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2×××年1月10日(月):港町フォース

2016.08.02 ステータス等修正。

 ログイン1回目。

 スリースの街を出発。

 港街フォースに向かう道中では、レベルが1上がった。

 さて、フォースでのストーリーイベントは何かと言えば、またもや敵の一味による襲撃である。

 今回は、アズキの教育を行った先輩神官『アン』が、敵に与していると判明するのだ。

 それはそうと、街に入る前に、テントでログアウトして朝食だ!



 ログイン2回目。

 街に足を踏み入れると、一瞬画面が白くなった。

 今度も襲撃最中で、港の方から火の手が上がっていた。

「リバイバル!」

 事切れている兵士や一般人に蘇生魔法を掛け、交戦している兵士達に加勢し、怪我人に回復魔法を掛けて港へ向かう。

 すると、【聖女伝説4】で見たイベント通り、其処にはアズキ達と例の敵の一味がいた。

『先輩?!』

 敬愛するアンが敵に与している事を知り、アズキは呆然と佇んでいる。

 その隙を突かれ、ダイズや神子が敵の兵士に囲まれた。

 私の身体は自由に動かない。

 そこへ、アズキ達の味方が現れた。

 1人は、船から飛び降りて来てアンの眼前に着地し、斬り付ける。

 突然の攻撃を、しかし、易々と避けたアン。

 ダイズ達を囲む兵士共は、突然現れた男とアンの攻防に気を取られ、背後から現れた別の男に斬り伏せられた。

『退きなさい』

 後から現れた方の男が、敵の一味にそう命じる。

 彼は、この国の将軍の一人『トーフ』。アンチからは売国奴と誹られている男だ。国防よりアズキを優先するキャラである。

 美男子で美声なので女性人気は高いが、彼女達の中にはアンチを兼ねている人もいる。それはそれ、これはこれと切り変えているらしい。

『此方には人質が居る』

 何時の間にか、船の甲板に縄で縛られた男が引っ立てられていた。トーフの部下である。

『生きて返して欲しくば、神子とダイズをファイブスの街へ連れて来い』

 そう言うと、彼女達はその船を奪って沖へと去って行った。

 因みに、他の船は全て破壊されて航行不可能である。

『無事だったか、ダイズ』

 アズキの先輩に斬りかかった男が、ダイズに声を掛ける。此方は新キャラだ。

『ああ』

『知り合いですか?』

 神子が尋ねる。

『俺の友達だよ』

『オカラだ。宜しく頼むよ、ササゲ。トーフ将軍』

 ササゲは、神子の名前である。オカラは、服装で神子ササゲである事が判ったのだろう。

『宜しくお願いします』

 3人が握手するのを見ていると、ライリスが声を上げた。

『ごちゅじんたま! あの人、キレイな人でちゅね!』

 馬鹿! 声が大きい!

