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19・イベントの始まり

ストック頑張って作ったと思ったら2話ぶんしかできてない、3マス戻る

マダゴガツマダゴガツ


 ――アップデートを確認、データをダウンロードします

 

 ――ダウンロード完了、アップデートの内容は公式サイト又はメッセージにてご確認ください


 


 「装備の強化ですね。冒険者のローブを2段階ですと2500GとDランク以上の魔石が2つになります」

 「じゃあお願いします」

 「ではでき次第此方の番号でお呼びいたしますので暫くお待ち下さい」


 メニュー欄から装備を外しYシャツの様なラフな格好になる、というか装備外すとこんな格好になるのか。下着姿晒さずに済んだのはありがたい。こんなアバターでも好き好んでそんな格好になる趣味はないのだ。

 受付の女性から番号の書かれた木札を受け取り、完成するまでの時間を建物内で潰すことにする。

 

 そんなここは工房ギルド、プレイヤーでないゲームの住人たちが組織している物づくり専門の集まりである。

 先日の種の話をうけてはじまりの街へやって来た俺は農場にて感謝の言葉とともに15000Gという大金を渡され装備の強化をしに早足でやってきたわけである。

 そろそろ強化しないとね、いつまでも初期装備ではいけない。通用するかではなく個人的な心象で。


 店の内装はシソさんに連れて行ってもらったクランハウスに近くカウンターの向こうには剣から杖、ブーツに鎧と多種多様な装備が並べられている。

 どれもシンプルかつ実用性がありそうなデザインで、武骨だがザ・剣みたいな見た目にはやはり心の中の男の子が騒ぎだしてしまう。


 でもまぁ、魔術師だし使う事はないだろう。今は素手だけど……うん。

 一応買おうと決めていた物がありそうなカウンターへと向かう。マネキンに着せられた鎧やローブ、壁に並んだグローブにブーツ。所謂防具屋さんである。


 「どうぞ見ていってくれよ、ここの装備の品質は良い物ばかりだぜ」

 「えーと……じゃあ、腕につける装備でグローブでないものってありますか?」


 「グローブ以外ってなると手甲だな、この皮の奴なんかは軽くて丈夫だぞ」

 「おいくらで?」


 「1500だな」

 「じゃあそれでお願いします」

 「まいど」


 皮の手甲+1 ランクD 耐久値7500

  防御ボーナス(小) 


 受け取った手甲を早速装備してみると中指と人差し指、親指で手の甲を固定し、そのまま手首からは肘の少し手前までを全体的に……腕の外側といえば良いのか手の甲と同じ面は皮が厚く重ねられている。

 腕の内側は靴紐のように留められている、簡素かつシンプルだけど丁寧に作られているのがわかる。

 そしてなんかかっこいい、現実で身に着けられない物が身に着けられるってのは良い事だ。


 「12番でお待ちのはんだ様、作業が終了いたしましたのでカウンターまでお越しください」


 カウンターから聞こえてきたアナウンス、思ったよりも早く出来上がったようだ。


 「こちらが完成品になります」

 「ありがとうございます」


 冒険者のローブ+2 ランクD+ 耐久10000

 防御ボーナス(小)、魔術ダメージカット(小)


 木札と共に受け取った装備は耐久と魔術ダメージカットの表記が増えていた、どうやら耐久無限は最初だけのようだ。そりゃそうだよね。

 うきうきしながら装備してみると肩から腕にかけてのライン、細かな金具、そして前面の膝辺りの位置に肉球のワンポイント。なぜ肉球、猫だからか。猫だからなのか。

 ……でもまぁ中々いい感じのデザインである。


 一新した装備に足取り軽く、いつもの雑貨屋へと向かう。お金はまだ十分にあるし魔石のストックもある、狙うはあのクーラーボックスだ。買われてない事を祈りつつ……。


 「あのかばんってまだありますか?」

 「ん?久しぶりだな。あのかばん……あーまだあるな、値段が値段だからなぁ……皆普通の容量がでかいやつばっか買っていくな」


 「じゃあ買います、こっちの魔石の買い取りと合わせて」

 「おー、よく貯めてきたな。えーと魔石の分差し引いて……17000Gってところだな」


 アイテムポーチ(冷) ランクC 耐久10000(アイテム収納時1時間毎に-10)

