第八十八話:歓迎?
・ビッグホーネットを撃破。
・ポイズンホーネットを撃破。
・ソルジャーホーネットを撃破。
・ウォーリアホーネットを撃破。
・バンデッドホーネットを撃破。
・ジェネラルホーネットを撃破。
・クイーンホーネットを撃破。
※《ネスト》の討伐を確認。
※ワールドパラメーター(非公開)
・全種族 → 人間 への好感度 +1
グリフォンに先導されて森を飛んでいたら、大量のスズメバチ(小型犬サイズ)が一斉に襲いかかってきたので対処しつつ、グリフォンが急降下したのでなんだろうと思っていたら、高さ10メートルはありそうな巨大なハチの巣に攻撃を仕掛けたみたい。
羽ばたきによる風圧、風の矢、風の刃、空気の圧縮による圧壊、竜巻を身に纏っての突撃など、豊富な風属性攻撃を繰り出すグリフォンに付与魔法をかけて援護しつつ矢を射って数を減らしていく。
ぐれ太の方も、火弾や火炎放射で次々と巨大スズメバチを焼いていたし、トールくんとミナトも水弾や投げクナイで対処していた。
レーヴェは群がるハチに突撃して槍をふるい爪で切り裂き口から火炎放射していた。
巨大な巣をぐれ太とグリフォンとレーヴェで直接攻撃すると、僕たちよりも大きなスズメバチが巣から這い出てきた。
耳障りな雄叫びをあげるスズメバチ。
その間にも、レーヴェが真正面から攻撃して気を引きぐれ太とグリフォンが遠距離攻撃しつつ突進して牙や爪で直接攻撃。
僕も《呪い》の付与された骨の矢を羽めがけて射ち込めば、そこが弱点となりぐれ太の火炎放射で勢い良く燃えて飛び上がれなくなっていた。
後はもう、尾から発射される矢のような毒針にだけ気を付ければ、少し時間がかかったけれど問題なく撃破できていた。
さすが虫。しぶとさは大したものだよね。
※《蜂弓クイーンショット》を入手。
※《蜂矢ホーネットアロー》を入手。
※《蜂飛槍ホーネットジャベリン》を入手。
※《麻痺槍ホーネットランス》を入手。
※《毒槍ホーネットスピア》を入手。
※《蜂針剣ホーネットレイピア》を入手。
※《蜂殻鎧ホーネットアーマー》を入手。
※《女王蜂の姫冠》を入手。
《ダート矢 : 毒》を入手。
《ダート矢 : 麻痺》を入手。
《魔物の卵 (未鑑定)》を入手。
《契約の結晶 (ビッグホーネット)》を入手。
《契約の結晶 (クイーンホーネット)》を入手。
なんか色々入手できたみたいだけど、たくさん暴れて満足したのかグリフォンが移動を再開したので、あわててしがみつく。
ぐれ太たちも着いてきているのを確認してホッとひと息。
スズメバチは、グリフォンたちにとっても嫌な敵だったのかな?
そこからは、休憩無しの空の旅(強制)。
何時間かして、さすがに疲れてきたなーと思った頃。
何か、薄い幕のようなものを通り抜けたと感じた瞬間、視界には、天高くそびえる巨樹。
僕は、なぜかそれを、《世界樹》と認識していた。
中央にそびえる《世界樹》と、その周辺に八本の巨樹。
《世界樹》と巨樹は幾本もの長い吊り橋によって繋がっていて、《世界樹》と巨樹の枝には住居と思える建造物がいくつもあった。
グリフォンは、巨樹の1本の根元に降り立ち、伏せて僕が降りるのを確認してから笛の音のような鳴き声をあげる。
すると、すぐに……えっ?
