2×××年1月3日(月):ツース村
2016.08.01 ステータス等修正。
昨日と同じ時間にログイン。
今日は、ツース村に行く事にした。
ツース村は、逃がした敵を捜してアズキ達が最初に訪れる村である。
出発前に、カブやネズミのモンスターを倒してモネを稼ぐ。
買わなければならないアイテムがあるのだ。
必要な額のモネを手に入れて向かったのは、道具屋。
「テントをください」
「はい。1000モネです」
テントは1回しか使えない簡易版もあるけど、そうじゃ無い方を購入した。
これで、宿に泊らなくても同じ効果を得る事が出来るのだ。ログアウトも出来る。
テントには、モンスターもNPCも他のプレイヤーも手出し出来ないので、安全だ。
因みに、簡易版の方は、ログアウトは出来るけど回復は出来ない。
後は、回復アイテムを買い足して、出発!
カブとネズミとスズメを倒して森へ入る。
ハチとイノシシとキノコを倒して森を抜けると、ツース村である。
このゲームはライトユーザー向けなので、序盤に厄介なモンスターは居ない。なので、余程、下手な戦いをしない限り死ぬ事は無い。
「いらっしゃいませ」
最初に宿屋にチェックインした。
テントがあるから宿屋を利用する必要は無いのだが、気分の問題である。
「一泊100モネですが、お泊りになりますか?」
「はい」
部屋に入ってログアウトした。
朝食を終えて、再びログイン。
アズキとダイズと共にいるプレイヤーが複数いる所為でシュールな光景だが、NPCには、アズキもダイズも複数いる様には見えないらしい。あるプレイヤーと初めて会うなら、アズキやダイズとも初対面という事になる。勿論、以前アズキやダイズに会った事がある設定ならば、その限りではないが。
この村で起きるストーリーイベントは、森でサンダータイガーの群れを発見し、討伐するというものである。
『どうして、サンダータイガーの群れが此処に?!』
1頭のサンダータイガーを遠目に見付けたアズキが、驚愕の声を上げる。
サンダータイガーについて尋ねるプレイヤー。
『はぁ……。そんな事も知らないの?』
呆れて溜息を吐き、見下した目でプレイヤーを見るアズキ。
『8頭ぐらいの群れで行動するモンスターよ。その名の通り雷属性で、強い個体は放電攻撃をして来るわ。常識よ。それぐらい知っておきなさい』
サンダータイガーを見付け、5頭倒すとボス戦になる。
ボスは強い個体なので放電攻撃をして来る。初心者が最初に死ぬのは、この戦闘である事が多い。
『これで終わりね。さあ、行きましょう』
ボスを倒すと、アズキが群れの討伐完了を宣言して、このイベントは終了し先に進めるようになる。
当時も不思議だったが、アズキは何を根拠に群れを6頭と判断したのだろうか?
そう考えた時、画面が一瞬白くなり、他のプレイヤー達の姿が消えていた。
カンカンカンカン!
『警鐘だ!』
NPCが声を上げる。
『この慣らし方は……。モンスターだ! モンスターが村に来たぞ!』
逃げ惑うNPC達。
低い唸り声を上げて、4頭のサンダータイガーが姿を露わした。
えー! ちょっと! 何やってんですか、アズキさん?! アンチの予想と一緒じゃない!
アンチの間では、サンダータイガーがまだ残っていて、ストーリー外で犠牲者が出ているんじゃないかと言われていた。
う~ん。私1人で犠牲者が出ないよう4頭倒せるとは思えないんだけど。
ステータスとスキルレベル上げておけば良かった! アズキと一緒じゃないから何も起きないと思い込んでいたミスだ!
兎に角、やるしかない!
