第七十八話:十日目、はぐれた
はぐれワイバーンと契約しました。
種族:ワイバーン (はぐれ)
名称:未設定
所持スキル:
・竜爪牙LV2
・竜尾撃LV2
・竜飛行LV2
・ドラゴンブレス (ワイバーン)LV2
・攻撃魔法:風LV2
・咆哮LV2
・威嚇LV1
・竜属性/竜弱点LV2
・風属性/風耐性LV2
・火耐性LV2
・物理耐性LV1
・空腹耐性LV1
・スタミナLV1
・念話LV1
・MPが枯渇しました。シャットダウンします。
・シャットダウン中です。MPの回復速度が低下します。
・スタミナ(体力)の回復速度が低下します。
・スタミナ(疲労度)の回復速度が低下します。
・スタミナ(満腹度)の減少量が増加します。
・MPが一定量回復しました。シャットダウン終了します。
「ふわぁ……。あふっ。……うーん、寝過ぎちゃったかな?」
自室の布団で目を覚まし、大きなあくびをしてから体を起こして延びをする。
昨日出てきたはぐれワイバーンを倒して、しばらくしたら運営からメールが来ていて、
・はぐれの発生は運営の意図したものではないこと。
・お詫びの品を贈ること。
・可能なら、《魔の森》に行ってはぐれ発生の理由を調査してほしいこと。
などと記されていた。
また、マップが更新されていて、《魔の森》のワイバーン生息地とそこまでのルートが表示されていた。
運営からの、指名クエストだってさ。
ちなみに、お詫びの品がこれ。
・契約の結晶 (オール)×2
・契約の結晶 (ワイバーン)×2
・ゴーレム・コア×4
・ワイバーンの魔石×2
持っていた分と使った分を差し引きしたのがこっち。
・契約の結晶 (オール)×2
・契約の結晶 (ワイバーン)×2
・ゴーレム・コア×6
・ワイバーンの魔石×4
契約の結晶 (オール)は、MPが十分にあって素材さえ揃っていれば、なにとでも契約できるってさ。
太っ腹だね。
ゴスケさんを増やしたいし、戦闘用の子も作りたいけど、1体増やすごとに気絶してたら、体がもたないなぁ……。
「《召喚》はぐれワイバーン」
今回もまた《魔力枯渇》で倒れたことで、みんなから心配されつつもしっかりと朝食を摂り、後片付けをしてから外へ出て契約したはぐれワイバーンを召喚した。
さてさて、名前を着けてあげなきゃね。
「さて問題です。この子の名前を着けましょう。僕は、はぐれだから《ぐれ太》がいいと思います!」
……トールくんは苦笑してるけど、なんか、全体的に不評っぽい……。
「……なあ、ミコト? おまえ、ネーミングセンスないんだな……?」
ミナトが、何だか悲しそうに問いかけてきた。……というか、確認?
「僕は可愛いと思うんだけど……。じゃあ、ミナトはどんなのがいいと思うの?」
「……F-18G 《グリーンホーネット》」
「……なにそれ?」
Gは、グリーンかな? F-18って、F1みたいなスーパーカーのこと? じゅうはち、じゃなくて、エフイチハチ、なのかな?
でも、エフジュウハチジーって言ってたし……。
「……や、その、忘れてくれ……」
「えー? じゃあ、トールくんは?」
ミナトがギブアップしたので、トールくんに聞いてみる。
「おれかい? ……うーん、《シュウ》ってのはどうかな?」
「その心は?」
「襲撃のシュウ。強襲のシュウ。《魔の森》から出て襲ってきたからね」
おおう。なんだか怒りを感じるよ? ト、トールくん落ち着いて……。
「やっぱりおかしいよね。ミコト、気にしないで? ……ちょっとイラッとしただけだから」
僕の頭を撫でながらはぐれワイバーンの方を見て、イラッとしたと言うトールくんは、やっぱりちょっと怖かった……。
あ、トールくんに見られたワイバーンがビクッと震えてる。
「じゃあ、ヤタ」
『おまえが決めろ』
「……はーい」
つれないヤタから視線を外し、ジョンとメグを見てみると、しっぽ振りながらはぐれワイバーンのにおいをフンフン嗅いでいた。
……で、ゴスケさん1号2号は、僕が名前と言ったときからずっと同じポーズ。
……うーん? もしかして、ポーズで文字を表現してる?
……でもね、何を示しているか分からないんだよね。
「ねえ、きみ? 名前何がいい? 《ぐれ太》でいい?」
『ぎゅーう?』
《可?》
はぐれワイバーンが大きく首をかしげて一声鳴く。それと同時に、何か頭に響いてきたけど……?
