雨に降られて、ずぶ濡れなきぶん
もともと、詩を書こうと思って、詩のつもりで書いていたんですが、書き終わってみたら、ぅん?ちょっと違うみたい、ってなって、あえてでいえばエッセイかなぁ、と。なんか中途半端でごめんなさい………
かあさん ぼくのを かしましょか
きみきみ このかさ さしたまえ
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
ぼくなら いいんだ かあさんの
おおきな じゃのめに はいってく
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン
その名も「雨ふり」
だれもが、知ってるし、
だれもが、一番は歌える歌。
メジャー中のメジャーな歌。
でも、この詩の最後部分
「おおきな じゃのめに はいってく」
の部分までソラで歌える人は、
少ないんじゃないだろうか?
え、歌えないのは、おまえだけ?
(そんなことはないと思うよ。)
いや、まあ、私だけでもいいんだけど、
じゃ、次のことは知ってた?
まず、じゃのめって言葉、
いまの若い人じゃなくてもわからない。
むろん、私もそうなのだが、知ってはいる。
「蛇の目傘」のことだとは。
それが、水をはじく、
いまで言うところの、
撥水性のある「紙」で作られた傘だということは。
「蛇の目」とは、模様のひとつで、
「蛇の目模様」のこと。
ドーナツを上から見て、
輪っかの中に
小さなたこ焼きをひとつ置いた感じ、
の模様のこと。
だとは知らず、いま調べた。
魚の目のような、蛇の目のような。
ま、魚の目を思い浮かべたほうが
まだ、わかりやすいかな?
ただ、「さかなの目」だと「うおの目」
と読めてしまうところが駄目なのであります。
うそ、だから駄目なんじゃなくって、
むかしは(いまも?)、ふつうに
「蛇の目」で通じてたってだけのこと。
いままでは、ジャノメといわれて
ああ、蛇ね、
とまではわかって、
ああ、蛇の模様ね、って
菱形を連ねて組み合わせたような
いわゆる「蛇がわのサイフ」の模様を
想像していたかもしれない。
なにも考えず、「目」っていってるのに。
そんな模様の傘、見たこともないくせに。
なにも考えず、なにも考えず………
内省、反対!
そうじゃなくて、
ジャノメの説明をしたい訳では、べつになくて、
私も含め、皆さんが、
ジャノメと聞いて
(ああ、ジャノメ傘のことだな)
と、
恐らくは、その長い(人によりますが)人生において
その実物を生で見たこともない人が大半の、
その蛇の目傘のことを
(ああ、ジャノメ傘のことだな)
と、
いま思えるのこそ、まさに、
まさに、この詩のお陰なのです。
ということを、まずは言いたかったのであります。
あと、この詩にうたわれている「ぼく」は
実は優しくて「傘を貸しましょうか?」と
言っている訳ではなく、
ただ、「教育」が言わせているだけの話です、とか、
ピッチピッチ チャップチャップ の
雨音と水溜まりの音の差の表現の「妙」とかも、
まあ、いま書いてるから、それはまあいいとして
その完成度の高さは
お子様向けの童謡でこのレベルかと、
自称詩人を打ちのめして、あまり有りまくり、
みたいな。
私はなにをして来たのかと………
内省、反対!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
超メジャーすぎて、作者の名前さえ書いてなかったけど、むろん作者は、北原白秋、もう歴史上の人物だから、逆に「さん」や「様」なんかつけられないよね。
内省、反対!