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27・切り替えと目標

あけてますね、なんでこんなに時間は早く過ぎていくのか

今年もちまちまがんばります


 魔鉄の剣(錆) ランクE 耐久10

 魔力によって変性、鍛えられた金属によってできた剣

 古く錆びてしまい本来の力は発揮できない


 なぜかゴーレムを形成していた装備品類が釣れている。

 この剣以外にも兜やら盾やら鎧の一部だとかも釣れている、説明も耐久も軒並み同じで誤差±2ほどだ。


 湖の底をずるように


 鉄くずで装備が釣れている、まぁ交換レートで言えばなかなかいい……と思っている。

 だがしかし、魚というかそういう釣って楽しい物が来て欲しい。装備は動かないし最初はしないはずの根がかりかとも思ったし、はたまた宝貝のような物かとも内心ドキドキした。

 

 私のドキドキを返して欲しい、できるなら魚的な何かになって返ってきてほしい。


 「残りは2個……」


 もう宝箱からは鉄くずは採れない、採るのなら翌日にボスを倒す他ない。

 それでもいいが出来るならばこの2つで釣れて欲しい。


 「よし」


 狙うのは湖底すれすれ、一度着底させてから少し浮かせて維持。なんとなくできる、ゲーム補正様々ってやつだろう。

 この位置はまだ試していないというのが理由だというのと、最後まで装備品しか釣れないというのがなんか悔しいからである。


 ボウズでもチャレンジしたというポーズがなんとなく自分のプライドを守ってくれる、多分。きっとメイビー。


 祈りを込めつつゆっくりとリールを巻く、リールの音が嫌に耳に響く。

 なんかこの緊張癖になりそう……。


 「っんぉお!」


 ちょっと思考がずれた瞬間に糸が走る、反射的に竿を立ててあわせる。生き物がかかった。

 どっしりとした感じが伝わる……なんというか暴れないのにこちらへ引けない感じ。これはあれだ、ナマズの時に似ている。

 

 だがしかし、引きは今までで一番強い。巻き上げと逃げられていく差がマイナスな感じでこのままだとまずい。

 そして現状打開策はない、実際ない。切実に無い。


 「あぁ」


 限界を超えた糸は空しく切れる。残りの鉄くずは1個だが、このままヒットしたとしても釣り上げるのは多分無理だろう。

 なんというか前に釣った鯛の時とは違いいけそうなビジョンがない。


 つまりはだ。


 「諦めよう」


 結果はボウズとなったが、あれは仕方ない。無理ゲーというやつだ。


 道具を揃えて、レベルも上げて……となると結構時間がかかるだろう。

 そして今ので集中力というかやる気というか、モチベーションがへし折れて急低下中だ。これで続けても苦行にしかならないだろう。


 そしてなによりボスでもらったアーツの方も気になる所でもある。

 試してみたいし折角のダンジョンだし戦闘もやっていきたい。というか、モチベーションがこちらへ流れてきている感じ。


 「よし」


 まずはログアウト、もう寝る時間だ。明日からがんばろう。



 

 ●



 「どうも」


 「お、どうも猫さん。また何か集めてきました?」


 「これなんですけど、売れますかね?」


 「ほいほいっと……」


 今日も今日とてダンジョン攻略ではあるが、その前に装備の更新とか持ち物整理にやってきた。

 相手はフトンさん、ちょうどログインしていたのでメッセージで場所を聞いて足を運んで荷物の買い取りをお願いしたのだ。


 売りたいアイテムを一度に全て渡し、それを一つずつ確認していくフトンさん。その手は止まる事なく流れる様に検品が進んでいく。

 時折手元の少々茶色がかった紙に羽ペンで何かを書き出しながら検品している。


 「全部で15000Gですね、それにしてもこんなに錆びた装備品集められましたねぇ」


 「ちょっとありまして」


 「聞かない事にしますよ」

 

 「ありがとうございます、あと防具とちょっとした武器が欲しいのですが」


 「ほいほい、じゃあこの規約とアンケートに目を通してください」


 そう言って彼女から渡された紙は空中でシステムウィンドウに変わって目の前に表示される、内容は現在の装備とステータスの一部情報の閲覧とか装備によっては別の人紹介するとかそういったものだ。特に不都合がないので最後の欄の『同意する』のボタンをタップする。

 

