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第四章 遺跡調査

王立魔術学園の朝は早い。

普段よりもさらに早い時間、俺たちは校門前の広場に集められていた。

理由は一つ。

遺跡調査授業だ。

「眠い……」

俺は大きくあくびをした。

横では玲奈が地図を見ている。

「今回行く遺跡、結構古いみたい」

「どのくらい?」

「三百年くらい前の記録が最後」

「それ結構危なくない?」

遺跡というのは大体二種類ある。

安全なもの。

危険なもの。

三百年放置されている遺跡は、大体後者だ。

その時、後ろから声がした。

「悠馬、おはよう」

振り向くとそこには神代がいた。

「おはよう」

「今日は同じ班らしいね」

「そうみたいだな」

今回の調査は班単位で行われる。

俺たちの班は四人。

俺。

玲奈。

神代。

そしてもう一人――

「よー」

背の高い男子が手を振った。

赤髪で、いかにも体育会系という感じだ。

「ガレス・ヴォルク」

「同じ班だ、よろしく」

「司馬悠馬」

「知ってる知ってる」

ガレスは笑う。

「実技試験でやたら動き良かったやつだろ」

「たまたまだ」

「謙遜すんなって」

ガレスは気さくな男だった。

班の雰囲気は悪くない。

その時。

 

「静かに」

 

低い声が響いた。

黒鉄だ。

遺跡調査の引率教師らしい。

その隣にはフィオナもいる。

黒鉄は腕を組んだまま言う。

「今日行く遺跡は小規模だ」

「だが油断するな」

「魔物が出る可能性もある」

生徒たちの空気が少し引き締まる。

そして、今回の調査は始まった。



遺跡は学園から馬車で二時間ほどの場所にあった。

森の奥。

木々に覆われた石造りの建造物。

半分崩れている。

だが入口は残っていた。

「ここが遺跡?」

ガレスが言う。

「思ったより普通だな」

「見た目はね」

玲奈が答える。

「でも魔力の流れが変」

「変?」

玲奈は遺跡を見つめている。

「うまく言えないけど……」

「なんか、歪んでる」

俺は遺跡を見た。

特に何も感じない。

「悠馬はわかる?」

「全然」

「だよね」

玲奈はあっさり言った。

その時。

「それじゃ班ごとに入って」

フィオナが言った。

「奥には行きすぎないように」

「危なかったらすぐ戻ってくること」

「遺物があったら持ち帰ってね」

 

軽い。

説明が軽い。

研究者気質すぎる。

 

「じゃ、行くか」

ガレスが先頭に立つ。

俺たちは遺跡の中へ入った。

 

中は暗かった。

石の通路。

天井は高い。

空気が冷たい。

 

「結構広いな」

俺が言う。

「古代遺跡だからね」

玲奈が壁を触る。

「この石、今の技術じゃ作れない」

「そんなすごいのか」

「うん」

玲奈は興味津々で壁を見ている。

神代は後ろで静かに周囲を見ていた。

特に変わった様子はない。

普通の探索だ。

……最初は。

 

しばらく歩いた時だった。

 

「止まって」

 

玲奈が言った。

 

「どうした?」

 

「……これ」

 

玲奈が床を指さす。

そこには。

 

奇妙な紋様

 

魔術陣のようにも見える。

だが。

 

「見たことない構造」

 

玲奈が呟く。

 

「解析できない」

 

「え?」

 

玲奈は天才だ、大概のことであればすぐに解析出来てしまう。

その玲奈が。

 

「わからない」

 

そう言った。

 

俺は床の紋様を見た。

 

その瞬間。

 

妙な感覚が走った。

 

まるで――

 

見てはいけないものを見たような感覚。

 

「……」

 

嫌な予感がする。

 

その時。

 

遺跡の奥から。

 

 

ズルッ

 

 

「ナニカ」が蠢く、そのような音がした。

 

俺たちは顔を見合わせた。

 

そして。

 

ゆっくりと。

 

奥を見た。

 

暗闇の向こうで――


何かが蠢く、そのような気配がした...

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