第2話 家庭崩壊?女子高生式神使い現る(4)
「行くぞグラ太郎!」
「おうよ!」
俺達が語場の中へと突入すると
パラボラアンテナがあった場所にそいつの姿はあった……
「ドンピシャだぜ!」
ブォォォォオオオオオ!!
ドメポラの姿を見た途端にグラ太郎は本来の姿へと変身する。
「任せたグラ太郎!」
「グハハハ!やっぱりこの姿は気分がいいぜ!オラァア!」
ピピピッ!ピピーーーイッ!!
ドメポラはこちらの存在に気づくとまるで槍のように猛スピードで突っ込んできた
「うぉお!」
ズドーーーン!
猛スピードの突撃をグラ太郎はギリギリで躱すが
ドメポラはアンテナをグラ太郎の方へと再び向けた……
ピピピ……ピッ!
ドメポラが何かを準備するかのような動作を見せる。
「なにか来るぞ!」
ピロピロピーーーーン!
俺が叫んだ次の瞬間ドメポラのアンテナからレーザーは放たれた
「うがぁあ!」
グラ太郎にレーザーが直撃する……
「グラ太郎!!クソッ!こいつ見かけによらず強い……」
「そりゃそうだろうな。アイツは目立ちづらい生魔にして、俺達に嗅ぎつけられる程の被害を出してたVモンだ……」
「こいつが無邪鬼よりも強いってことか?」
「当たり前だろ!Vモンの強さはどれだけ物語を語り継がせるかで決まるんだ!」
ピピピ!ピピーーーイッ!!
ドメポラがグラ太郎へと再び突進してきた。
「だがな……」
「マズい!避けろ!」
ズドーーーン……
――完全に貫かれた。
そう思った俺は全てを覚悟し恐る恐る目を開いたが、
グラ太郎は正面から突進してきたドメポラを両手で受け止めていた!
「オ、オレは特別製なんだよ。」
ピコピコピピピピピッ!!
手の中で暴れるドメポラをグラ太郎は地面に叩きつけた
ガシャーーン!!
ピ、ピ、ピ……
そして、ドメポラの動きは完全に停止した。
「どうだマイテラー?お前の考えた最強のVモンは……」
「その言い方はよしてくれ。」
俺の返しにグラ太郎はニィッと一笑いするとドメポラを持ち上げる。
またVモンを捕食したらグラ太郎はちゃんとハムスターの姿に戻るのだろうか?
「そんじゃあ!いっただっきまーす!あ~~……」
ドメポラを丸呑みしようとグラ太郎が大きく口を開けたその時……
「そこまでよ!」
ボォカーーン!
……!!
グラ太郎を横から火球が襲った!
「グ、グラ太郎!!」
すると俺の元に一人の女の子が駆け寄ってきた。
「ここは危険よ!早く逃げ……」
一体これはどういう状況だ?
「小妹危ない!!」
ズゴーーン!!
「ありがとうコン!」
和服の女が炎を操り女の子を攻撃から守る。
……っていうか今の攻撃ってグラ太郎か?
「急に痛えじゃねえか……」
「一般妖怪風情があまり調子に乗らないことね……」
やっぱりそうだった……
人を襲うなんて。アイツにはあとでキツく言っておかなきゃいけないな!
ズカーーン!!
ボォカーーン!
「君!怪我はない?ここは危ないから私達に任せて急いで離れなさい!」
女の子に再び掛けられた言葉を聞いて、俺はようやく状況を理解した。
やっと2話らしくなってきました!