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Another Eden Online  作者: 平民のひろろさん
1ー2 家族
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第八十四話:豚舎

《クエスト:『練金壺』のテスト依頼》


 プレイヤー:ミコトに対しクエストを依頼。

 テスト段階の『練金壺』の実用テスト。

・依頼者:運営

・対象:『練金壺』を一定回数使用。

・報酬:白金貨1枚+要検討(要望があれば考慮する)




《トレード申請》


 各プレイヤーに対しトレードを申請。

・依頼者:シン (プレイヤー)

・対象:コボルトの素材。

・報酬:腐った肉、古びた骨、死霊の衣、呪われた骨、呪いの血、灰




 がっくりと、両手と膝をつく。


 なにこれ怖いってレベルのレシピがたくさん頭に浮かんで、ちょっと現実逃避したい。


「ど、どうしたの? ミコト?」


「あーん、トールくーん……」


 足音と声に振り向いてみれば、ちょっと慌てた様子のトールくんが近くに来たので、しがみついてみる。

 すると、優しく抱き返して頭を撫でてくれるので、しばし甘えることにした。


「なんか、ずいぶん甘えん坊だね。なにかあったのかい?」


「……うーん……」


 はて、どう説明するべきか? 

 首をかしげれば、自然と眉が寄った。


「あ……」


 呆然とした声に振り向いてみれば、ショックを受けた様子のミナト。


 ごく自然に、


「「おいで」」


 僕とトールくんの声が重なった。


「……い、いいのか……?」


 遠慮がちにトールくんにしがみつくミナト。

 僕も、ミナトの背に片手を回して、ぎゅーっとしがみつく。


「なあ、どうしたんだ? ミコト?」


「ちょっとね、なんだか甘えたくなっちゃった」


「そっかー……」


 すぐそばにいるミナトに、上機嫌に答える。

 そんなミナトは、なんだか遠い目をしたけれど、トールくんに頭を撫でられたら猫みたいにふにゃっと表情がゆるんでいた。かわいい。



 まるで呪いのようなレシピが浮かんで気分が悪くなったけれど、しばしの間二人に引っ付いて癒しの時間にさせてもらった。



 チラッとぐれ太の方を見てみたら、くあーっと暇そうにあくびをしていた。




 さて、幸福物質トールニウムとミナトニウムをじゅうぶん補給できたので、問題を共有しておこうか。


「ぐれ太が加わったことで戦力は大幅に増したわけだけど、一度の食事にオーク一体分を丸々食べることが分かりました」


 オークと言ったせいか、ぐれ太が頭を寄せてぐいぐい押し付けて来た。

 ちょっ、押される、押されるよ。

 頭を何度かぽんぽんしたら、満足したのか引っ込めたけれど。


「オーク肉の備蓄はどれくらいあるのかな?」


「えっとね……。これくらいかな」


 備蓄は30ちょっとなので、1ヶ月分くらい。


「いやまてミコト。一回の食事なら、10日でなくなるだろ。三食食べるんだから」


 ミナトのツッコミに、ハッとする。


「あ、確かに。ねえ、ヤタ? ぐれ太ってオークのお肉以外になに食べるの?」


『ワイバーンな。人が食べれるものなら基本なんでも食うぞ。それこそ、ゴブリンの肉みたいな人が食べないものでも食うが』


「そうなんだ……」


 なんとなく向けた視線の先には、芝生でくつろぎモードのジョンとメグ。


『コボルトだって食うぞ。毛は食わないだろうが、それこそブレスでこんがりと焼けばたいして違いはないだろうしな』


 ヤタがワンコ二体を見る。

 ぐれ太も見る。



 食事の話をしていたせいか、二体ともキャインッ!? と悲鳴を上げてお腹を見せた。


 ……あ、二体とも漏らしちゃってる。

 なんか、ごめんね?

 二体を食べたりしないからね?



