白蛇の池の村「14」
地響きが鳴り響く山全体が激しく揺れ動くように揺れる世界
地面は割れて街は地面に沈んでいくように消えていく異様な世界
茜は、気絶している孝平を抱き締めていた。
「一体何が起きてるの?」
やがて池の方の異様な輝きは、一瞬で一点に集まる光は、巨大な光の玉になって
激しく弾けて爆発した。
茜と孝平は沈みゆく大地の上で、まるで世界が崩壊していくのを見ているようだった。
まるで夢を見ているように眠る二人は、底のない暗闇の世界に落ちていく
深い眠りの中で響く声
誰かが名前を呼んでいた。
何度も…何度も…
不意に瞳を開けると夜空の星は美しく輝いていた。
「私…生きてるの?もしかして…夢…」
茜は、ぼんやりとした意識の中で、様々な思考が頭の中で交差していた。
「孝平君!?」
茜は、起き上がると辺りを見回してみると孝平は、眠ってるように地面に倒れていた
「孝平君!生きてる!!」
茜は、孝平に駆け寄り体を揺さぶりながら語りかける
「あっ…!!茜先生!どうしたの?確か俺…ベットに寝ていて茜先生の叫び声聞こえて…」
「生きてる!!よかった…」
茜は、孝平の服を捲り腹部を見るとアザがなく
怪我もしてなかった。
「はっ!?何をするんですか?そんな大胆な!!」
「消えてる…」
「消えてる?」
「怪我が…」
「あっ!!」
孝平は、自分自身の身体中を見てみると怪我もなく痛みもないらしく不思議そうに瓦礫の下敷きになって傷だらけだったはずの傷ひとつない自分の足を見ていた。
「夢だったのかな…?」
孝平は、そう呟く
茜は、あの白衣の男の事を思い出して
ポケットから白衣の男から渡された名刺を見た。
「夢じゃないわ」
遠くから聞こえてくる声
如月先輩と陽の声だった。
やがて四人は、あのレンガ造りの町があったのが嘘のような草原に居た。
茜は、救急箱なかの携帯医療品で、陽の無数の斬り傷を応急措置をすると
如月先輩の少し話をしていると奇妙な雑音がするのに気づくと
草原の草むらを掻き分けると黒い物体があった。
「あっ!!米軍使用小型無線機!!」
茜は、そう言うと無線機を使い誰かと話していた。
「あと、30分すれば、救助ヘリが来るよ」
「茜先生…あなたは、何者ですか?」
「ふっふふふ…そのうち教えてあげるわ孝平君」
やがて、茜は草原を見回してみると木造りのトランクケースを見つめけた。
「すべての秘密が此処にあるのよね…」
茜は、真剣な眼差しでそう言うと陽に近づくと名刺を出すと
「有難う、おかげで大変だったけど…良い情報を手に入れる事ができたわ」
名刺には、茜の名前と私立探偵事務所っと書かれていた。
「えっ?茜さん探偵さんだったんですか?じゃ…お店の仕事は?」
「あれは、趣味よ!!世をあざむく仮の姿のようなものよ」
そう言うと茜は、笑いながら指差すと
「ほら、夢の時間が終わって現実の時間が始まるわよ」
四人は、朝日を眺めながら
さっきまでの出来事が嘘のように感じていた。
過ぎ去る風は、微かに冷たく
何かを伝えるように頬うを撫でて遠くの空に消えていく何かを見つめていた。
まるで穏やかな微笑みのようなものだったのかもしれない…