トールくんが、僕の前に割り込んで樹上を睨み付けながら抜刀していた。
「……えっ? ……あ、と、トール……くん?」
「ミコト、ケガはない?」
「う、うん。なんともないけど……」
『何者だ!! ……神聖なるエルフの里に、なぜ《汚れた赤》がいる? 今すぐ消えろ! さもなくば……』
頭上から、不快ナ、音ガ…………
『……ふむ。誇り高きエルフは、自分達が呼びつけた相手に矢を射るのが挨拶だったか? いつの間にそんな恥知らずな劣等に堕ちた?』
僕の相棒も大層ご立腹だね。
せっかくだから、弓の射ち方、教えてあげよっか。
『樹にへばりつく虫けらを地に落とすも一興ぞ?』
誰だか分からないけど、せっかく同意してくれてるし、
「ミコト、そこまで。それ以上はダメだよ」
弓を取り出し矢筒から矢を引き抜いたところで、トールくんに抱き止められてしまった。
「トール、止めるのかよ」
「止めるさ。おれたちはエルフにケンカを売りにきたんじゃないだろう?」
不満そうなミナトも、トールくんの真摯な訴えで不満を引っ込めていた。
「ぎゅるるうーーっ」
《不満》
「ぐれ太も、ダメだよ」
僕としても、不満ではあるのだけれど。
爆発しそうな怒りをトールくんの訴えで少しずつしぼませていると、樹の上の方から蔓に掴まったエルフの男性が降りてきて、弓や矢筒や腰の剣など全部の武器を地面に並べて片ひざをついた。
「ワシは、ここの《エルフの隠れ里》の警備部隊の長を務める者だ。こちらから招いたにもかかわらず、非礼を働いたことをまずは詫びよう。この通りだ」
長い髪と整えた口ひげがなんともダンディなエルフのイケオジが、片ひざをつき、頭を下げて謝罪している。
『エルフに限らず、戦士が武装解除しているのだから、最上位のものと思え』
いやさ、ヤタ? 思えっていったってさ?
「謝罪は受けかねるよ。矢を射ってきた本人ならともかく、別の人からの謝罪とか」
「その者はワシの部下である。なれば、部下をまとめるワシに責任があるというもの。首がほしければワシとその者の首を後日改めて届けさせよう」
「要らないよ別に。エルフの首なんかなんの役にも立たないし」
なんだか、話が通じてるのか怪しいなあ……。
「ふむ。その手で切り落とすことを所望するか? ワシはこの里の族長より、妖精殿と共にあるそなたらの案内を任されている身でもある。まずはそなたらを族長のところまで送り届けるゆえ、その後であればいかようにも」
「要らないってば」
めんどくさいなあ。もう帰りたくなってきたよ……。
『おい、そこのエルフ。こっちはここに来るまでにビッグホーネットの《ネスト》とクイーンを討伐してるんだ。さっさと用件を済ませて帰りたいんだよ。面倒なことは後にしろ』
「ははっ、妖精殿のお言葉とあれば」
では、こちらへ。とすました顔で案内を始めるエルフのイケオジ。
……なんか、装備とか置きっぱなしなんだけど?
「こちらの昇降機で上まで上がってもらう。さ、遠慮せず」
蔓を編んで作ったワイヤーを籠状に編み込んで作られた昇降機? は、蔓のワイヤーが外縁から八本上に向かって伸びていて、1本にまとめられていた。
エルフのイケオジが籠の側面に手をかざすと、その部分が左右に引っ張られたように変形して穴が開き、籠の中に入れるようになった。
穴が閉じれば落ちる心配もないのだろうけど……。
「……失礼だが、罠ではない保障は?」
イケオジが、とても困った様子でぎゅーっと眉を寄せるトールくんに問われると、
「…………これは、重ねて失礼を。招いてエルフ流の礼を尽くすことばかり頭にあり、その事は……。確かに、ついて早々に矢を射かけられれば、警戒して当然か…………」
…………エルフって、その、大丈夫、なのかな?
※ワールドパラメーター(非公開)
・エルフ → 人間 への好感度 +1
・人間 → エルフへの好感度 -3