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41・海の中で採取活動

活動報告にはんだのイメージ画を置いておきました、その気になったら見てください


「ほんとにデカかったよ」


 おおよそ十中八九、似たような感想が聞こえるようなデカさの貝がそこにあった。でかいと言われていたのでシャコガイっぽいのを想像していたらほら貝というかマキガイだった。真珠って二枚貝に出来るものではないのか……?この世界では巻貝にもできる物なのか?


 とりあえず入手すればいいか、一度戻って確認するのも手だがなるべく回収できるものは回収しておきたい。貝を回収したらでてきた金属とか。


 ・パールターバン ランクC 鮮度100

 真珠を体内に生成する巻貝、大きな真珠は祭事に用いられる事も多い

 

 ・錆びた金属板 ランクE-

 何かの金属


 ・不可思議なインゴット ランクA

 組成がわからない金属塊


 金属板はB5サイズくらい、全面ボロボロだが厚みがあるのでとりあえず回収しておく。インゴットはレアアイテムの臭いがするので回収。おいくらになるのか査定額が今から楽しみである。


 まだまだ探す、お宝を求めて。

 主に岩陰というかごつごつしている岩周辺に多く生息しているらしく一度見つけると幾つか纏まって回収できた。ちなみに二枚貝タイプの真珠貝もあった、なんで。


 まとまって生息しているため貝自体の回収はそこそこ順調に進んでいる。同時に漂流物と思われる金属類も一緒に集まっている上に以前のイベントで入手していた錆びた武器も何本か入手できている。


 そのまま酸素ゲージが4分の1を切ったので一旦海面へ向かう、ゲージに余裕があるので船へと向かって浮上していく。


 「一旦アイテム置いてもいいですか?」

 「お、見つけられたか。やっぱ来訪者はスジがいいな、見せてみ」

 「えーと……」


 『貝を納品する』、直球で分かりやすいウィンドウとボタンが現れた。有りがたくシステムに甘えてボタンを押すと船の上でゴロゴロと硬いものが転がるような音が聞こえてきた。きっと貝が船にあげられてくれたのだろう。


 「おーいいサイズだ、まだ時間はある。めいっぱい集めてくれや」

 「了解です」


 集めた貝が正解である事が確認できてほっと一息、酸素ゲージが回復している事を確認してからまた潜っていく。

 おおよそのうろ覚えだが最初に潜った方向とは逆の方向を目指す、なるべく人のいない所へと。

 

 2回目の潜水、早くもコツを掴んだのかアシストが高性能なのか苦も無く海底へと到達する。

 岩場の陰を探す、ついでに穴も覗きこむ。こういう穴には何かありそう、そんな気分で覗き込んでは銛を装備して銛の返しの部分で中の物をひっかき出す。大概は砂や石、貝殻だが時折サザエや金属類など細かいアイテムが手に入る。


 ・古びた貨幣 ランクD

 古いコイン、どこで使われていたかは定かではない


 何に使えるのかは分からないが集めて楽しいので問題はない、海辺で綺麗な貝殻を拾って楽しむ様なものだ。

 まぁ適当に市場に流せば誰かが使うだろうというとても楽観的な考えがあるから集めているのも事実だけども、以前拾った種が畑で大成してくれていた事もあったしね。


 定期的に見上げて船の位置を確認しながら今度は少し遠くへと進む。なだらかではあるが着実に深くなっているのを感じながら泳いでいると急にガクッと深くなった、崖……いや大陸棚?

 ちょっと覗き込むと息が詰まるような暗い海があった、落ちるはずなんてないのに吸い込まれそうな恐ろしさに身震い。慌てて戻ると他の船乗りさんがこちらへ手を振り上げるように合図を送っているのが見えた。

 

 こちらへと呼んでいる、多分そんな合図だと思って急いで泳いでいく。ちょっと怖くて早く逃げ出したかったというのが大きいが。


 「あんま深いところには貝がおらんぞ、次のポイントに行くから船にあがれー」

 「了解です」


 水中でも会話できるんだ……、なんて口塞がれてないしまぁ出来るかと。周りを見れば潜っていた人達はもういない。自分が最後だ。

 船尾に作られている乗り上がる用の1段低くなっている縁に手をかけて、懸垂の様な動きで思ったよりもスムーズに乗り上げる事ができた。

 海水が滴る身体を少し扱けばジャバジャバと水が流れていく、手とかは濡れている感触はあるが冷えて動きにくいという事はなかった。ゲーム万歳。


 自分が乗るとゆっくりと船が動き出す。岸沿いを進んでいくと高い崖の下にできた空洞が現れた、高い崖と砂浜と海がなんとも非現実感。1枚写真を撮っておこう。


 崖の下で船を止める、陰になって薄暗いはずなのに海の中は少し明るく海から照らされているかのような幻想的な景色だ。反射した水面が天井の岩に映し出されているのも評価が高い。


 「次のが本命だ、ここでは貝よりこの緑の石を探して欲しい」

 「なんの石なんです?」

 「これ、海ヒスイさ。祭りとは直接関係ないが金になるんでね、1個持っとけ」

 「はぇー」


 ・海ヒスイ ランクC 

 海と風の力を秘めているとされる宝石、古来から様々な物に加工され魔術に使用されてきた


 軽く投げられた石を両手で受け止める。500円玉よりも大きな鮮やかな緑色の宝石だ、角がとれて滑らかなそれは握ると妙なフィット感があってなんとも言い難い魅力があった。しっかりインベントリに入ったので現物があるのはありがたい。

 

