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11・釣りとたき火

短め

 

 火打ち石、使い方はマッチの様に使えばいいらしいのだがそれは後である。火が起こせるのならばたき火ができる、そしてここは安全地帯。


 キャンプができるのだ。


 テントがないのが残念だが夜の暗闇の中でも心を落ち着けて休めるのではないだろうか。

 そしてキャンプと言えばBBQ、ちょうど池と言う事で魚も釣れる事だろう。そうなれば焼いて食べれる、完璧な流れである。


 善は急げ、早速釣り……といきたいがまずは火打ち石を試しに使ってみないといけないな。

 ヘルプを参照しつつ用意をする、まずは点火のための燃えやすい物。これは細い枝や枯草が該当するらしい。次にその火が燃え移るための薪である、そこらへんの枝でいい様だ。


 「じゃあまずは柴刈りとなるわけだな……」


 と言っても枝なんてそう簡単に見つかる物なのか、ヘルプにもそこまで丁寧には書いてなかったので自力で探さないといけないだろう。

 とりあえず地面を探す、安全地帯の範囲がわからないので周囲に気を配りながらも歩き回る。


 結果から言えば、集まった。街の周りには無かった枯れ枝が落ちていたのだ、ちょっと太めの物から小枝までインベントリに詰まっている。

 更に使えるかもしれないと落ち葉も探してみたがそこはないようだった。


 一応、たき火が起こせるであろう量の枝を泉へ持ち帰りセッティングを始める。

 適当ではあるがまず池の浜……というか石が流されて溜まっている岸辺から掌より大き目の石を拾って円を描くように並べる、そこに小枝、太い枝と乗せていき火をつける。

 とは言ってもこの火をつける作業が中々難しい、まず火花が思ったより出ない。そして目標の位置へ火花が飛ばない。

 やけになっても良い事はないと一旦深呼吸で気分を整えながら根気よくカチカチと火花を飛ばし続ける。


 そして10回を超えたあたりで小枝に火が付いた、煙が上がり赤い火が大きくなっていく。

 暫く眺めていると太めの枝にも燃え移ってくれた様でパチパチと燃え続けている。


 ちょっとした感動を覚えつつもインベントリの焚き木を出して近くに積んでおく、積み上げてみると意外と量がある。

 これなら暫くは燃せるだろう。


 火は用意できた、次にするのはもちろん釣りである。ぜひとも釣り上げた魚を焼いて食べてみたいのである、一種の憧れとも言う。 

 シソさんから塩を少し分けてもらっていたしもうこれは釣れるまで帰らない、絶対に帰らない。



 今回はミノーで攻めてみる事にする、適当に投げては探っていく。

 一回、二回と投げていくが食いつく様子も無い。


 なんとなくだがある一定ポイント以外では食いついてはくれないようである、今度は池の水が流れ込んでいる場所を狙って投げ込んでみる。


 次は深い場所の底をゆっくりと、浅い場所を早くと考えながら探ってみるが全く釣れない。

 もしや魚がいないのでは、なんて考えは横に置いてルアーを変更する。小さ目の金属片……っぽいやつ、買ったはいいが使ったことの無いものだったりする。


 一旦は深場を這わせるように投げてみる、止めて引いて竿を動かして誘う。


 「よしっ!」


 早速かかるのは最近のお約束、仕掛けとポイントがやはり重要なようである。

 引きの強さ自体はそこまで強くはない、が暴れているというのがわかり過ぎるほど竿が震える。

 釣り上げるまでの時間自体はさほどかからなかっただろうが初めての淡水の釣りと言う事で心の少年テンションはかなり高い。


 ニシキマス ランクD+ 鮮度100(24時間後に0)

 鮮やかな体色が特徴の魚、綺麗な湖などに生息する。

 山岳に住む人々はこの魚を祝い事の際に食すらしい。


 見た目はそのまま錦鯉の鱒版、白地に朱が綺麗な魚である。こんな見た目では自然界では生き残れないだろうとも思うがファンタジー生物だと納得しておこう、あのエビ然り。

 一匹目に喜んではいるものの、二匹くらいは確保したい。


 手早くマスを捌いて竿を振る、今度も同じ場所を探ってみる。


 「次は……」


 入れ食いなんて事にはならなかったので今度は浅瀬を早めに引いてみる、更に今度はゆっくりと引いてみる。


 「っし!」


 以外と早めに食いついたのは先ほどよりも少し大きいくらいのマス、二回目となるとあの竿から伝わる暴れが楽しく感じるようになってきた。大物以外にも楽しい釣りを感じられて今後の釣りが余計に楽しみになってしまう。


 街へ帰ったら新しい竿……なるべく新しい釣りができるやつが欲しいな。


 しかし、今は釣りよりも食欲。たき火の火も落ち着いて(オキ)になっている、少し焚き木を足しておく。

 今度は採取用に使っているナイフで手ごろな枝を削って武骨な串を作る、串と言っても先端を尖らせて皮を剥いた程度の物ではある。

 アウトドアで魚といったら串焼きしかないよね。


 良くテレビなどで見るように魚を串にさしていく、こうグネっと曲がってるやつ。

 本当はヒレにたっぷりと塩を付けないといけなかった気がするが手持ちの塩が少ないので軽くふりかける程度にしておく。


 下準備ができた串は石で固定して焼いていく、焼き上がりが楽しみである。

 

はんだ

種族:ケットシー 職業:魔術師 Lv.3

装備-武器:なし

   頭:なし

   胴:冒険者のローブ

   腰:なし

   腕:なし

   足:なし

   他:快速の腕輪

スキル

 <体術 4><釣り 4><魔力操作 on><発見 2><採取+ 2>

 <投擲 2>

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