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共通② 被害者

――私達は敵地へ向かう最中に、道端で倒れている黒髪の青年と水色髪の少年を見つけた。


「あの、大丈夫ですか?」


私は2人に声をかけてみるが、一応息をしているようだ。


「ひとまず助けてましょう」

「見捨てるかと思ったわ」

「戦力の為にはザコ盾として仲間をゲットしなくては」

「前衛は四人までですから今回で誰か二人が待機する可能性も……」

「大抵仲間にしたらレベルが高いことが多いからお前が待機メンバーにされるかもな」


【皆のレベル】

ハル:36、アクヤキ:5、ハキサレエル:35、トリプレール22


「二人仲良くドボンかもしれませんね」

「なぜだ?」

「「アンタのレベルが最低だから!!」」



「ここは……」


水色髪の少年が目をさます。


「目がさめた?」

「はい……えっと……」

「僕たちは君が倒れていたから保護した。ありがたく思えよ」

「お姉さん、お兄さん、ありがとうございます」


礼儀正しい少年に心が洗われる。しかしこれまでのパターンでいくと見た目に騙されたら痛い目をみる。

悪焼くんは黙っていれば顔よし金持ち、ハキサレエルは黙っていれば優しそうで威厳ある天使、トリプレールは黙っていれば頼れる戦闘タイプ。

―――なのだが、傲慢と上からとナヨナヨというギャップがある。


つまりこの純粋そうな少年がハラグロとか小悪魔とかいうパターンもあるかもしれない。


「う……」

「こちらも気がついたか」


とりあえず黒髪青年のほうにも話を聞く。


「あの、私たちは怪しいものではないです。貴方が倒れていたから宿に運びました」

「……そうなんだ。一先ずはありがとう」


彼らがなぜこちらにいたのか、倒れていたのかを問う。


「わからない。ついこの前、世界が混沌と化しただろ?だからゲームにログインどころか電気すらなくてゲームができないからイライラして走っていたら謎の光に取り込まれた」


―――光ときいて私達が異世界にきたときのことが思い出された。

もしかしたら彼等を巻き込んだ可能性もある。


「確定ではありませんけど私達が魔王をぶっ倒そうとこちらへやってきた際に貴方が運悪く巻き込まれたのかもしれません」

「それマジ……?」

「マジだ」


彼はゲームが一生プレイできないと知ってうなだれている。


「―――君たちさっき魔王倒すって言ったよね?」

「はい」

「ならこっちでリアルゲームやりゃあいいじゃん?こっちにこなかったら向こうでゲーム欠乏病で自殺してたかもだし」


――ある意味ポジティブだ。


というかこのパターンだと意外と魔王が彼とかもありえるかもしれない。

魔王ザーマァは黒髪らしいし、彼も黒髪だし。

被害者のフリをして仲間になり実は魔王だったとかやってマジかよ!?となる私達を嘲笑おうとしているのかもしれない。


「さてレベルは……」

「あなた方の名前は?」


ハキサレエルが問いかけた。


「僕は佐玖間ルーエっていいます。父がハーフなのでクオーターです」

「俺は弦間トウチ……プロゲーマーだ」


本当にプロか怪しい。にわかヒッキーゲーマーの可能性が高い。


「弦間、どこかで聞いた名だな」


悪焼が考えている間に敵の反応があった。


「せっかくだから二人も参加してください!」

「さっき四人しかだめって言わなかったか?」

「悪焼、あれはその場のノリというやつだ。レベルはさておきゲームではないのだからパーティー制限はないぞ」


あのハキサレエルが真顔でゲームとか言うと笑える。


「てかさ、メタな話この作品VRでログアウトできなくなった話にすりゃよかったんじゃない?」

「あんたをいきなり追加したせいで話が根本から崩れそうになってるね……」


トウチとトリプレールが意味のわからない話をしている。


[フハハ!!女がいるぞ!!]


――ゴブリンの集団が現れた!!


「なんか女の子向けとは思えないえげつないフォルムの敵がきた!!」

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