 生鮮アイテムの鮮度消費を1/4にする


 「この耐久ってどうやったら回復するんですか……?」

 「あー、水の魔石を入れるいい。ここらへんだと沿岸から海沿い歩いていけば水の魔石を持つモンスターがいるから討伐してある程度ストックしておくといい」

 「なるほど」


 ちょうど1つ持っている、どれほどの数値を回復するのかはわからないが現在の耐久だけでも十分な時間使えるし海沿いの探索はまだ先でもいいだろう。


 そう、今日からゲーム内イベントが始まっているらしい、確か始まりの街の広場のポータルから会場に行けるらしい。ので今日からしばらくはそっちへ行こうと思っているのだ。


 「じゃあ今日はこれで」

 「ほい、まいどー」


 雑貨屋さんを後に広場へ、お知らせメールの続きを読みながら歩く。どうやらイベントは不思議のダンジョン攻略……らしい。

 1:装備、レベルの制限は無し

 2:スキルの制限有り、入場時に選択できるとのこと

 3:イベント中は専用のポイントが入手可能、ポイントで買い物や装備の強化ができる

 4:回復アイテムの持ち込み制限、入場時に渡される物とイベント中に入手したもののみ使用可能

 5:獲得ポイントの総量でイベント後に報酬がもらえる


 と、こんな感じの概要だ。ランキングもあるらしいがレベル的にも下の方のプレイヤーには無関係なので斜め読みをした次第である。

 イベント内容としては楽しみ、が第一印象。色々な場所に行けるというのと個人的にいい加減レベルを上げて行動範囲を広げたいという欲もあったので戦闘が多そうなダンジョンは魅力的でもあるのだ。

 あとどうせなら楽しまなきゃ損というのもある、お祭りの空気って大事。


 早速街のポータルへやってきた、以前と比べて明らかに人が少なくプレイヤーと思しき人影もない。もう殆どの人はイベント会場へと進んでいるのだろう。


 ――行き先を選択してください

    ・セクオンダル 

    ・ナナシの村 (イベント)


 行き先にイベントの文字、ここが会場のようだ。ナナシの村とはまたなんとも不思議な名前ではある。名無しなのかそうでないのか。


 「んじゃ早速」


 ナナシの村を選択して転移を始める、イベント専用との事なので今回はお金はかからないとの事。

 ゆっくりと景色が白く塗りつぶされ、ぼんやりと足元から景色が広がっていく。


 遠くに見える山、草原、見覚えのある家屋。ここあれだ、チュートリアルの場所じゃないか?

 すでに市場の様に人で賑わっている、小さな祭りの様な賑わいである。


 料理を扱う屋台から装備を強化してくれたり薬品を扱う店、ざっと見ただけでも皆熱気に包まれている。

 

 ――スキルの制限があるエリアです、有効にするスキルを選んでください。


 現れるウィンドウからスキルを選んでいくようだ、選ぶ数は5つ。意外と少ない。

 ならば選ぶのは初期の物でいいだろうが主に戦闘がメインになりそうだし悩む所ではある……。


 とりあえず。体術、魔力操作、釣り、採取+は個人的な好みで外せない、投擲か魔力効率+の2択ではある。発見は……実際効果が実感できていないのである、見つけやすくなる……とは言っても採取する場所はもう手探りだし……。


 「あ、罠か」


 ダンジョンと言えば罠である、矢が飛んでくるのはもちろん食べ物腐ったりモンスター湧いてきたりどっかに飛ばされたり……。

 不思議のダンジョン然りゲームにおいて馬鹿にできないのが罠である、使われるとやっかいなやつである。

 そうとなれば発見にしておこう、きっと役に立つはず。


 ――スキルの選択を確認しました。正面ポータルよりダンジョンへ入る事が出来るようになりました。


 そしてゆっくりと現れるポータル、見た目は街のものと同じである。なんか中央のコアっぽい球体の色が緑っぽい。

 これでダンジョンへと行けるようになるのだろう、洞窟だろうか……それとも屋外っぽいのだろうか。


 ――転送先を決めてください

   ・1階層


 早速1つしかない行先を選び転送を開始する。

 イベントだからしっかり楽しんでいかないとね。


 

はんだ

種族:ケットシー 職業:魔術師 Lv.4

  装備-武器:なし

   頭:なし

   胴:冒険者のローブ+2

   腰:なし

   腕:皮の手甲+1

   足:なし

   他:快速の腕輪・アイテムポーチ (冷)


スキル

 有効

 <体術 5><釣り 6><魔力操作 on><発見 3><採取+ 3>

 無効

 <投擲 4><魔力効率+ on>

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