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17-本当の到着と思わぬ大物

すとっくが尽きた


 情報収集と言ったらまずは街の真ん中、来た道を戻ってもいいが見知らぬ街なのだせっかくなので適当に歩く。

 大きな通りに直ぐに出れたのでプレイヤー向けっぽいというかファンタジーらしい武器・防具屋、ポーションの並べられた薬屋。そして大きな煙突のある建物、看板を見る限り鍛冶とか……だろうかね?


 行き交う人も多く、やはり慣れない目線にむず痒く感じながらも歩いていると見覚えのある物の前に出た。

 それは金属の輪が3重になり回っており中心には緑色の水晶のような石が固定されたように浮いている。


 「ポータル……だっけか」


 チュートリアルの最期、始まりの街へ行くために使った物だ。あの時はファンタジーっぽい見た目に少し興奮したのを覚えている、また出会えるとは……。


 ――ポータルへの到達により、ポータルが解放されました。

   『ディフオルドへの転移』『ポータル倉庫』『セクオンダル周辺地図のアップデート』『リスポーンポイントの変更』が解放されました。


 システムメッセージが流れる、ディフオルドとは。ディフオルドとはなんぞや。

 転移ってくらいだから街……はじまりの街くらいしか行ける場所なんてないし、もしかしなくてもはじまりの街の名前だろう……。

 そして次にポータル倉庫、ヘルプウィンドウが出てきてくれたのでその指示に従う。ポータルの付近で手で空に縦一文字を描くとインベントリに似たウィンドウが出てくる。

 容量はアイテム20枠分、釣り具やら道具類から生鮮食品まで収納できる便利さ。しかし計画的に使っていかないとすぐに満帆になりそうでもある。


 うんうん、色々見ないといけない事あるね。地図のアップデートはそのまま周辺地図だ。

 街の周辺、北へ進めば岩山が東に進めば廃坑、西に進めば海へ出られるようだ。

 川もしっかりあるから釣り場には困らなさそうだ。


 そうとなれば目指すは川だ、釣りだ。



 やってきました川、果樹園と畑へと流れる水路へと水を入れる水門です。

 石垣で作られているがデザインがどことなく近代的なものだ。川幅も広めで何かいそうって感じ、今回はルアーでいってみたいと思う。


 「よいっ」


水門で流れがせき止められて緩やかな深みを狙う、ルアーは池でマスを釣った物と同じやつ。適当に探ってみる。

 

 「っし!」


 深めで早速ヒット、ちょっと大きいかな。引きが強い上に暴れる、あっこれ予想より大きい。ちょっとじゃないぞこれ。


 竿がしなり、リールがカリカリと糸を出していく。巻いて出て行って、巻いて出て行って……少しづつではあるがこちら側へ引き寄せられている。

 なんかこの前のヌシを釣った時と同じくらいの格闘時間だ、しかしこの戦いも終わりが近い。


 近くまでやってきた魚影はやはり大きい、大きいのだがなんだかよく見る魚影と異なる姿をしていた。

 頭が大きく丸い、そして尾にかけて細くなっていく形。なんだこいつは。


 「えーと、これは……」


 アヴェナマズ ランクC 鮮度100(10時間後に0)

  一部地域では地震を起こすとされる魚、白身の身は上級貴族も愛好家がいるほど美味


 ナマズ……ナマズである、図鑑では見たことあるが実際に見るのは初めてである。大きさは60cmほど、ぬたぬたと動く姿はなんだかゲルのようである。

 というか、これ食えるのか。サケやマスは食べた事があるから抵抗はなかったがこの見た目は食えるのか疑問に思ってしまうの。


 「うーん、魚屋さんは知らないし……あ、シソさんいるかな」


 一応捌くだけはしておいて、連絡しようそうしよう。

 フレンドリストの唯一の名前をタップしてメッセージを送る、オンラインな様だしちょっとすれば返信があるだろう。

 

 街も近いし釣りでもしながら待てば直ぐに対応できるだろう。もし調理できるようならついでにお土産も釣っていこう。


 しかしちょっとだけポイント移動、水門の下流の流れが速めの場所へやってきた。あの場所でまたナマズを相手にする可能性はちょっと大変だからね、ポイント変えても釣れないわけではないけどさ。


 テンカラ仕掛けでマスとか狙いたいのである、味もわかるし調理もしやすいだろうしね。

 軽く投げて自然に流れる様に竿で追うように動かす、食いつくのを忍耐強く集中して待つ。


 「ッヒット!」


 バシャッと食いついてから竿を一気に立てて合わせる。ザ・食いつきましたって感じは他にはない楽しみかもしれない。

 

 ニジマス ランクD 鮮度100(10時間後に0)


 手ごろなサイズのニジマス、これなら自分でも調理できるし何匹か釣っていこう。

 今度は岩の後ろの流れが渦を巻く様になっている場所に投げ込む、エサが流れ込みやすい場所っぽい感じがする。


 「あっ」


 食った、その瞬間に合わせられたと思ったが逃げられる。ピーンと振り上げた竿と勢いよくこちらへ飛んでくる毛ばり、変な所に絡まなくて助かったが悔しい。

 同じ場所に投げてみるも反応はなく別のポイントへ移動を余儀なくされるのことになった。悔しい。


 次は適当に流しやすい場所をねらう、今度は逃がさないように気を付けよう。


 「っよし」


 今度は逃がさずにあわせる、こうなればこっちの物だ。


 ニジマス ランクD 鮮度100(10時間後に0)


 ――メッセージを受信しました


 ポーンとメッセージ受信音が鳴る、メッセージとなればきっとシソさんからに違いない。思ったより早かったが。

 せっせと道具をしまいメッセージを確認する、ついでに街へと歩きながら読むことにする。


 「えーと、街の西側でBBQしているので……ってバーベキューか」


 どうやらギルドメンバーと幾人かで集まって新メニューのお披露目とバーべキューをしているらしい、そしてそこにお呼ばれしたわけである。

 まぁナマズはついでにしちゃって美味しい物を食べに行くことにしよう、さっき食べたけど行こう。


 


はんだ

種族:ケットシー 職業:魔術師 Lv.4

装備-武器:なし

   頭:なし

   胴:冒険者のローブ

   腰:なし

   腕:なし

   足:なし

   他:快速の腕輪

スキル

 <体術 5><釣り 6><魔力操作 on><発見 3><採取+ 3><魔力効率+ on>

 <投擲 4>

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