「そんなわけで、テケテテン、『設備チケット』~」



『お、使うのか? 今度は何のための設備だ?』


「今度は豚舎を作ります。お肉の安定供給のためにっ!」


「うんうん、肉は大事だな」


「ミコトの作るご飯はなんでも美味しいから、食材が豊かになるのはありがたいね」


 おおむね好意的だね。なら、豚舎で決定!



《豚舎LV1》 を設置しました。



 牛舎や鶏舎と並んで、三棟目の施設がどどん。

 なんというか、圧巻だね。


 お金はじゅうぶんにあるので、各種設備も購入して、あとはなにを飼うかなんだけど……。


 ……えっ? いやあの、ツッコミどころ満載じゃない?




・飼育する家畜を購入してください。


 ・・食肉用豚

 ・・魔豚

 ・・猪

 ・・オーク



 ・・食肉用豚

   : 食肉にするための普通の豚。

   赤身と脂肪のバランスが良い。

 ・・魔豚

   : 体内に魔石を持つ、魔物との交配種。

   肉質が良いことで知られる。

 ・・猪

   : 野生の猪。気性は荒いが病気に強い。

   赤身が多く脂肪分が少なめ。

 ・・オーク

   : テイムすることで戦闘や労働で活躍する。

   肉は臭みがありやや固く、家畜より味が劣る。



 

「あのさ、どうしたらいいと思う? 候補がいくつかあるんだけど……」


「うーん、まずは無難に普通の豚が良いんじゃないかな?」


 トールくんは安定志向だね。普通の豚が一番安いし、確かに無難だと思う。


「なあ、それよりか、魔豚が良くないか? 肉質が良いってことは、美味いってことだよな?」


 ミナトは美味しさ重視、と。

 お値段一番高いけれど、オークジェネラルとかのレアドロップのお肉と食べ比べとかできたら……。じゅるり。


『猪で毛皮を()ったり、オークを戦力にするのも手だな』


 ヤタは全体の効率重視か……。


 毛皮なら今は要らないけれど、欲しがる人もいるのかな? 防寒着とかにできそうだね。


 オークを戦力に……? ……うん、それはやめとこ。

 今は最大20頭しか飼育できないしね。



 さて、どれにしようかな?



「完了っと。……あ、そういえば。ヤタ、質問」


『どうした?』


「あのね、拠点の空きスペースに杭打って柵作ってさ、放し飼いとかどうかな? 豚舎で飼育できない分を、外で放し飼いするの。羊とかも飼いたいし」


『やってもいいだろうが、襲撃イベントで真っ先に狩られる可能性が高いと思うぞ? 骨どもも居ない状態ではぐれの襲撃があったら、今の防衛設備だと太刀打ちできないからな?』


 ヤタの冷静な言葉に、ちょっとショック。

 ぐれ太やゴスケさんたちと一緒に外に出てるときに、ぐれ太みたいな強いはぐれに襲われたら……。うん、無理ゲーだね。

 ゴスケさん3号と4号は、戦闘用のゴーレムじゃないし。


 素材も手に入ったし、新しい戦力として純粋な戦闘用のゴーレムも作ってみようかな。


 あと、またトレード申請きてるからトレードしちゃおう。




リザルト



《豚舎LV1》 : 最大飼育可能数 : 20頭。


 飼育中 : 豚18頭。


 ・食肉用豚8頭。

 ・魔豚6頭。

 ・猪4頭。


《自動給餌設備LV1》 × 20頭分(設置済み)

《自動給水設備LV1》 × 20頭分(設置済み)

《自動空調&管理LV1》 × 20頭分

《快適化施設LV1(各種)》 × 20頭分


 各施設、20頭分購入、設置。



 ・現在、施設レベルを上げることは出来ません。




《トレード》

 プレイヤー : シン とトレード。

・対象:コボルトの死体(全身)×200。

・報酬:腐った肉×30、古びた骨×30、死霊の衣×30、呪われた骨×5、呪いの血×10、灰×50



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― 新着の感想 ―
[一言] 私だったら魔豚にしそう( ˘ω˘ )
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