白蛇の池の村「3」
古びれ石碑の前に佇む人影は、ゆっくりと歩き出す
町から池に通じる道は、まるで西洋風というべきなのだろうか?
何かの記号?何かの模様のような地面のレンガには、何か文字が彫られていた。
ゆっくりと歩く人影は、その奇妙な道を歩きながら池の近くの祭壇の前に立ち止まり
池の中央に鏡のように夜空の月を映していた。
幻想的な空間のような世界が広がる風景は、とても美しく
まるで名画を見つめているように、ただその美しい世界を見つめていた。
「綺麗だわ…」
人影は、そう呟くと祭壇にある模様を見ると
「これ、魔方陣みたいね。」
「如月先輩!」
「あっ!陽さん?」
「急に居なくなるからびっくりしたよ」
「ごめんなさい!」
「でも、不思議な村だよね。」
「そうですよね。それに、この池の回りにだけ…少し西洋風とうか…少し黒魔術というか白魔術のような装飾にされているんですよね。」
「確かに…奇妙だね。」
俺は、祭壇らしきものの前に立つと祭壇の上に魔方陣らしきものが装飾されていた。
「なんだろうコレ?」
「その魔方陣は、蘇りの魔方陣だというものかもしれないんですよ」
「蘇り?」
「そう、人を蘇らせる錬成の魔方陣かも」
「本当?でも何でそんなものをここに装飾したのだろう?」
「なんか…奇妙な胸騒ぎするんですよ」
「如月先輩大丈夫?体調悪かったらどこかで休息する?」
「大丈夫ですよ…陽さん…」
しばらくの間、沈黙の時間が流れていく
俺は、池に映る月を見つめていた。
如月先輩は、祭壇に装飾された魔方陣に触れると辺りから不思議雑音が聞こえてくる
「やっと逢えたね…」
突然、大音量のスピーカのような音のような声が響く
「陽さん!!」
「如月先輩、大丈夫?」
「さっきの声は?」
「俺にも分からないよ もしかしたら孝平か茜さんの悪戯かもしれないよ」
少し気温が下がるのを肌で感じながら
辺りから聞こえてくる音に違和感を感じていた。
何かが蠢くような不自然な音が響く
池のほとりからひとつの光が水面の上を飛ぶのが見える
そして、池の水面に映る月の上で弾ける蒼白い光が水面を揺らした。
俺は、辺りから聞こえてくる獣のようなうなり声に恐怖心を抱き
如月先輩の手を握り歩き出す。
「陽さん?」
「如月先輩、なんか嫌な気配がするから一度町に戻ろう」
「………」
如月先輩は、無言のまま歩き続けていた。
さっきの蒼白い発光するものは、一体なんだろうか?
先ほど聞こえた大音量のようなスピーカの声も
孝平と茜さんのイタズラのように考えていたのだけど違うような気がしていた。
辺りから聞こえてくる幻聴のような獣のうなり声と叫び声が辺りで聞こえてくる
「陽さん!!あれ見て!」
「どうしたの如月先輩!?」
俺は、如月先輩の指差す方向を見ると池のほとりに炎らしきものが見えた。
「炎?」
「おそらくたいまつかもしれないよ ほら」
歩きながら道の脇にある柱にたいまつらしきものがあった。
俺と如月先輩は、小走りで池から町に向かい噴水がある広場までくると俺は、ポケットから小型無線機を取り出す
「もしかしたら、この町に人が居るかもしれないから孝平に連絡して一度広場で話し合わないといけないから孝平に連絡してみるよ」
「はい、あっ!」
如月先輩は、なにかを見て驚きながら俺の肩を叩く
俺は、如月先輩が何かを見ている方向を見ると
噴水の側に大きな黒い人影が見える
その黒い人影は、微かに獣ようなうなり声を発しながら歩いてくる
やがてもうスピードで走ってきて俺にぶつかると俺は、よろめいて転び小型無線機を落とすと無線機は、如月先輩の足下に転がるのが見えた。
一瞬の出来事で少しパニックになる思考回路を冷静にしようとしていたけど、少し呆然と大きな黒い人影を見ているだけだった。
「なんなんだ、あれは?」
「きぁああああ!!」
如月先輩の叫び声に少し驚きながら金縛りのように動かない身体が動き出す。
黒い人影は、悲鳴をあげる如月先輩の方を見ると唸るよう叫んだ
