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一日目 Ⅰ 出会いは突然に……、

一日で一話完成!

キリトは拳をわなわなと震わせ、校門の前で立ち尽くしていた。

その童顔に歓喜の表情をこれでもかと浮かべまくり、ついに全身を震わせた。

そして人目もはばからずに、


「夏休みキターーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」


と叫んでいた。周りにいた学生達がもれなく全員ギョッとした。


そう、夏休み。

神田キリト達中学生にだって夏休みがあるのだ。

そしてそれが今日なのだ。

喜ぶのも無理はないのだ。

のだノダ野田。作者暴走したのだ。


「ああ、今日という日をありがとうございます」


キリトはこの世の森羅万象しんらばんしょうに感謝をし、鼻歌交じりに帰路についた。

そして今後の活動を脳内で検討する。


(この日の為にお金結構貯めたからなー。なにしよう。そうだ、みんな誘ってカラオケ行こう。あと新しいヘッドフォンも買いたいなー、そういえば青空のルーチェもうすぐコミックでるんだっけ、それも買おう。あとは……)


と言った具合に考えているのだが、それが全て口からダダ漏れしてることをキリトは知らない……。


そんなこんなでキリトは家に到着。

家は少し大きめの一戸建てで、家の一部を改装して小さな喫茶店を経営している。

キリトは今日は家側から入った。火曜日は定休日なので開いてないのだ。


「ただいまーかあさん」


キリトは元気な声を上げてドアを開けた、が、


物音一つ無くず、しーんと静まり返っていた。


「……おーい、誰かいますかー。かあさーん?」


キリトは恐る恐る中に入り、母の名前を呼ぶ。しかし返事は返ってこない。


キリトがリビングのドアの前に来た瞬間、


「んー!んーんーんー!!」


リビングから唸り声、慌ててドアを開けると、


「……何やってんの?」


「んーんーんー!んーんーんーんー!」


母は洗濯物の中に埋まっており、その中で手をバタつかせていた。


「……ハァ、」


キリトは呆れて溜息を吐き、おバカな自分の母親を引っ張り出した。


「ふぅ、助かったわ。ありがとうキリト」


「どうやったら洗濯物の中でスイミングして溺れるんだよ!!」


「いやー、抜け出そうともがいてたら足つっちゃってねー」


「逆にすごいわ!器用か!」


キリトはソファにバックを投げ、救急箱から湿布を取り出す。


「ほら、それ貼って、アリアさ……かあさん」


「あ、アリガトッ!…あと、アリアでいいわよ?」


キリトは自分の義母はは、野々村アリアに湿布を投げると、冷蔵庫を開ける。


「うわ、なんにもない……」


キリトは顔をしかめた。


「え、そうなの?」


「うん。ちょっと狩ってこないと……」


「漢字違うわよー」


アリアのツッコミを軽く無視し、キリトは隣の喫茶店に向う。


「とりあえず買ってくるから、お金レジから取るよー」


「うん、お願いねー、いってらっさーい」


「いってきまーす」


そう言ってキリトは家から喫茶店へと繋がるドアをくぐり、レジからお金を取る。ついでにおこづかいとして二千円ほど盗ると、デパートへと向かった。



              +       +       +



デパートで買い物を済ませたキリトは、さきほど盗った二千円を使って、カフェでチョコレートパフェを食べていた。

このカフェでは超ビックサイズのチョコレートパフェが売られており、甘党のキリトはそれをよく食べていた。

ちなみにチョコレートパフェの重量は5キロ。食ってる方も食われてる方も怪物である。


「ごっちそうさまーっと、」


食べ終わったキリトは店を出ようと立ち上がり、歩き出す。すると、


どんっ


「うわっ」


キリトの後ろから何かがぶつかり、キリトを押し倒した。不運な事に、買った食材の上に。


「イテテ、あ、あぁああ!!た、卵がぁああ!」


泣きそうになりながら叫ぶキリト。その後ろから、


「大丈夫か?」


低いが良く通る声でキリトに声が掛けられた。


「え、あ、あぁ、大丈夫ですよ…あはは」


キリトはとりあえず叫ぶのを止め、買い物袋を後ろに隠して引きつった笑みを浮かべた。ちょっと涙目だ。

キリトを突き飛ばしたのは二十代くらいの男で、こんな暑い日なのに黒い皮製のロングコートを着ていた。

変な人だなー、と失礼なことを思っていると、突然、男はコートのポケットから財布を取り出し、二千円ほど抜いてよこした。


