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第1話 唐突に黒歴史!Vテラーだった少年(4)


翌朝起きると机の上でグラスターが寝ていた。


「本当に夢じゃなかったのか……」


だとしたら無邪鬼も本当に消えたんだ!

俺は一縷の望みを胸に学校へと向かったが昨日の事は何一つ変わってはいなかった。


今まで仲良くしてくれていたクラスメイトもバンドメンバーも元彼女も俺を見てキャアキャア言っていた女子たちも……誰一人俺に話しかけてこないが、幸い陰湿なイジメをするような奴らはいなかった。

まぁ、そんなことしそうなやつとは表面上ですらつるんだりしなかったろうな……


変に冷やかしてくる奴もいなかったが、オタクやオカルト研究会、文芸部の奴らから声かけられた時はヒヤッとしたな。


だけど、高校に上がって初めて学校で自分らしくのびのびと平和に過ごせている時間に少しだけ気分良く感じている自分がいたからこんな事を思ったりもした……


「これはこれで悪くないかもしれないな。」


まぁ、これは逃げと一緒

社会に馴染んで成功した人だけに許される言い訳……

最近はこれを肯定する社会も出来始めているが、そこを肯定してしまったら凡人止まり。


俺はリスクを背負ってでも、その壁を超えた先の世界を手に入れたい……


教室を見渡すと霙と一瞬目が合った。


だから、その為には先ずは黒歴史を消し去って

元のリア充生活を取戻さないといけない……


でもその時までは

「せいぜいこの非現実的(ファンタジー)な日常を楽しむか。」



そうと決まれば俺の次やることは無邪鬼じゃない方の事件の解決。

もしかしたらそれで学校での立場は元に戻るかもしれない!


家に帰るとグラスターが不機嫌そうに待っていた

「置き去りなんて酷いじゃねぇか。」

「いや、昨日の今日でハムスターを学校連れて行ったらそれこそイタいオタクじゃん」

「大丈夫だ。オレの姿は普通の奴らには見えねぇよ。」

「俺が普通じゃないってか?」

「まぁ、そうだな。妄想……いや、霊感が強いのさ!」

「妄想って言いかけたよな……」

「細かいことはわかんねぇんだよ!イメージだイメージ!」


「いや待てよ。ってことは見える人自体はいるってことか?」

「…… ……。」

「おい!」

「オレにはVモンの気配を嗅ぎ分ける力がある。」


完全に無視しやがった。


「だから明日からはちゃんとオレも学校に連れて行くんだぞ。いいな?」

「……分かったよ。」



その後、色々な角度から事件について再び調べた結果。

グラスターによって歴史から無邪鬼が消えた事は間違いない。

だが、被害者が元通りになることはなかった……

学校での立場も何も戻らなかったものの、確実に消えた無邪鬼の物語に黒歴史消去の兆しを


俺は掴んだ。


第1話最後まで読んでいただきありがとうございました!

今回はパブリックドメインをテーマにした王道の妖怪もの(?)です。

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