2×××年1月6日(木):花の街スリースとサンダーコリス
2016.08.02 ステータス等修正。
2016.09.19 スキルにルビを振りました。
1回目のログイン。
昨日、可愛い服を貰った訳だけど、似合わなくても良いからこれを着て鎧着けよう。
何でそう思ったかと言うと、着ないでおくと持っている事を忘れるかもしれないからだ。現実に、買っておいて一度も着ないで箪笥の肥やしになった事が何度かあるのだ。
そんな訳で、布の服をチャームお勧めセットに変更。
赤いリボンタイ付きの白いブラウスに、チェック柄のミニスカート。ワインレッドのニーハイソックスに、黒いショートブーツ。茶色いモッズキャップ。
皮のブーツと皮の兜は外さなければいけないので悩んだが、まあ、まだ『死亡』しないだろうし、大丈夫だろう。
スリースの街へ出発ー!
アズキと一緒だと馬車で行く事になるんだけど、居ないので歩いて行く。
森を抜けて平原を歩くと、前方に街が見えて来た。
あ、そう言えば、ツース村を囲む森では、聖獣サンダーコリスを仲間に出来るんだった。でも、あれ、多分アズキと一緒じゃないと発生しないだろうな。アズキに懐いていたし。
サンダーコリスは人語を話せるんだけど、奴等曰く、アズキは優しいらしい。
でも、【聖女伝説4】でアズキが優しかったシーンなど、全く記憶に残っていないんだけど。
数多くの言動が悪かったシーンの記憶に埋もれているんだろうか?
スリースの街で起きるストーリーイベントは、2つだった。
アズキの仲間であり上司である『神子』との出会い。そして、その翌日の襲撃。
襲撃してくるのは勿論、アズキが追っている男の一味。
このイベントのアズキへの一番の突っ込み所は、神子を護ると言っておきながら護らず攫われる所だろう。
『必ず御守りします』
神子に力強い言葉をかけるアズキ。
『ありがとう、アズキ。頼りにしていますよ』
アズキは聖歌を歌い、敵にもスリースの街の住人にも分け隔てなく攻撃する。
突然、プレイヤーと神子を置いて駆け出すアズキ。
向かった先には、敵の一味によって檻に入れられ運ばれているサンダーコリス達。
アズキは無事にサンダーコリス達を助け出す事が出来たが、戻ってみると、プレイヤーがドジを踏んで神子を攫われてしまっていたのだ。
……なるほど! サンダーコリスには優しい!
因みに、サンダーコリスはスリースの街中にも棲んでいるので、奴等を実験台として使用している敵が襲撃のついでに捕まえた事が、後に判明する。
街に入る前に、戦闘がある可能性を考えて【魔弓術】をLv3にする。
<スキル【癒魔弓】を覚えられます>
癒魔弓:3AP。回復魔法の矢を射る。
今回は覚えずに、ライトボールとダークボールをLv3に、リバイバルをLv2にする。
<リバイバルをLv2にします。一度の蘇生人数を増やしますか? 蘇生時の回復量を上げますか?>
悩んだが、後者を選択した。
スリースの街に足を踏み入れると一瞬画面が白くなり、彼方此方に人が倒れていた。
街中に戦闘の痕があり、街を飾る花々も無残に焼け焦げている。
アズキ達が去った後も、まだ襲撃は終わっていなかったのだ。やっぱり。
「ライトボール!」
此方に向かって来た敵にライトボールで目くらましをすると、眩しさに目を閉じて足を止めたそいつにライトボールが命中した。
敵を倒したり、怪我人を回復したり、死者を蘇生したりしながら街中を駆け回る。
亡くなっているのは殆どがこの街を護る兵士と一般市民で、敵の死体は多くなかった。
「リバイバル!」
「お、俺は……? そうだ! 歌が聞こえて……」
今蘇生した兵士は、アズキの聖歌によって気絶した所を敵に刺されて殺されたようだった。
そして、それは彼だけではなかった。
アズキが聖歌を使わなかったら、彼等は死なずに済んだかもしれない。
大半の弓使いプレイヤーのストーリーでは、彼等は死んだままだ。弓使い以外のプレイヤーのストーリーでも、目にも耳にも入る事は無いとは言え死んでいる事には違いないし、蘇生魔法を覚えているプレイヤーがいてもストーリー上使えないのだからどうしようもない。
そうこうしていると、敵の一味は引き揚げたらしい。
<討伐報酬:自動連射弓を受け取った>
自動連射弓:3連射。物攻+7。
<蘇生報酬:最上質レジストリングを受け取った>
最上質レジストリング:状態異常耐性50%。
<治療報酬:MPポーション(柚味)×5を受け取った>
画面が一瞬白くなると、街が普段通りに戻り、他のプレイヤーの姿も現れた。
「わ。可愛い! その服どうしたんですか?」
戦士の女性プレイヤーが声を掛けて来た。
「サブクエストで貰いました」
「えー! 良いなあ! 何処で発生しました?」
「ツース村ですが、条件は判りませんよ」
「んー。でも、行ってみます! ありがとうございました!」
元気良く駆けて行く彼女は独りだった。
あれ? アズキとダイズは?
