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白蛇の池の村「7」

「茜先生!!無理ですよ。」


「どうしたの?孝平君!臆病風に吹かれたの?」


「孝平、茜さんに何を言っても止まらないと思うよ」


「陽君分かってるわね!!さぁて!!日記に書かれていた鉄の扉の開けるには、鍵が必要なんだけど…何処にあるのだろう?」


「茜先生にはかなわないか…こゆう展開は、ノートが見つかった場所に鍵があるとかでは?」


「確かに…」


茜は、ノートを読んだあと暫くの間

孝平と俺と議論していたのだけど、どうやら好奇心に火がついたのだろう


「じゃ、私行くわ!診療所の書斎に…」


「えっ?」


「本当に行くんですか?茜さん?」


「私、なんかこの出来事…違和感を感じてるかもしれない…もしかしたら鉄の扉を開けたら、いきなりドッキリでしたって展開になったりしたらどうする?」


「マジ、そんな展開なら俺は、マジ切れすッよ茜先生」


「とりあえず、私行くけど由美ちゃんの様子も気になるから陽くん由美ちゃんの様子見ててくれるかな?」


「えっ?あっ…いいですよ茜さん」


「じゃ、俺は、どうしたら?」


「孝平君は、私に着いてきてね。本当は陽君にいざというとき日本刀で助けてもらおうと思ったけど…この建物の内部を把握してる孝平君っと一緒に行動した方が鉄の扉の鍵も見つかると思うからね。」


茜と孝平は、地下室から上の診療所へ向かっていく

本当は、朝まで此処で身を潜めて明日の朝に、この奇妙なレンガ造りの町から抜け出して逃げ出そうと考えていた。

でも、あのノートに書かれていた…鉄の扉…悪魔のワクチン…天使のワクチン…のフィクションの世界に出てくるようなありきたりな展開に不思議な違和感を感じたのだろう

真実を知りたくなったのかもしれない…。

俺は、如月先輩が居る部屋を覗くと如月先輩は、ベットの上に横になっていた。


俺は、先ほど三人で読んでいた古びれたノートを見てみると…

最初の数ページしか書かれてない…空白のノートのページを捲ってみると一枚の写真が挟まっていた。

その写真を手に取り写真に写る人物を見てみると一人の女性が無邪気に微笑んでいる写真だった。


「如月先輩?」


俺は、思わずそう呟いた。

その写真に写る人物は、如月先輩にそっくりだった。

偶然に似ているだけだろうか…

あんまりにも現実離れした出来事ばかりで、俺は、少し違和感を感じていた。

ポケットから白い勾玉を取り出し夢の事を思い出していた。



雑然とした地下室の中を見回して見ると色々な物が置かれていた。

壁には、地図が貼られていた。

おそらくこのレンガ造りの町の見取り図になるだろうか?

俺は、壁の地図を剥がすと机の上に奥とランプの光に照らすと今居る場所から近くに駐在所があるらしく池から暫く行くと教会の近くに大きな屋敷があるのが分かった。

不自然な事なのは、民家の住人の事だった…

この山奥には、仕事になりそうなものもなければ、食料の調達とかどうしたのだろうか?

これだけの人達が、約二百人だとしても

生活していくにしても物資調達は楽なものではなかったのだろう

俺なら、こんな山奥の町に住むより陸地の栄えた町に住むだろう

それに、店のない町…おそらくあのノートから推測するのだけど、この町に集まれた住人は普通の一般人では無さそうだった…。

俺は、箱に入っている資料らしき物があるのを見ていた。

診療記録と言うべきだろうか?


