第二話:麻美ちゃんと散歩
結局昨日は何処にも行くことができなかった…
今日は、昨日の雨のせいで水溜まりなんかが出来てたりするけど、晴れだ!
今日こそは外に!
オレが居間の座布団の上で意気込んでいると、麻美ちゃんがやって来た。
「ミケおいで〜」
は?おいでだと?
オレをなめてるのか?
来てくださいだろうが!
「ほらほら〜!猫缶あるよ〜」
くっ…猫缶でオレを釣るのか?
オレはそんなに安っぽい男じゃないわぁ!!
……グ〜…
『……………』
「にゃ〜ん♪」
…悪いか?こちとら腹が減ってんだよ!
命がけなんだよ!
食欲には勝てんさ…んぐんぐ…
「おいし?」
「にゃ〜」
「そうかそうか。」
麻美ちゃんが笑顔でオレの食事を見ている。
オレはCMで言っている、『猫缶、猫まっしぐら。』の意味を理解した。
『プハー!うめぇ!最高だぜ麻美ちゃん!そうだ!今日こそは外行こうぜ!』
オレは麻美ちゃんの足にしがみついた。
「どうしたの?まだお腹空いてるの?」
「にぃー…」
「違うの?じゃあ、遊びたいの?」
「にゃん♪」
なんだよ…?悪いか?
いい返事だったろうが!
オレがなんて言おうがオレの勝手だろ!
「じゃあ外行く?」
「にゃん♪」
オレはやっと外に出ることができた。
さぁて、何をしようかね?むしゃむしゃ…
「あ!何してるのミケ!?」
『あ?草食ってんだよ!悪いか?』
よく見るだろ?
飼い猫が外に出たら雑草くってんの。栄養あんぜ!今度食ってみな!
「さっき猫缶食べたばっかりなのに…ミケは食いしんぼうだね」
「にゃー」
オレはそのまま1時間くらい雑草を食べ続けた。