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1時間小説シリーズ

1時間小説シリーズ ー とある酒の席にて

作者: ponkun

本作品は未成年に飲酒を勧める作品ではございません。

酒は20になってから、楽しむ程度がいいです。


周りの迷惑になるような飲み方、酔い方をしてしまう方は控えましょう。


^^) _旦<カシュ

 酒の席でのゲームは危険である。

 とくに悪ノリできる面子のみの場合は特に。


 基本的に罰ゲームの酷さはどのぐらい酒を入れたのかと比例すると僕は考えている。


 はじめは一発ギャグやコンビニダッシュぐらいで済むが皆、酔いが回ると脱衣だの体に落書きだのと下の話題が織り交ざり始める。


 そして今は深夜2時、飲み初めて6時間は経つだろうか。


 幸いストゼロのやエナドリ割といった悪酔いしかしないものを飲むものは今日はいない、ひどいバカ騒ぎにはならずにこれまでは順調な罰ゲームが続いた。さらに自分は運もいい。10回ほどゲームをしたが僕はこれまで1回しか負けてない。そのときの罰ゲームもコンビニダッシュ、お題「食わねーよこんなもの」であった。


 ジンギスカンキャラメルを買ってきて70点と点数をつけられ、口に突っ込まれ、吐きかけただけで済んだのだ。あのやろー。無言で人に口に突っ込みやがって、自分でもそうしただろうとはいえ許さねぇ。


 そんなこんなで実にバカで平和な飲み会なのだが、ここにきてなかなかにやばい罰ゲームが来た。


 種目はババ抜き、酔った頭でもなんとかできる簡単なゲーム。ここまではいい、酔って凡ミスを犯すなんてことはたまにしかしない自信がある。問題は1抜けしたやつが言い放った罰ゲーム。「残った札の数字分、パンイチベランダ追放」。


 悪魔的。そう悪魔的なのだ。パンイチ追放はまだ全力抵抗できた。しかしベランダとなればまぁいいかとなる。場合によってはならないが、もっとひどい場合を想像しやすい中で何とか飲み込めるライン。そして時間も絶妙、最大13分、最短1分とそれほど長くなく運が良ければ一瞬で終わるこの罰ゲーム。しかし、この罰ゲームはとんでもない落とし穴があったのだ。


 ここは北海道札幌。


 時期は2月下旬。


 そう北海道の冬、本日マイナス4度である。最近暖かくなったねとかほざいていたが、それはガチガチに防寒した状態での話である。パンイチで行けば地獄確定である。


 しかもまだ雪は残っているのだ。俺はこのことに気づいてしまってから死に物狂いで上がろうとし、手札は2枚、相手は残り一人。


 そう最終戦まで残ってしまったのだ。しかもだ選ばれる側。

 選ぶ側ならまだ余裕があったがこちらは相手に選択権を持たれた身。


 せめてもの抵抗として僕はカードを自分からも相手からも見えないようテーブルに伏せ、小賢しいとは思いつつも片方を相手に差し出すような形にしている。


 これで相手はテーブルに目線を向けることで俺の目線からカードを推測するという危機をできるだけカバー。そして、カードを片方差し出しているようにすることで心理戦を持ち掛けている風にしている。


 くく、こういうのは思考のドツボにはまったやつが外すのだ。


 これ以上完璧な手があるだろうか。


 僕は勝ちを確信し、腕を組んで目をつむり不敵な笑みを




 今もベランダでパンイチで浮かべているのだった。


 あれー?


 「残り12分ー。」無情な声が酔った脳を揺さぶる


 


 バカな酒の席にて

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