世話役の懸想
世話役がお嬢様に想いを寄せる話。
変態っぽいけど、それはお嬢様を思うが故。
純粋なのは純粋。
とあるお屋敷で、
世間知らずな優しい天然お嬢様の世話役を務める青年の話。
私の名前はジェディディア。とあるお屋敷のお嬢様にお仕えしている。
今日も今日とてお嬢様と愛を育むラブパラダイス……!
ああ、お嬢様いけませんっ!
そんな、そんな潤んだ瞳で私を見つめないで下さいぃいいいいいいいああああお嬢様、お嬢様、そんなに私のことを……このジェディディア、死んでもようございますっお嬢様ぁああああああああああああああああああっっ!!
【世話役の懸想】
もう、あまりのお嬢様の愛らしさに昇天しそうでした。
コホン、お見苦しい姿をお見せいたしました。もう一度自己紹介させていただきます。
私の名前はジェディディア。ジェディと呼んでくださいませ。自分でもたまに噛んでしまいますゆえ。
とあるお屋敷で、恐れ多くもアイリーンお嬢様のお世話役を務めております。
アイリーンお嬢様は今年で十四歳になられ、それはっもう! 言葉では言い表せられないくらいに美しくも愛らしい方でございます!!
この世のすべてを照らす太陽を模したかのような美しい金色のふわふわの長い髪、地上を潤す生き物全ての母たる海のような瞳、純白の上質なシルクにも負けない真っ白な肌――――嗚呼、お嬢様……貴女はなんて美しいのですか……!
私ですか?
私はどこにでもいる凡庸な男でございます。この世界の汚れを集めたような黒い髪に、お嬢様には到底及ばないですがあれは私がまだここに来たばかりの頃でしたまだ10歳ほどだったお嬢様は仰られたのでございます「私の眼の色が海だったら、ジェディの眼は空ね!」と。それ以来私は自分の体で唯一この青い目だけが誇れるのでございます。
ああ失礼いたしました。お嬢様のこととなるとつい口数が増えるのです。
私は今年で二十五になります。お嬢様と出会ったのは二十一の時のことでした。
その一年前まで遡りますが、二十歳の私には怖いものはなく、自分一人の力で何でもできると信じておりました。
しかし現実というものは得てして厳しいものです。私はありとあらゆることに挑戦し、そのすべてに返り討ちにあいました。
その一年後辿り着いたのがこのお屋敷でございます。
一年の間に荒み切った私の心を癒してくれたのがアイリーンお嬢様でした。
どの働き先からも断られ、友人や様々な伝手を使いこのお屋敷でお嬢様の世話役をすることになったのですが。
初めて会ったお嬢様はそれはもう可愛らしくて、旦那様の後ろからこちらを覗いておられました。
旦那様はご挨拶が済んだあと、お嬢様に挨拶するよう促されました。お嬢様は恥ずかしいのか、身体半分を私のほうに見せられ、小さい声で言われました。
「アイリーンです。よろしくお願いします」
鈴の鳴るようなお声でした。
私は雷に身体を貫かれた心地でございました。頭に木霊するアイリーン様のお声。私の荒んでいた心を、瞬時に清められた感覚。嗚呼……この方が、私の主……!!
卑しくもアイリーン様を一生お守りすると誓った瞬間でした。
Aileenお嬢様
十四歳。
金色でふわふわの長い髪、藍色の瞳、不健康ではない程度に真っ白な肌。
Jedidiah ジェディディア
愛称ジェディ
二十五歳。
黒い髪に青い瞳。
お嬢様に「私の眼の色が海だったら、ジェディの眼は空ね!」
と言われて以来、自分の眼の色が大好き。
見た目は落ち着いた大人の男性で、メイドの間でも密かに人気がある。
しかし中身はお嬢様ラブの変態。
常にお嬢様ハアハア。
メイド
ジェディのファン。
ジェディ視点じゃなかったら大体この人の予定。
ここで力尽きた。