「え、何ですか?」


「卵、割れたんだろ?これで足りるか分かんねーけど、とりあえず貰っとけ」


キリトは慌ててそれを返そうとする。

しかし男はいいからいいからと言って店から出て行った。


キリトは手にした二千円を見て、ま、いっかと呟くと店を出た。



              +       +       +



キリトは貰った二千円を使って卵を買いなおし、残った分でアリアと食べるお菓子やジュースを調達した。

そして帰路に着こうとした、刹那、


爆発音、悲鳴、


後ろから聞こえたそれが何なのか見ようとキリトはきびすを返す。

そこには、

瓦礫、血、何かの肉、炎、

その上に立っている、人、


「キャーーーーーーーーーーーーッ!!!!」


女性の叫ぶ声がデパートに広がり、ざわめき、怒号、泣き声となって、人々にパニックを起こす。


人々が逃げ惑う中、瓦礫の上に立っていた男が、足がすくんで動けないキリトに眼を付け、近づいてきた。


男はスキンヘッドの頭のついた汚い顔に嫌らしい笑みを浮かべながらこちらに向かってくる。体格のよい身体には返り血が飛び散っており、悪臭を放っていた。

男は右手に大口径のロケットランチャーを持っており、それの銃口の先には巨大な刃物が取り付けられていた。

男はそれで動けない人や逃げ遅れた人を突き刺し、切り刻む。


(ヤバイ、動けない、お、俺も死ぬ、殺される……!)


キリトはどうにか身体を動かそうともがくが、キリトの身体は石のように重くなり、動かない。

ついに男はキリトの眼前まで迫り、キリトを殺そうとロケットランチャーを振り上げる。


キリトの頭の中を思い出が駆け巡る。

ああ、これが走馬灯ってやつか。そんなのんきなことを思い、瞳を閉じた。


金属音、


キリトはいつまでたっても痛みがこないので瞳を開く。

そこにはカフェで会った、ロングコートの男が、光輝くつるぎでロケットランチャーを受け止めていた。


「大丈夫か?少年」


男はキリトの方を向いてそう言った。

キリトは眼から大粒の涙をながして、何か言おうと声を出そうとする。しかしキリトの喉からは嗚咽おえつしか出なかった。


「ああいいよ。声出さなくて。動けないんならそこでおとなしく寝てろ」


キリトはどうにか首を縦に振り、身を屈める。今がどんな状況かは知らないけど、そうしたほうがいい。


彼はロケットランチャーを持った男に顔を向ける。


「待たせたな、おっさん」


「おっさんだぁ!?フザけてんじゃねぇよ!」


「だって顔からしてそうじゃねえか」


五月蝿うるせえ、俺はまだ25だ!」


「え!俺とタメ!?」


彼が本気でびっくりした顔をしたので、男はさらに怒り狂い、彼のつるぎをロケットランチャーで力任せに吹き飛ばした。

間合いを取った男は銃口を彼に向ける。


「死ねぇ!!」


男の怒号と共に撃ち出されたロケット弾、

彼は自分に向かってくるそれを、光るつるぎで切り裂いた。


「な、何ぃ!!」


「それが最後の言葉だな?」


「な、どうゆうこと―――、」


彼はたった数歩で男の間合いに入り、男の身体を縦に薙いだ。


男は叫ぶこともなく、地に伏せた。


「なんちゃって、殺しはしねーよっと」


そう言って彼はニヤリと笑って見せた。

それを見たキリトは、一気に力が抜け、意識を失った。



             +      +       +



キリトが眼を覚ましたのは、自分の部屋だった。


「なんだ、夢オチかよ……」


キリトは部屋を出て、階段を降りて、リビングへと向かった。


そこにいたのは、


「ムシャムシャ…、んま、うまいっすねー料理」


「そう?ありがとねー」


自分を助けたあの男だった。


「って夢オチじゃねーのかよ!!」


「「あ、おはようキリト」」


「あら、アハハ」


「ありゃ、ハモリましたね」


「てか仲良くなってるし……」


ちょっと待て、あれが夢じゃないってことは、

キリトはどうしようもない吐き気がこみ上げ、その場で膝をつく。


「え、大丈夫?キリト」


アリアが駆け寄り、背中を撫でる。


「無理ないか、あんなもん見たんだから……」


そう言って男はキリトに近づき、頭を撫でた。


キリトは男の顔を見た。あれ、この人、どっかで……


「神田キリト、頼みがある」


「頼み……?」


キリトはどうにか返事をする。


「ああ、俺と一緒に、時空犯罪者達と戦ってくれ」


結構頑張りました!

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