 ちなみに貝は全員合わせて50個以上も獲れていたらしい、どうやら目標数あつまったのでお小遣い稼ぎをする事にした……とはオフレコだそうです。ちなみに先ほど貰ってしまった時点で自分も共犯らしいです。

 汚い、さすが海の男汚い。


 「よし、原石でもとりあえず拾ってこい」

 「らじゃー」


 外堀は埋められ、身の潔白はおそらく証明されなさそうな状況なので、皿まで喰らえとやる気を出していく。目指せへそくり。ヒスイ御殿。

 改めて確認する事もないのでささっと海へ飛び込んで潜る。


 こちらは先ほどよりも浅くて砂っぽい。

 底を手でがさごそと動かしてみれば石が出てくるが全部角がなくて丸っぽい。流されてここへ集まってくるのだろうか。

 その中でもヒスイの他に色の鮮やかな物を適当に拾っていく、綺麗な玉石はそこそこに集まると独特の満足感がある。


 ・ラピスラズリ玉石 ランクD

 水の力で削られて自然に出来上がった宝石


 ・レッドジャスパー ランクD

 水の力で削られて自然に出来上がった宝石


 青い石は先日掘ったラピスラズリであった、鮮やか青さが特別感。赤いというか朱色の石はジャスパー……ジャスパーってなんだ?宝石には全然知識がない。でも発色がいいのでこれも集めておく。


 ラピスラズリ、レッドジャスパー、ヒスイの3種類を集めていくがどういう訳かヒスイの大きさはどれも他の2種よりも一回り大きい。

 大きいのはいい事だけどもな。


 浅く緩やかな潮の流れと透明感、途中から潜って海底で探すというより水面から気になったところへ潜るという方法に変えてみたりしている。漂う様に浮いているこの状態はとても心地よい、遠目から見たら水死体に見えやしないかと心配になったりはするが。


 そうして漂っていると少し深くなったくぼ地を見つける。丁度くぼ地の中央に大き目のヒスイの緑色が見えたのだ。


 両手では収まらないほどの大きさだろう、周りの小石を退けて掴んで持ち上げようと力を入れた。


 「……あれ?」


 動かない、正確には周りの小石も合わせて揺れ動く程度にしか動かない。

 予想外の大きさに1度浮上して船の方へ、スコップないしなにか海底を掘っていける何かしらを借りたいのだ。


 「すいません、スコップかなにかないですか?」

 「でかいのがあったか!よし、これ使え」

 

 ・スコップ(レンタル品) ランクD

 穴を掘るための道具 ※レンタル品はクエスト終了時にインベントリから消滅します


 渡されたのは普通のスコップ、早速手に持って再出撃だ。

 おおよその位置は覚えているので近場までは泳いでいって底を見ながら再度潜っていく。


 まずはヒスイの周りをスコップの柄を短く持って周りを浚うように掻き出す。小石が取り除かれて砂が現れたのでスコップを差し込んでテコの原理でヒスイを動かしてみる。

 先ほどよりも大きく動いてくれる、何度かスコップを差し込んで動かしていけば浮き出てくるようにヒスイが顔を出してくる。

 

 やっとの事で全体が出てきてくれた、大きさはバスケットボールよりも大きい。


 ・魔海石ヒスイ 運搬品 ランクEX 

 深海で魔力を帯びた宝石 ※運搬品はインベントリに入りません


 なんてこったい、情報が多い。インベントリに入らないから抱えて運ぶしかない。水中だから重さはさほど感じないけど浮き上がりずらい。

 浮き上がってからも顔が半分ほどまでしか浮かないせいで中々泳ぎにくい、ヘルメットのお陰で海水が鼻やらには水が入らないのは有りがたい。


 「もってきましたー」

 「でけぇな!これに入れな、引き上げるぞ」


 出された扇状のたも網っぽいものになんとか乗せる、引き上げてもらったのを確認してから船に上がる。

 日の元で改めて見るとやはりでかい。ヒスイよりも青っぽいというか怪しい青色をしている。

 

 「いやぁ、これは……」

 「何か不都合でも?」

 「これは売れねえなぁ、海神さまに捧げる要かなぁ……」

 「なるほど」

 「持ってちまっていいかい?」

 「いいですよ」

 「ありがとよ、報酬に色をつけるよ」


 インベントリに入らないのでこっちにはどうしようもない。多分クエスト専用アイテムってやつな気がする。

 気になるけど。


 大物ゲットで一足先に船で休ませてもらい、しばらくして他のメンバーも戻ってきた。各々沢山のヒスイを持って帰ってきた。

 どうやら一部を船にいてくれた船頭さんに上納しているようだ。こうしてちょっと後ろ暗いやり取りが進んでいくのか……。


 全員の点呼が済めば船が出る、なんだか帰りはゆったりとしているような気がする。

 結構な時間潜っていたからかもう日は傾き始めている。帰ったら何をするか……。


 釣りでもするか。 

 


 

 


はんだ

種族:ケットシー 職業:魔術師 Lv.12

装備

 武器:なし 

 頭:森人の角笠+3

 胴:渡者の服+2

 腰:なし

 腕:獣革の戦籠手+5

 足:精霊の輪

 他:快速の腕輪・アイテムポーチ(冷)・鉄の短刀+7


スキル

 <体術 12><釣り 7><魔力操作 on><発見 8><採取+ 5>

 <投擲 10><魔力効率+><棒術 2><格闘 3><追撃 5>

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― 新着の感想 ―
[一言] お祭りの準備のついでに海神への捧げ物も取ってきちゃう主人公、魔力も帯びてたしこれは何かありそうな予感...? 釣りタイム待ってました! そういえば潜ってる最中は魚いなかったのだろうか...?…
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