不思議に思ったので、掲示板で確認した。
【外伝】では、宿にチェックインすると、一定時間自由行動が出来るようになったらしい。パーティーを組む事も、勿論可能だそうだ。
自動連射弓を手に入れた訳だけど、どうせ、当たらないんでしょう? 後で確認してみよう。
最上質レジストリングを装備欄に入れると、右手首に装着された。
さて、宿へ行こうかな?
「いらっしゃいませ。お泊りですか?」
「はい」
「一泊300モネです」
モネを払い、さて部屋に行こうかと歩き始めた時、恐らく客であるNPCが声を掛けて来た。
「あら? 貴女、【料理】のスキルを持っているのね」
「あ、はい」
「良かったら、『たこ焼きパン』のレシピを貰ってくれないかしら?」
たこ焼きが入ったパンだよね?
「はい。頂きたいです」
取り敢えず貰っておく。
「ありがとう。私、パン屋なんだけど、どうしてか『たこ焼きパン』は売れないのよね」
パン屋さんは溜息を吐いた。
「不思議ですね」
「そうよねえ」
この世界の人々は、たこ焼きが嫌いなんだろうか? それとも、タコが嫌いなんだろうか? もしかして、パンとたこ焼きは別々に食べたいと言う人が多いのかもしれない。
2回目のログイン。
先程の戦闘で2レベルアップしたので、SPとAPを振っておく。【癒魔弓】も覚えた。
【闇属性】のレベルを上げたら【バリアー】を覚えられるようになったけど、APが足りないのでまた今度。
次は、武器・防具屋へ行く。
「いらっしゃい」
やっぱり、弓は売っていなかった。討伐報酬で貰ったから良いけどさ。
鉄の胸当と皮のマントを購入して、店を出た。
ストーリーイベントで壊れた箇所も駄目になった花も何事も無かったかのように、元通りになっている。
サンダーコリスが棲んでいる大木を見上げていると、声を掛けられた。
「サンダーコリスに興味があるのかい?」
「いいえ」
「そうは言っても、実際の所興味あるんだろう?」
ループかな?
「無いです」
「またまた~。本当は興味あるんだろう?」
「いいえ。まったく」
「サンダーコリスを仲間にしたくないのかい?」
「はい」
「正直者のあんたには、サンダーコリスを上げよう」
<サンダーコリスが仲間になりました>
拒否権ー!
「よろちくでしゅ」
円らな瞳で見上げて来るサンダーコリス。
「無理してついて来なくて良いんだよ」
「ぼく、ごちゅじんたま気に入りまちた」
止めて!
サンダーコリス大好きアズキちゃんが寄って来たらどうするの!?
<名前を付けてください>
えー。じゃあ、雷リスで。
<既に使用されています>
マジで?!
じゃあ、ライリス。
<未使用です>
「お前は今からライリスよ」
「覚えまちた。ぼく、ライリスでしゅ」
サンダーコリスの満腹度は、宿やテントじゃ回復しないんだよね。
私は、ライリスの餌にする為に草を毟る事にした。
自分で生えているのを食べろと言いたいが、システム上無理なのだ。プレイヤーが餌を与えなければならない。
<スキル【採取】を覚えられます>
AP余って無いから、後で。
ライリスに餌をやって、宿でログアウトした。
【装備】
【頭】モッズキャップ(茶)
【右手】皮のゆがけ:物防+2
最上質レジストリング:状態異常耐性50%
【左手】自動連射弓:物攻+7
最上質マジカルリング:MP消費量半減
【胴体】皮の胸当:物防+4
リボンタイ付きブラウス(白)
チェック柄ミニスカート(赤)
【足】スピードリング:敏捷+10
ショートブーツ(黒)
ニーハイソックス(ワインレッド)
【その他】マント:物防+2
【ステータス】
物攻:38(31) 魔攻:31 器用:31
物防:39(31) 魔防:31 敏捷:41(31)
SP:4
職業:【弓使い】Lv17→19
アビリティ:【鉄壁の守り】 【解析】 【記録】
【光属性】Lv20 【闇属性】Lv4→10
スキル:【蹴り技】Lv2 【料理】Lv1
弓使いスキル
【弓殴技】Lv2→3 【魔弓術】Lv2→3
魔弓術スキル
【炎魔弓】Lv1 【風魔弓】Lv1 【雷魔弓】Lv1 【光魔弓】Lv2
【水魔弓】Lv1 【土魔弓】Lv1 【氷魔弓】Lv1 【闇魔弓】Lv2
【癒魔弓】Lv1 new
光属性スキル
HP回復:【トリート】Lv1 【ヒール】Lv1
状態異常回復:【リカバー】Lv1
蘇生:【リバイバル】Lv1→2
ボール系:【ファイヤー】Lv1 【ウインド】Lv1
【サンダー】Lv1 【ライト】Lv2→3 max
闇属性スキル
ボール系:【ウォーター】Lv1 【ソイル】Lv1
【アイス】Lv1 【ダーク】Lv2→3 max
AP:0
称号
【聖女アズキに嫌われし者】
【ツース村の恩人】:ツース村での買い物が半額。
【スリースの街の恩人】:スリースの街での買い物が半額。