 ライリスの所為で此方を振り向いたアズキが、ライリスを目にして頬を紅潮させた。

『可愛い』

 語尾にハートマークが付いていそうな声音で呟く。

 が、次の瞬間私に気付いたらしく、顔を歪めた。

『何故、貴女が此処に居るの。貴女なんかの協力なんて要らないわ。去りなさい!』

「『何故、弓使いと言うだけで嫌われなければならないのですか?』」

 読み上げるよう表示された台詞を口にする。

『何だって良いじゃない! そうだわ! そのサンダーコリスは置いて行きなさい。どうせ、無理矢理連れて来たんでしょう?』

『いやでちゅ』

 意外にもライリスは断った。

『どうして? 私の方が可愛がって上げるわよ?』

『ごちゅじんたまよりキレイでも・やさちくても、ぼくは、ごちゅじんたまの方が良いんでちゅ!』

 アズキより美人にキャラメイクしても、此処の台詞は変わらないんだろうな。

『……そう。貴方は優しい……いいえ。お人好しなのね。虐められたら、何時でも私の所へ来なさい』

 アズキはライリスにそう言うと、私を睨んだ。

『その子を虐めたら、タダじゃおかないわよ』

 台詞が表示されなかったので、私は何も答えなかった。

『返事をしなさい! 何て失礼な人なの! これだから、弓使いは!』

 憤慨するアズキに、トーフが声を掛けた。

『聖女様。その女に、貴女が叱って差し上げる価値等ありませんよ』

『……そうね』

 アズキはトーフに向き直る。

『私の事はアズキと呼んで。敬語も要らないわ』

『では、お言葉に甘えて。ところで、先程の女の要求ですが、どうされますか、ササゲ様?』

『行きましょう。アンが私に来るよう言っていましたから』

『賛成です、ササゲ様。アン先輩の言葉を無視する訳にはいきません』

 【聖女伝説4】をやった時も思ったけど、テロリストの所へ組織のトップを連れて行って何かあったらどうするんだろう? まるで、神子が無事で済む事を分かっているような……メタ視点で先の展開を見たかのような選択だよね。或いは、神子に何かあって欲しいかのような……。

『俺も行くぜ。ファイブスの街に用もあるしな』

 オカラも行く事を告げる。

「『ダイズさん。親御さんも心配しているでしょうし、私と一緒に王都に帰りませんか?』」

 私は自動でダイズに近付いて、表示された台詞を読んだ。

『あの時の……。そうだな。頼むよ』

『ダイズ!』

 アズキが叱るように名を呼ぶ。

『アンは、貴方にも来るように言っていたでしょう? 人質を見殺しにする気ですか!?』

 ササゲもそう言って責める。

『済まないな。ダイズは甘やかされてるんだ』

 オカラが、ササゲとアズキに謝る。

『オカラが謝る事ではありませんよ』

『この旅で嫌と言うほど思い知ったわ』

『……分かったよ。行けば良いんだろう!』

 画面が一瞬白くなり、彼等の姿はこの場から消えた。


<治療報酬:MPポーション(柚味)×5を受け取った>


<蘇生報酬:水護石の指輪を受け取った>


 水護石の指輪:水属性ダメージ30%減。



 未だに燃え続けている船。

 消火活動をする兵士達。

「トーフ将軍は居たか?!」

 そう怒鳴ったのは、『アサギ』将軍だ。

「見当たりません!」

「此方にも居りませんでした!」

 部下の返答を聞いてトーフへの怒りを増したアサギさんは、ふと私に気付いて近付いて来た。

「済まない。黄褐色の髪をした美形の男を見なかったか?」

「見ましたよ。聖女と神子と一緒にファイブスの街へ向かいました」

「ファイブスの街へ? 勝手な事を……! 情報提供に感謝する」


<情報提供報酬:800モネを受け取った>


 ダイズの時の方が金額が高いのは、ダイズの方が重要度が高いとかだろうか?

