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Another Eden Online  作者: 平民のひろろさん
1ー1 第一次βテスト
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第九話:二日目:朝

 昨日と同じように、また日は昇る。

 二日目、僕は起きてすぐにヤタからお説教をもらっていた。


 本来のチュートリアルは、初期武器を一通り使った上で、スキルを使った戦闘をこなして初めて終了なのだとか。


 さらに、昨日のゴブリン大量キルは運営も想定外で、いくら無限涌きするゴブリンとはいえ、大量にキルし過ぎて森の生態系が変わるかもしれないと言われた。


 ……うん? 無限涌きするのに何で生態系が変わる話になるの?


 疑問はすぐに晴れる。


 昨日の時点で、ゴブリンの集落をいくつも潰してしまったらしい。

 正確には、集落をからっぽに、だそう。


 繁殖力旺盛なゴブリンは、すぐに集落から溢れ出て、森の魔物のエサになるそうだ。


 そのエサが減ると、森の魔物がエサを求めて森から人里へ出張することもあるとか。

 なんと迷惑な。


「……でもさ、そこまで言うならさ、途中で止めてくれたって……」


『……おう、オレも、言いすぎたわ……』


「とりあえず、ご飯にしよう?」


 朝ごはん。1日の元気の源。今朝のご飯はなーにかなー♪


『そら、自分で何とかしろ』


 神殿のダイニングに並べられていたのは朝ごはんではなく、その材料たちだった。


 ……いやせめて、麦は挽いた粉にしてくださいよ。

 イースト菌みたいなのもないし、ハムは塊だし。果物ないなぁ。けどまあ、野菜が豊富なのは助かるね。


「もう、仕方ないなあ」


 一人暮らしの料理スキル、見せてあげるとしよう。




『……え、なにこれ?』


 料理開始から一時間ほど。

 ヤタは目の前の光景が信じられないようだ。

 といっても、麦ご飯にハム入り野菜スープ、玉子焼き。それだけ。

 だけど、ヤタには理解できなかった模様。


「見たまんま、朝ごはんだよ? 早く食べよう? ……いただきます」


 まずはスープを一口。うん、美味しい。


『いやおまえ、何で棒で食べられんの?』


 棒じゃなくて箸だよ?

 そういうヤタは、手の平サイズの妖精なのに、なんで僕よりたくさん食べるの?


 麦ご飯を一口。うん、初めてだけど、上手く炊けてるね。


 ヤタに目を向けてみると、先割れスプーンを巧みに振って、自分の頭より大きな玉子焼きを一口で食べていた。

 ……自分の体と同じくらいの長さの先割れスプーンを振って。


 ……うん、さすが妖精。軽く物理法則を無視してるなぁ。


 妖精という謎の存在に首をかしげながら、ゆっくりじっくり時間をかけて朝食を堪能した。

 ごちそうさまでした。

 ヤタも良い食べっぷりだったね。

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― 新着の感想 ―
[一言] >……うん、さすが妖精。軽く物理法則を無視してるなぁ。 ……そりゃゲームにおける物理法則って開発側がプログラム組まない限り存在しないからねぇ (山のようなゴブリンのドロップを触れもせずに回…
[良い点] しれっと投稿されていた…… ミコトのお料理スキルにヤタが餌付けされてる(笑) [気になる点] ゴブリンの集落を一人で壊滅させて、妖精をつれている。 ヤタのイメージがベルセルクのパック…
[一言] 第二部キタッ!! 物理法則無視はあるあるですよねw ガッちゃんみたいにw(古)
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