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プロローグ

【~本来の道筋~】


 数ある大陸の国のひとつであるセインティア王国にあるサマエル学院では、ある乙女の入学によって1つの変革を迎えようとしていた。


 彼女の名前はリア・オーストン男爵令嬢。


 元々は平民であったにもかかわらず、美しい母と奴隷に落ちるところをオーストン男爵に救われ、そのまま養女として迎えられた娘だ。

 本来は初年度から入学するところであったが貴族としての礼節を学ぶ必要があり、2年の特待生として編入してきたのだ。

 元平民であることは途中入学ということも手伝ってすぐに広まることとなる。


 当然のことながら貴族とは誇り高きものである。


 いかなるときにも紳士淑女としての対応が当然とされる。だが同時にその血筋には並々ならぬ思いがある。

 平民で庶子でもないものがこの誇り高き貴族の楽園に入るなど許せない。


 リア・オーストンは格好のいじめの標的になった。


 だが、彼女がそのような扱いを受けたのはそれだけが理由ではない。

 彼女を気にかける者たちが男爵令嬢と釣り合っているものであればきっとこんなことにはならなかっただろう。よりにもよって高位貴族であるものたちが彼女を擁護したのだ。

 それは第二王子であったり、騎士団長の息子だったり、宮廷魔法使いの弟子であったり、聖職者といった有力貴族などだったからだ。

 しかも婚約者がいる身の上で取り巻きのごとく彼女を守っている。当然、婚約者たちからは嫉妬されることとなり、いじめはさらにエスカレートしていった。


 そして決定的な事件が起きてしまう。


 学院のパーティーで彼らは婚約者たちを糾弾し、断罪した。突然のことに学院も国も大混乱に陥った。

 そんな状況を利用するものが現れる。魔族だ。魔族の暗躍によって王国は更なる混乱に陥ることになった。

 この事によって魔族の侵攻が決定的なものとなり、そしてリアと仲間たちによってセインディア王国で暗躍していた魔族、魔王は討伐される。

 後に聖なる乙女と呼ばれるリアは無事に世界を救うことができ、その後は愛するものと幸せに暮らしましたというのが本来の筋書き。


 しかし、この世界に異なる世界からの魂が混入したことによって物語は大きく変化することになる。

 複数の異世界の魂が各々の想いで物語を紡ぎ、ゲームとしての道筋を外れていく。


 この物語は崩壊した物語である。



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