは思えん。
あったとしてもアレだ。舞台の劇とか御伽噺にしたやつぐらいしか残ってないだろう。
メインは書庫と隠し部屋と魔術師が詰めてるとこと王の私室とか重役と召喚に関わった連中ぐらい。】
なるほど、教会は・・・・ファンタジー世界あるあるだろうからなぁ。
そっちはないだろう。教会側主導なら召喚の場にいただろうし・・・・・。
守護霊(?)とそんな会話をしつつ先生と司とそれぞれの考えと言うか知りたい事を口にしあう。
止められても無いから別段周りにもおかしくもないだろうしこの世界の連中にとっても不利益になるネタでもない。
ラノベだと不利益口にしたりして口封じに暗殺されるか冤罪ふっかけられるかだし。
言い出しっぺの僕ならある程度の対応は・・・・守護霊(?)頼みになるけどきっと大丈夫!!!!
【お前等はとりあえず怪しまれないようにしておけ。
この国の連中がお前等をどう見てるかわかんねーんだからな。】
「(あぁ・・・僕等からの意見しかないけど向こう側視点の対応を考えないとか・・・・。)」
そして、向こう側がこっちの動きをみてどう対応するかなんて色々とあるよね・・・・。
司ならラノベネタでいろんなパターン知ってそうだから笑い話として個室で聞くべきかな?
あぁ、でも聞かれると反逆とか変に疑われる可能性があるからそれを考慮して聞かないと・・・・。
策略とか諜報とかの苦手だから守護霊(?)になげたーい!
そんな視線をやっても知らんって態度が腹立つ!!
「まぁ、さっきの予想は根拠なくっても仮説がバリに主張できるから黙っておけ。
他の連中が混乱するだろうからな。」
先生が回りを気にして小声でそう注意してくるのに司と目を合わせて頷きあった。
後は一端守護霊(?)に任せて僕等はこの世界の常識とか学ぼうか・・・・。
忠告通りに変に動いて何されるかわかんないし。