『お、そいつ、《念話》を使ったな。はぐれのくせに優秀だな』
『ぎゃーお』
《喜》
ヤタに褒められて嬉しそうな《ぐれ太》。
顔も、なんだか笑っているみたい。
「じゃあ、きみの名前は《ぐれ太》で決定!」
『ぎゃーう!』
《嬉》
嬉しい気持ちが伝わってくると、僕もなんだか嬉しくなってくるね。
「ミコト、次は何を作るんだい?」
「えっ? ……えーと……。ゴスケさん3号作ったらまた気絶しちゃうし……」
「なぁミコト、このゴスケさん作るとどうして気絶するんだ?」
気絶と聞いて不思議そうに首をかしげるミナトに、ゴスケさん1号2号を作ったときのことを教える。
するとミナトは、腕を組んでますます首をかしげてしまう。
……あ、うん。ミナトが腕を組むと、胸が強調されるんだね……。
「……うーん……。なんで、気絶するんだ? あいや、MPが一気に無くなったからは分かるんだが? ……えーと、何て言うか……。ゴスケさん1号2号、こんなに多機能にする必要あるのか?」
「……うーん? ごめんミナト、よく分からないよ?」
そんなミナトの言葉に、僕の方が首をかしげてしまう。
「あー、つまり、ゴスケさんを戦闘用と生産用で分けたらどうだ?」
「……た、確かに……。それ、いいね!」
ミナトの意見に、視界がパッと開けた気持ち。
確かに、元々ゴスケさんは、僕がいない間に牛や鶏や畑の作物を世話してほしくて作ったんだった。
「ありがとうミナト~。さっそくやってみるね♪」
ミナトをぎゅーっと抱き締めてから、さっそくお試し。
戦闘用のスキルを削れるだけ削って……。こんな感じ?
・ゴーレム・コア×2を消費して、クラフトゴーレム (人型)を2体生産します。
・素体となる素材を選択してください。
ワイバーンの魔石×2
ワイバーンの頭蓋骨×2
ワイバーンの骨×8
ワイバーンの尾骨×2
ワイバーンの牙(小)×12
ワイバーンの爪×8
ワイバーンの翼(片翼)×2
ワイバーンの鱗×40
・素材とMPを消費して、クラフトゴーレム (人型)を生産します。Y/N
・以下の条件で、クラフトゴーレム (人型)を生産します。Y/N
素体:竜人 (スケルトン/変異)
所持スキル:
・爪牙LV2
・尾撃LV2
・飛行LV1
・ドラゴンブレス (ワイバーン)LV1
・採取LV2
・採掘LV1
・農業LV2
・酪農LV1
・動物の世話LV1
・植物の世話LV1
・生産LV1
ステータスも下がるし、槍とかのスキルも無い代わりに、だいぶMPの消費が抑えられるみたい。
あ、元々持ってるスキルは削れないみたいだね。
これなら、1体ずつ作れば気絶しなくて済むから、時間をおいて2体目を作るとしよう。
Yesで……。あ、取り消し! 1体ずつ作るよ! No! 一旦Noで!
種族:ワイバーン (はぐれ)
名称:ぐれ太
所持スキル:
・竜爪牙LV2
・竜尾撃LV2
・竜飛行LV2
・ドラゴンブレス (ワイバーン)LV2
・攻撃魔法:風LV2
・咆哮LV2
・威嚇LV1
・竜属性/竜弱点LV2
・風属性/風耐性LV2
・火耐性LV2
・物理耐性LV1
・空腹耐性LV1
・スタミナLV1
・念話LV1
種族:クラフトゴーレム (人型)
名称:ゴスケさん3号
素体:竜人 (スケルトン/変異/ネームド)
所持スキル:
・爪牙LV2
・尾撃LV2
・飛行LV1
・ドラゴンブレス (ワイバーン)LV1
・ポージングLV1
・採取LV2
・採掘LV1
・農業LV2
・酪農LV1
・動物の世話LV1
・植物の世話LV1
・生産LV1
種族:クラフトゴーレム (人型)
名称:ゴスケさん4号
素体:竜人 (スケルトン/変異/ネームド)
所持スキル:
・爪牙LV2
・尾撃LV2
・飛行LV1
・ドラゴンブレス (ワイバーン)LV1
・ポージングLV1
・採取LV2
・採掘LV1
・農業LV2
・酪農LV1
・動物の世話LV1
・植物の世話LV1
・生産LV1




