表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Another Eden Online  作者: 平民のひろろさん
1ー2 家族
82/194

第八十二話:閑話:十一日目、歓声

 AEO開発スタッフの視点


「っしゃあーーーっ!! よくやった!! ミコト嬢よくやった!!」


 俺の叫びに応じて、開発室のあちこちから歓声が上がった。


 ……あ、歓声上げてないやつは、仕事で手を離せないやつだ。


 何人かに(にら)まれたのを、手を合わせて頭を下げる。



 それにしても、紫髪の部長(固太りのオッサン)から、


「運営では制御できない勢力がゲーム世界で暗躍している」


 と言われた時には、どうしてくれようかこのオッサンは? と思ったものだが、今となってはプレイヤーに対してクエストを発注するいい機会だということに気付き、このように活用させてもらっている。




 ……しかし、ほんとどっから涌いてくるんだ? この黒い勢力は? バグか?




 そんなどうでもいいことは一旦頭の隅に押しやりつつ、手の空いてるスタッフに部長を呼びに行かせた。


 さてさて、俺はミコト嬢へのプレゼント……じゃなくて、報酬の選別といこうか。


 闇の勢力の装備品を渡しておけば、何体倒したかははっきりと分かるだろ。


 それから……。


「赤井くん、クエストは成功したようだね」


「あ、はい、部長。大成功です。はぐれ発生の理由も分かりました」


「うむ、あとで報告書にまとめたまえ。動画も一緒にな」


 見ていたのだろう? とばかりに睨まれてしまっては、迂闊(うかつ)だったと反省するしかない。


 軽く謝罪しつつ、これからのことをいくつか話し合う。



 ・二次テスターの件は、既に準備が整っていること。

 ・他のプレイヤーの動向の確認と、運営として手を加えるかどうかの確認。

 ・《街》の情報をプレイヤーへ解禁するかの確認。

 ・現在のプレイヤーが合流することへの是非。


 その時に応じて、部長の意向が多少変化することもあり、都度確認しないとあとで面倒なんだよな……。


 とりあえず、全体的にこのままでいいことは確認できたので、第二次βテスト開始までは引き続き同じ体制で臨むことが確定した。




 ……つっても、部長の腹先三寸だけどな。




「そうそう、赤井くん。(かんなぎ)の子に報酬としてこれを与えておきたまえ」


 そう言って、スーツの内ポケットからメモ帳を取り出し、ボールペンでいくつか指示を書き込んだが……。


「分かりました。……ところで部長? 前にも言いましたよね? こういうのは最後まで取っておくから、メモ用紙に手書きじゃなくて正式な様式の指示書に日付とサイン書いてハンコ押してくださいって。

 最低でも、メモ用紙を指示書の本文の所にセロテープで貼り付けてくださいって。何度言ったら分かってもらえます? ……こら部長! 聞いてるんですか!? あとで困るの部長なんですよ!」



 何が悲しくて、親子ほど年の離れたオッサン上司に説教せねばならんのか……。


※ミコト嬢に追加報酬が決定。


 ・《呪与:攻撃》の魔道書

 ・《呪与:防御》の魔道書

 ・《呪与:速度》の魔道書


 他の2人……最低でも、ミナト嬢……あれ? 男じゃなかったっけ?……にも、なんか報酬考えておこう。

 実行できるかは分からんがね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 黒い勢力……! 気になるぜ( ˘ω˘ )
[一言] あれ~? ミナトも男の娘だったっけ?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