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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

泣きたい夜。

作者: 漓雨

 見なければ良かった。

 知らなければ良かった。



 気付かなければ、良かった。




 それに気付いたのは一体いつ頃だっただろう。


 あいつの視線の先に俺の親友の姿があること。

 そして、親友の視線もあいつに向けられていること。




 人間、男と女しかいない。

 性別に拘ることを俺は良しとしていないから、親友が誰を好きになろうが態度を変えたりするつもりなんてなかった。


 でも、親友の好きになった相手がまさかあいつだなんて。


 打ち明けられた訳ではない。でも、日常の大半を大体共にすごしている親友を良く見ていれば、それを知るのは難しいことではなかった。


 その事実を知ったとき、自分の胸の奥が痛むのを感じた。


 何故?


 そんなの決まっている。


 俺も、あいつの事をずっと見ていたから。

 そして、あいつの事を見てきた俺だから、あいつの視線の先にも気付かないわけなかった。



 ああ、なんで気付いてしまったのか。



 せめて、あいつの視線の先が普通に女の子だったりしたら俺は仕方ないと諦めただろうか。

 せめて、親友の想い人が他の誰かだったなら、きっとこんな気持ちにはならなかったんだろう。



 裏切られたわけじゃない。

 ただ、自分が勝手にあいつを好きになっただけだった。

 親友にもそうと言わなかっただけだ。


 ただ、それだけのこと。



 でも、そう遠くないうちに2人が結ばれるのかと思うと、どうしようもなく胸が痛む。


 せめて・・・せめて、自分の気持ちに気付かなければこんなに苦しい想いをしなくて済んだかもしれなかったと思った。






 泣きたい夜。

(祝う気持ちはあるけれど、行き場のないこの想いが、ただ、切なかった。)


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