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第一章 落ちこぼれの入学式


王立魔術学園。

それはこの世界で最も権威ある魔術教育機関だった。

巨大な石造りの校舎。

空を突く塔。

敷地内には訓練場、研究施設、図書塔、魔術実験場。

未来の魔術師たちが集う場所。

そして。

 

「……はぁ」

 

俺――司馬悠馬は、大きくため息をついた。

 

「どうしてこうなった」

 

掲示板の前。

そこには、新入生の魔力測定結果が貼り出されていた。

 

Sランク

Aランク

Bランク

Cランク

 

そして。

 

Dランク

 

俺の名前がそこにあった。

 

「おー、いたいた悠馬」

 

後ろから声がした。

振り向くと、そこには一人の少女がいた。

長い黒髪。

柔らかい笑顔。

そしてどこかぼんやりした雰囲気。

 

「玲奈」

 

一ノ瀬玲奈。

俺の幼馴染であり。

そして。

 

「Aランクおめでとう」

 

天才だった。

 

「ありがとう。でも悠馬もDランクだね」

 

「それ褒めてない」

 

「え?」

 

「え?じゃない」

 

玲奈は首を傾げた。

天然である。

 

「でも悠馬って魔術理論すごいよね」

 

「実技が壊滅的だ」

 

魔術とは。

魔力を使い、現象を起こす技術だ。

だが俺は。

 

詠唱が遅い。

 

致命的に。

 

「悠馬は頭いいのにね」

 

「実戦じゃ意味ない」

 

魔術師にとって大事なのは速度だ。

詠唱が遅ければ。

その前にやられる。

 

「まぁいいか」

 

「よくない」

 

俺がため息をついていると。

一人の男子がこちらを見ていた。

 

白い髪。

整った顔立ち。

物静かな雰囲気。

 

「……」

 

目が合った。

 

「初めまして」

 

彼は軽く頭を下げた。

 

「神代真白。君たちと同じクラスみたいだ」

 

「司馬悠馬」

 

「一ノ瀬玲奈です」

 

神代は微笑んだ。

 

「よろしく」

 

どこか不思議な雰囲気の男だった。

 

その時。

鐘が鳴った。

 

入学式の開始を告げる鐘だった。


不安と期待を胸に、俺たちはこの学舎へと入っていく。


だが。

 

この時、俺たちはまだ知らなかった。

 

この学園の裏で。

 

静かに。

 

確実に。

 

何かが動き始めていることを。

 

そして。

 

星を見上げる者たちがいることを。

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