「この町の住人は、精神的に問題ある人達ばかりだったのか…」


俺は、資料と写真を見ていると全ての資料には、死亡っと書かれていた。

おそらくこの山積みにされた箱の中には、死亡した人の診断記録のようだった。

100人分の死亡した人の診療記録のようだった。

日付を見ると…全て同じ日に死亡していた。


「100人が同時に死ぬなんて…一体何があったのだろうか?」


俺が、そう呟くと背後から物音が聞こえてくる。

俺が、振り向くと如月先輩が居る部屋から聞こえてきたようだ。


「如月先輩?!」


「…………」


無言のままの如月先輩が居る部屋を覗いてみると如月先輩は、うつ向いたままベットに座っていた。



「大丈夫?」


「…………」


如月先輩は、無言のままだった。

俺は、如月先輩の近くまで歩み寄ると


「陽さん、ごめんなさい私が、こんな変な町に皆を連れてきたから」


「そんなの気にしなくていいよ」


俺は、如月先輩が居る部屋の隅にある。

小さな机を見ると花瓶が置かれていた花は枯れてしまっていた。

とある疑問が込み上げてきて如月先輩に問いかけると如月先輩は俺を悲し気な表情をしていた。


「如月先輩…そういえば、この白蛇の池の村に来たかったと言ってたけど…」


「うん…夢で…陽さんが私に歩み寄ると私を優しく抱き締めて泣いてたの…」


「俺が?」


「そうです。私は光る池のような水面で立っていて…私は、何故か泣いていたの暗闇の世界を見つめながら…そして人影が見えてきて…」


「それが、俺に似てたのか…」


「はい」


俺は、あの不思議な夢を思い出していた。

ポケットから白い勾玉を取り出して如月先輩に私ながら俺は、あの夢の事を話した。

孝平の部屋で如月先輩と話して居る時に話しておけばよかったのかもしれないけど…。

俺は、何故か恥ずかしい気持ちがあったのかもしれない。

俺は、暗闇の世界で歩みながら囁いていた言葉は、誰かの名前だったのかもしれない…。

そして、光る水面に佇む涙を流す女性を優しく抱き締めていた。

おそらく偶然…同じような夢を見ただけなのかもしれないけど…。

おとめさんが言っていた言葉を思い出していた。

前世から想いが見せる夢…。

俺と如月先輩の前世の記憶がないから

この奇妙な夢の意味を真相は分からないままだろう


「陽さん、実は心霊スポットの下見とか嘘だったんです…ごめんなさい」


「えっ?嘘だったの?」


「はい、実は、あの夢を見てから不思議な気持ち…違和感を感じていていて…陽さんとこの場所に来たかったです。」


「気にしなくていいよ」


俺が、そう言うと如月先輩は泣いた。

如月先輩は、不思議な夢を見てから

何故か…毎日俺にバイト先に会う度に不思議な気持ちになっていたのだという

如月先輩は、その不自然な違和感が何か気になっていたらしく

そんな時に、都市伝説を紹介しているサイトの画像に夢に出てきた場所を見つけたっという

でも、不自然な事があるらしい

そのサイトの画像には、大きな岩と池しか映っていなかったというのだ。

俺とこの場所に行かなければ行けない気持ちになって

俺に、嘘の心霊のスポットの下見のアルバイトを頼んだのだけど…

断れたのだけど…どうしても諦める事ができずに孝平に頼んだのという

俺とこの場所に来るために…、

如月先輩は、紅い勾玉と白い勾玉を二つを持ちながら涙を流していた。


「如月先輩、気にしなくていいよ。俺もあの不思議な夢が気になっていたから」


「本当にごめんなさい…」


「ふーん、そうだったのか恋する乙女の気持ち私にも分かるわ…」


不意に茜の声が聞こえて来ると

俺と如月先輩は驚きながら振り向くと茜と孝平がいた。


「孝平さん、茜さん、ごめんなさい…私…私…」


「夕美ちゃん気にしなくていいわよ!私は、ジェイソンの存在を確かめてみたかっただけだから!!」


「如月先輩!!気にしない!気にしない!俺全然気にしてないから!!」


茜と孝平が、そう言うと如月先輩は、何度も謝る姿を見ながら俺は、如月先輩の肩を優しく抱きながら


「もう謝るのやめて、俺も皆、迷惑とか感じてないから」


如月先輩は、軽くうなずきながら

俺に寄り添う感じで泣いていた。





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