「あの、消火手伝いましょうか?」

「危ないから下がっていなさい」

「あの、私、水魔法が使えるんですけど」

「……それなら、頼む。延焼を防ぐ方が重要だ」

 アサギさんは、少し考えてそう判断した。


 数は5・威力は0・大きさは20m。

「ウォーターボール!」

 燃え盛っていた建物は、ウォーターボールの直撃を受けて沈下した。

「す、凄い……。極めた者など初めて見た」

 アサギさんの言葉に簡単だろうと不思議に思ったけど、プレイヤーとは強くなり方が違うのかもしれない。


<消火報酬:海の幸詰め合わせを受け取った>


 海の幸詰め合わせ:開けると、ランダムで10種10個ずつの魚介類が手に入る。



 武器・防具屋へ。

 当然のように弓は無い。

 防具も今装備しているのと同じ物しかなかったので、何も買わずに宿へ。

 でも、ログアウトにはまだ早いんだよね……。

「済みません。お勧めの観光スポットとか有りますか?」

 私は、受付の女性に聞いてみた。

 因みに、此処の宿泊料は100モネだ。

「そうですね。釣り堀がありますけど、如何ですか?」

「釣りですか……」

 リアルでやった事あるけど、釣れなかったんだよね。

 あ、でも、このゲームなら簡単に釣れるかも。

「行ってみます。ありがとうございました」



 釣り堀へ行き、釣竿をレンタルして釣り糸を垂らす。

 直ぐに魚影が寄って来て、餌に食い付いた。

 ゲージが表示されたので、グリーンの部分からはみ出ないよう竿を動かす。あ、これリール付いて無い竿ね。

 あ、はみ出ちゃった……。


 その後何度か挑戦して、漸くはみ出さずに釣り上げられた。

 狭いんだよね。緑色の部分。


<スキル【釣り】を覚えられます>


 釣りかー。どうしようかな? 釣り易くして今沢山釣っておけば、後で料理する時に材料費が浮くけど。

 悩んだけど、釣り堀の利用時間がまだあるし・覚えずに釣れないのも嫌なので、覚えた。


 釣り:1AP。簡単に釣れるようになる。


 その後釣ってみると、ゲージの緑の部分が3倍以上になっており、楽に釣れるようになった。

 それでも釣れない場合もあった。

 竿を変えれば良いのか・餌を変えれば良いのか? 或いは、レベルを上げれば良いのか?

 APが残っているのでLv3にして釣ってみたら、ゲージが無くなって数秒の時間経過で釣れるようになった。私は楽だから良いけど、釣りが好きな人には不評かもしれない。



 その後、時間を過ぎたので宿に戻ってログアウトした。

【装備】

 【頭】モッズキャップ(茶)

 【右手】皮のゆがけ:物防+2

     最上質レジストリング:状態異常耐性50%

 【左手】自動連射弓:物攻+7

     最上質マジカルリング:MP消費量半減

     【人差し指】水護石の指輪:水属性ダメージ30%減

 【胴体】皮の胸当:物防+4

     リボンタイ付きブラウス(白)

     チェック柄ミニスカート(赤)

 【足】スピードリング:敏捷+10

    ショートブーツ(黒)

    ニーハイソックス(ワインレッド)

 【その他】マント:物防+2


【ステータス】

  物攻:44(37)  魔攻:37  器用:37

  物防:45(37)  魔防:37  敏捷:47(37)


SP:3


職業:【弓使い】Lv25→26

アビリティ:【鉄壁の守り】 【解析】 【記録】

      【光属性】Lv20 【闇属性】Lv10

スキル(Lv3 max):【料理】・【採取】

スキル:【花屋】

    【蹴り技】Lv2 【栽培】Lv1 【釣り】Lv1→3 max new


弓使いスキル

 【弓殴技】Lv3 【魔弓術】Lv3

魔弓術スキル

 【炎魔弓】Lv2 【風魔弓】Lv2 【雷魔弓】Lv2 【光魔弓】Lv2

 【水魔弓】Lv2 【土魔弓】Lv2 【氷魔弓】Lv2 【闇魔弓】Lv2

 【癒魔弓】Lv1

光属性スキル

 HP回復:【トリート】Lv1 【ヒール】Lv1

 状態異常回復:【リカバー】Lv1

 蘇生:【リバイバル】Lv2

 ボール系(Lv3 max):【ファイヤー】・【ウインド】・【サンダー】・【ライト】

闇属性スキル

 防御:【バリアー】Lv1

 ボール系(Lv3 max):【ウォーター】・【ソイル】・【アイス】・【ダーク】


AP:4


称号

 【聖女アズキに嫌われし者】

 【ツース村の恩人】:ツース村での買い物が半額。

 【スリースの街の恩人】:スリースの街での買い物が半額。

 【ボール系魔法を極めし者】:大きさ・数・威力・速度・軌道・射程距離等を指定出来る。

 【フォースの街の恩人】:フォースの街での買い物が半額。

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