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ちょっと夜のお出かけに出かけてみる。


「おにぃさぁ~ん、よっててよぉ~」

齢10歳ついに卒業か……

ってやめてくれ。

俺はまだ10歳だ。

ただ、声かけられるのも仕方がない。

レベルが上ったら、身体が変わった。

身長が伸びて、筋肉もついた。

少年から青年へと変わっているのです。

だから、このお誘いも仕方がない。

そして、欲望に釣られてついていってしまうのも仕方がない。

腕に当たる柔らかいものに頬が緩むのも仕方がない。

すべて仕方がないことなのです。


って、誰だ俺を幸せの欲望空間から引き戻そうとするやつは!!

おっさんだ!!

「へへぇ。お兄さん。ダメですよ。ついていったら。

女とヤりたいなら奴隷じゃないと。

お兄さん。ああいうのはじめてだろう。

ああいうところは病気が蔓延しているから、

病気持ち以外が行くには敷居が高すぎるんすよ。

だから、ぜひうちで奴隷を買っていってくれよ。

経験のない病気を持たない娘を扱っているからおすすめだよ。」


むむ。

いきなりおっちゃんに手を引かれて青春劇のような逃走劇を繰り広げたと絶望したら、

奴隷の購入を勧められている。

だが、話を聞いてみると参考になることを言っているな。

確かにあのままついていって病気持ちになるのは恐ろしいな。

それなら、奴隷を買うのもあるだな。

幸い金はある。

って、まてよ。

確かに今そういう気分なのだが、それだけで買っていいいのだろうか。

こういうのはもっと色々考えた上で…まあいいか。

買っちゃおう。

ふへへ。

だが、このおっちゃんはどうなんだろうか。

さすがに親切な人とは素直に思えないぞ。

まあ、人間は失敗して成長していく生き物だしな。

行ってみようか。

「おっちゃん、詳しく聞かせてもらおうか。」

「おいおーい。俺はまだまだそんな歳じゃないからな。

まだまだ25で若いし、お兄さんとそんなに変わらないだろー」

15歳も差があるのだが、わざわざ教える必要はないよな。

「ふん。そんなことはいいから、早く店に連れていってくれよ。」

「仕方がないな~。こっちに来てくれ。楽しみにしていてくれよな。」

俺は夜の街をおっさんと一緒に歩いて行く。

これがさっきの色っぽい女性ならばもう少しテンションもあがるのだが、

今後のことを楽しみにして行くしかないな。

あっ、そういや解析を使えば相手のステータスが見られたんだよな。

見てみるか。


------------ステータス-------------

名前:ドルレーク

種族:人族

職業:奴隷商

Lv:2

体力:35/35

魔力:5/5

筋力:17

敏捷:26

器用:21

生命:14

精神:21


スキル

縁視の魔眼、算術Lv3、短剣術Lv1、逃走術Lv1

---------------------------------------------------


魔眼!!

こんなスキルもあるのか。

これは固有スキルというやつだろうか。

レアスキルだな。

欲しいところだが、さすがに一般人から奪うのは気が引けるな。

しかも殺さないと奪えないし。

今回は諦めよう。

そのうち手に入れる機会があるだろうしな。


「おっちゃん、俺は解析スキルを持っているんだよ。」

「ああ、見ちゃったかぁ。

俺の魔眼だろう。

お兄さんに声をかけたのはこのスキルが理由なんだよ。

このスキルのおかげで、俺は人との良縁が見えるんだよ。

それでな、お兄さんと俺に縁が見えたんで、俺の店に来るように誘ったわけさ。

俺はこのスキルを活かして奴隷を買ってきては、奴隷の良いご主人を探すってことをしているんだ。

このスキルのお陰で、奴隷も購入者も両方共幸せになれるんだよ。

おかげで儲けまくりさ」

「おいおい、おっちゃんカッコいいこと言いすぎだろー」

「ははは。やりたいことをやっているだけだし。

人を売っている時点でカッコよくはないけどな。」

なんだこのおっちゃん以外に良い奴っぽいぞ。

余計に殺すわけにはいかないな。

そして、俺に合った奴隷ちゃんか。

楽しみすぎるぜ。


おっちゃんの店に来たのだが、看板がない。

ってか、店って感じではないな。

広めの民家って感じだな。

商売する気ないなこれ。

たぶん、スキルで見つけた人としか商売をやっていないな。

本当にカッコいいことしているな。

不幸な人生を歩むことが多い奴隷に対して、幸せを与えようと密かに頑張るおっちゃんか。


「やっぱりおっちゃんは良い奴なんだな」

「おいおい、恥ずかしいこと言うなって。

ほら、奴隷たちのところに連れて行くから来てくれ。」

広めの部屋に連れて行かれて、ソファーに座ることを薦められる。

奴隷を呼んでくるから待っているように言われる。


おっちゃんが犬耳少女を連れてくる。

おお、可愛い。

こんな可愛い娘をどこから連れてきたんだよ。

「おお、気に入ってくれているみたいだな。

身を乗り出しすぎだ。」

笑いながら話しかけてくる。

こいつめ、俺の奴隷の前で恥をかかせるつもりか許さないぞ。

「はやく、その娘の紹介をしてくれよ。

俺にぴったりな奴隷なんだろう」

「おうよ、おすすめだぜ。

それにしても、お兄さんは金持ちそうでもないのに、金を持っているんだな」

「ん?どういうことだ」

「ああ、この奴隷なんだが、俺が今まで貯めてきた金を全てつぎ込んで買った奴隷でな。

買うのは裕福な貴族だろうって思っていたくらいの金額なんだよ。

その奴隷とお兄さんに縁があるってことは、お兄さんにそれだけの金額を払うだけのお金があるってことなんだよ」

「確かに金はあるな」

「しかもお兄さん相当強いな。

この奴隷は容姿も良いがそれ以上に戦闘向きなんだよ。

銀狼族といって、神獣の血を引く言われる獣人で、戦闘能力が高いんだ。

Sランク以上の冒険者の仲間にはこの銀狼族が混ざっていることもよくあることだ」

「ほう。ならなんで、そんな凄い種族が奴隷なんてなっているんだ」

「ああ、それがこいつの可哀想なところでな。

親が冒険者でSランクで活躍していたんだが、狼族の特徴で満月の日に獣に近づくんだ。

たいていはそのときは大人しく部屋に篭っているんだが、

難易度の高い依頼が終わったところで浮かれちまったこいつの親が酒を飲んでしまってな。

酒と満月のせいで抑えられないほど凶暴化してしまって暴れすぎてしまったんだよ。

そのときの代償として親子ともども奴隷に落とされてしまったわけだ。

ひでー話しよ」

ふむ確かにひどい話だな。

そして、娘が犯罪奴隷ってわけでもないし。

これはお買い得ということだ。

それに縁視の魔眼の力を信じるのもいいな。

「そうか。もう、詳しくは聞かないさ。

買ったぜ」

「おおう、そいつぁよかった。

大切にしてやってくれよな」


そして、俺の仲間に可愛い奴隷が増えた。


なにやら、残念なことにこの物語の中で最多の会話数となったのが、

この奴隷商のおっちゃんである。

いや、実際にはギルド員の女性とも話しているのよ。

たまたま、話にでてきたのが、おっちゃんなだけで。

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