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4話 耳と尻尾

店を出た俺は市街地に向かって歩いていた。


「あの店なら色々買えるけど、この辺のも気になるからな〜」


そう呟きながら市街地を歩いていると、串焼きを焼いているお爺さんが話しかけてきた。


「おーいそこの兄さん」


「うん?」


「串焼きを買わんかい」


俺は焼きあがってる串焼きを見て、美味しそうと感じお爺さんの屋台に近づいた。


「お爺さん、串焼き50本くれ」


「50本!?」


お爺さんは目を見開いて、とても驚いた顔をしていた。

それもそうだろ。串焼きをいきなりそんなに買ったら大抵は驚くよな。


「金ならあるぞー」


俺は、1万と書かれてるゴールドを先ほど店で買ったアイテム袋から3枚取り出した。


「少し待ってておくれ」


お爺さんは串焼きを袋に詰め始めた。


チョンチョン


ん?


俺は下からくる感触に目を向けた。

そこにはまだ10歳にも満たない茶髪の少女がいた。

俺はその少女のある部分を見て固まった。




ぴょこぴょこ、ふりふり


そうその少女には頭に犬耳とお尻にふさふさの尻尾があった。


「お肉」


少女は指を咥えて上目遣いで俺を見た。


「えっ、あ、ああ串焼きが欲しいのか?」


こくこく


頭を縦に振る少女。


「よしそれならいっぱい買ったし分けてあげるよ」


そう言った瞬間、少女は目をキラキラして尻尾を左右にふりふり動かす。


やばい、すごく触りたい。


ここだけ聞くと少女に触りたい変態に聞こえなくもないが、考えてみてくれ、コスプレでもなんでもなく本物の犬耳尻尾をつけてる人間いや獣人か、そんなのがあったら触ってみたくもなるだろ。

俺は欲に抗えずに少女に向かって


「変わりと言ったらなんだか、その尻尾を少し触っていいかな」


そう言った時少女は首を傾げ俺にジト目で


「変態さん?」


グサ!


なかなか胸に来ることを言われるな。

業界によっちゃあ幼い子に言われたらご褒美ですとかいいそうな奴がいるんじゃないか。


「ん」


少女は後ろを向き尻尾を出してきた。

これは触っていいってことなのか?


「いいのか?」 


「いいよ」


俺は恐る恐る尻尾を触ってみた。

おお〜ふっさふっさ

俺は感動して暫く触り続けた。


「おーい詰め終わったぞ」


お爺さんの声が聞こえて俺は、尻尾から手を離しお爺さんから串焼きの入った袋を2袋受け取った。

そこから1袋を少女に渡した。


「ほら、串焼きだぞ」


少女は袋を両手で抱えて


「ありがとう」


にっこり笑い、屋台から離れて行った。

少女が見えなくなり、俺も市街地の散策の続きに入った。


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