先ずは解析を使って弱点が無いか見る。
<弱点:土・闇>
ついでに撮影しておく。
「ダークボール!」
一頭にダークボールで攻撃し、それを追うように走って近付く。
ダークボールを飛び越えたそいつを、弓殴技で殴る。
当然力負けするが、耐久値が設定されていない弓は壊れる事は無い。
地面に倒れた私の首を噛もうとした奴を、蹴る。
「ダークボール!」
ボスとは違うので、それで粒子となって消える。
三回の攻撃で倒せるなんて、王都でレベルを上げてから来て良かった。
「ダークボール!」
村人を襲っていた一頭に攻撃すると、攻撃に気付かなかったのか背中に当たった。
怒りの咆哮を上げ此方に向かって来るそいつに、闇魔弓で攻撃する。
「ヒール!」
蹴って粒子に変えると、襲われていた村人に回復魔法を使った。
幸い、殺されていなかったので傷が回復する。
その時、背後から三頭目が襲って来たのに気付いたが、避けきれずに地面を転がった。
因みに、痛みはリアルに再現されていないので、痛みで動けなくなるなんて事は無い。
「ヒール!」
自分を回復して、噛み付こうとしたそいつを弓で殴る。
勿論、それで怯む相手では無いので噛まれ、HPゲージが半分減った。クリティカルのようだ。回復して良かった。
二回蹴ると、粒子になって消えた。
「ヒール」
立ち上がり、四頭目を捜す。
四頭目も村人を襲っていた。
闇魔弓で攻撃すると、気付いて此方に向かって来た。勿論、闇魔弓は外れた。
「ダークボール!」
飛びかかって来たので魔法で攻撃すると、避けられずに当たってくれた。
闇魔弓で攻撃し、噛み付かれながら蹴って粒子に変えた。
『おお! モンスターを倒してくださったのですか! ありがとうございます!』
<討伐報酬:スピードリングを受け取った>
スピードリング:敏捷+10。足首に着ける。
<治療報酬:MPポーション(柚味)×5を受け取った>
四頭目に襲われた村人達は死んでいた。
一縷の望みを掛けてAPを光属性に振っていく。
<スキル【リバイバル】を覚えられます>
リバイバル:5AP。蘇生魔法。
リバイバルを使うと、幸いにも村人達は全員生き返った。
「ありがとうございます! ありがとうございます!」
本人達にもその家族にも感謝される。
「いえ。助けられて良かったです」
<蘇生報酬:最上質マジカルリングを受け取った>
最上質マジカルリング:MP消費量が半減する。
序盤で手に入る性能だろうか? 良いのかな?
画面が一瞬白くなって、他のプレイヤー達の姿が戻った。
スピードリングを装備欄に入れると、両足首にブーツの上から装着された。
マジカルリングを装備欄に入れると、左手首に装着された。
APが丁度残っているので、【リバイバル】より先に覚えられるようになった【リカバー】を覚えた。
リカバー:3AP。状態異常を回復する。
疲れたからログアウトしようかな? いや、その前に装備を買おう。
「いらっしゃい」
武器・防具屋に行くと、他の武器は売っているのに、弓は売っていなかった。
「皮の兜とマントをください」
「はいよ。300モネだよ」
安いね。
道具屋にも行ってアイテムを買い足して、宿屋でログアウトした。
「そう言えば、七星は、今レベル幾つ?」
寝る前にテレビを見ている七星に尋ねた。
「7」
「へー。7かー。7?! 何でそんな低いの?!」
「んー。余計な戦闘しなかったからかな? それに、朱音が寝てる間、VRじゃない奴やってたし」
「そうなんだ。私は、Lv13だよ」
「ふーん」
【装備】
【頭】皮の兜:物防+4
【右手】皮のゆがけ:物防+2
【左手】木の弓:物攻+2
最上質マジカルリング:MP消費量半減
【胴体】皮の胸当:物防+4
布の服
【足】皮のブーツ:物防+2
スピードリング:敏捷+10
【その他】マント:物防+2
【ステータス】
物攻:29(27) 魔攻:27 器用:27
物防:41(27) 魔防:27 敏捷:37(27)
SP:3
職業:【弓使い】Lv9→14
アビリティ:【鉄壁の守り】 【解析】 【記録】
【光属性】Lv1→20 【闇属性】Lv1
スキル:【蹴り技】Lv1
弓使いスキル
【弓殴技】Lv1 【魔弓術】Lv1
魔弓術スキル
【炎魔弓】Lv1 【風魔弓】Lv1 【雷魔弓】Lv1 【光魔弓】Lv1
【水魔弓】Lv1 【土魔弓】Lv1 【氷魔弓】Lv1 【闇魔弓】Lv1
光属性スキル
HP回復:【トリート】Lv1 【ヒール】Lv1
状態異常回復:【リカバー】Lv1 new
蘇生:【リバイバル】Lv1 new
ボール系:【ファイヤー】Lv1 【ウインド】Lv1
【サンダー】Lv1 【ライト】Lv1
闇属性スキル
ボール系:【ウォーター】Lv1 【ソイル】Lv1
【アイス】Lv1 【ダーク】Lv1
AP:0
称号
【聖女アズキに嫌われし者】
【ツース村の恩人】:ツース村での買い物が半額。