 次にアンケート、欲しい装備品の部位や新規装備か現在の装備を強化するのかのアンケートだ。自身の職業と装備品の名称とか……これはワンタップでコピペできるみたいなのでそうする。


 要望は全体的な装備の強化と頭防具、素材は持ち込み要相談……武器に小さい手斧っと。


 「できました」


 「ほいほい、じゃあこれがお金です」


 「ありがとうございます」


 入力を終えたウィンドウは紙に変わり、そのまま手で掴む事が出来た。それをフトンさんへ渡すのと入れ替えでお金が渡される。



 「ほーん……確かにこれだとダンジョン進んでいくのは厳しいですね……ってか素手魔術師かぁ、ロマンだなぁ」


 1人でうんうん独り言をつぶやきながら手元でメモを書き進めていくフトンさん、その速度は慣れ過ぎているというレベルで言っていいのか戸惑うほどに早い。

 止まらない呟きと筆に感心していると最後に一枚の紙に纏められ、再びシステムウィンドウとして渡された。

 内容ははそれぞれの強化や作成など必要素材分の費用が書き出されたものだ。


 合計金額は3万G、素材持ち込みで2万G。中々に高いが払えないわけでもないし今後の活動への投資と考えるとかなり安い。もしかして50万ってやべえ大金だったのではと一瞬頭をよぎったが後悔はしない……しないよ。


 内訳は頭装備は見た目も重視しているらしく編み笠っぽい感じに。素材にトレントの樹皮を使うらしく、持ち込み素材として記載されている。


 他は腕装備を新規に、これは中古品らしく安く設定されている。そして胴装備の冒険者の服は強化を数段階進めて渡者の服という装備に派生させるらしい。持ち込み素材に獣の毛皮とBランク以上の魔石。


 脚装備はそのまま、強化に必要な素材が今の段階では手に入らないらしい。ついでに武器の手斧は売れ残り品でサービスされていた。


 「では、素材持ち込みでお願いします」


 「ほいほい、じゃあ今渡せる腕と斧だけ先払いで2500Gですね」


 「わかりました」


 トレードの形で装備とお金を交換し装備してみる。


 ・種火の鉄手斧+4 ランクC- 耐久1200

 鉄製の手斧、扱いやすく威力も申し分ない

 攻撃時、火炎属性ダメージ(極小)


 ・獣革の戦籠手+5 ランクC 耐久6500

 革製の籠手、軽くしなやかで丈夫


 どちらもお値段以上と言ってもいい品だ、手斧のほうは耐久値が低めらしく手斧というリーチの短さも相まってのワゴン品だそうだ。籠手は先述した通りの中古品、されど能力値は今のものより数段上らしい。これは生産スキル持ちでないと分からないらしい、装備を拾ったら相談して欲しいとも言われた。

 装備してみると籠手はそのまま革を重ねたがっちりとしたものに変わり、見るからに丈夫そうなのが中々いい感じだ。手斧は腰のベルトに装着されワンタッチで取り外しもできる。重さもなんとなく想像していた物だし大きさも多分ぴったりだ。



 「トレントとウルフ系は11階あたりから出るんで頑張ってくださいねー」


 「がんばります」


 フトンさんに別れを告げてポータルへと歩き出す、インベントリの回復アイテムにも余裕があるし素材集めを頑張っていこう。

 あ、でもちょっと不安だしポータルのアイテムショップでHPポーションと毒消しポーション、麻痺治しのポーションを数個買い足しておく。この先、対策はあって困る事はないだろう。


 それにしても目標があると身が入る、うん。これからは戦闘に関しては何か小目標というか何か目指すものを探そう。

 今は、装備のため。次は……目標を見つける事を目標に。


 あ、15階。15階層を目標にしてそれまでに次の目標を探そう。

 問題の先延ばしではあるがとりあえず今は戦闘を頑張る、気合を入れていこう。

 

 ポータルまで到達し、11階層を選択する。

 ウルフとトレントの素材目指して……!

 



はんだ


種族:ケットシー 職業:魔術師 Lv.7

 装備-武器:なし 

 頭:なし

 胴:冒険者のローブ+2

 腰:なし

 腕:獣革の戦籠手+5

 足:精霊の輪

 他:快速の腕輪・アイテムポーチ(冷)・種火の鉄手斧+5


スキル

 有効

 <体術 7><釣り 6><魔力操作 on><発見 3><採取+ 3>

 <投擲 4><魔力効率+>

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