「如月先輩!!逃げろ!!」
俺は、力いっぱい大きな黒い人影にぶつかる
黒い人影は、よろめきながら水が渇れた噴水の中へ落ちると俺は、如月先輩を見ると如月先輩は、足元にある無線機を拾うと俺を見ると泣きそうな表情をしていた。
「如月先輩!逃げろ!!孝平に連絡して…」
「………」
如月先輩は、無言のままうなずきながら走り出すと背後から大きな黒い人影は、俺を掴むと物凄い力で引きずるように歩き出す
俺は、力いっぱいにあらがうけど無駄なほど力づよく引きずられていた。
カバンから小さなナイフ取りだし
そのナイフで大きな黒い人影を刺すと獣ような叫び声をあげると俺の肩を離した隙に力いっぱいに走り出すと遠くにある林を目指していた。
背後から大きな黒い人影の走る足音が聞こえてくる
「一体なんなんだ、あの黒い化け物は…」
背後から追ってくる黒い人影は獣のような叫び声をあげると遠くから獣ような叫び声が聞こえてきた。
無人の町は、不気味なほど静かな空間をつくりだしている
如月先輩は、走りながらレンガ造りの暗闇の町の中を見つめていた。
遠くにある教会らしき建物へ向かいながらも振り向きながら前へ走り続けていた。
先ほどの黒い影と陽の姿が見えないぐらい遠くまで来ると教会の中へ入っていくと誰もいない無機質な空間の暗闇に包まれた教会は、まるでホラー映画のような雰囲気だった。
荒くなった息づかいを整えるように深呼吸をすると少しむせながら
祭壇の近くの椅子に座りながら祭壇の上にあるステンドガラスが月の明かりに照らされて淡く輝いていた。
「陽さん大丈夫かな?」
如月先輩は、そう呟くと手に持っていた。
小型無線機のスイッチを入れるノイズが聞こえてくると
「「どうしたの?洋平?!」」
すると孝平の声が聞こえてきた。
「孝平さん!助けて!陽さんが…陽さんが黒い化けものに教われて!!」
「「陽が?!黒い化ものって?!もしかしてジェイソンみたいなバカでかくてガタイが凄い奴!?」」
「そうです。孝平さん知ってるですか?」
「「知ってるよりも俺らも、さっきそのばけものに襲われて逃げて隠れてるんだよ…あっ茜さん…孝平君貸しなさい!!…はい!!」」
「茜さん!!」
「「夕美ちゃん大丈夫?!陽君は?」」
「陽さん?分からないです。黒いばけものに体当たりをして私に逃げろって叫んだから私、私…怖くてその場から逃げたんで…」
「「そうなの?!怪我はしてないの?」」
「私は、大丈夫だけど…陽さんが怪我をしているかもしれません」
「「分かったわ…さっき白蛇の池の村でジェイソンを見たという知り合いから借りた。米軍使用の小型無線機を使って救難を頼もうと思ったんだけど、何か変なのよね…その装置から変な大音量の変なノイズが響いて…って!そんな事より夕美ちゃん何処に居るの?」」
「私ですか?今、教会に居ます。」
「「分かったわ!!今から孝平君と教会に行くからその場から何処にも行かないでね。」
「は…はい!!分かりました。」
「「絶対に待っててね!!夕美ちゃん!!」」
「はい!!」
通信が終わると如月先輩は、涙を流しながら震える足で立ち上がり辺りを見回していた。
身を隠せる場所を探すように教会の中を歩いていると
ガタガタ…ガタガタガタガタ…ドンドン…
不気味な物音が教会の天井から鳴り響き
獣が叫ぶような雄叫びが聞こえてきた。
如月先輩は、恐怖心から足は震えて動かない足を動かしながら祭壇の上に行くと背後から物凄い音が響き
教会の扉が激しく叩かれ揺れ動くのが分かった。
如月先輩は、祭壇の奥にあるキリストの像の下にある祭壇の隙間の中に隠れながら
教会の入り口の扉が激しく開くのが見えた。
先ほどの黒い人のような影の姿が見えると感情が乱れて恐怖感が込み上げてきる
「神様…助けて…」
如月先輩は、小声で、そう呟くと瞳を閉じた。
獣ようなうなり声が響くと足音が教会の中を黒い人影のばけものが歩く足音が響いて聞こえてきた。