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Another Eden Online  作者: 平民のひろろさん
1ー2 家族
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第七十話:帰宅

 トールくんの手が離れる。


 あ……。と名残惜しげな声が出るものの、とりあえずは無かったことにした。


「ミコト、その子のこともあるし、今日はもう帰らないか?」


 そうだね。と、反射的にうなずこうとしたので、ちょっと考えてみて、やっぱり帰ることにした。

 この子、髪を撫でてみても頬をぷにぷにしてみても全然起きそうにないし。


 ……白い髪の少女が起きないこと。それ自体はいいのだけれど……。


「えっと、この子、どうやって運ぼうか?」


「俺が背負っていくよ。戦闘は、ジョンとメグがいればよほどの相手じゃないと大丈夫だろうし」


 そうだね。と、反射的にうなずこうとしたけれど、この子は女の子なんだし、やっぱり僕が背負っていくよ。と言おうとしたところで、ヤタがめんどくさそうに口を開いた。


『ゴーレムを召喚すればいいだろ。拠点にいる骨の片割れを』


「……えっ? ゴスケさん、召喚できるの?」


『できるぞ。生産して名前をつけた段階で、契約も済んでいる。スキル《召喚》に《ゴーレム》が増えているはずだし、お前実際召喚したから、知らんとは思わなかったが……』



 ……えー……すっかり忘れてたよ……。



 確認してみれば、ちゃんとスキル《召喚》の中に《ゴスケさん1号/2号》が増えているし、ログにも書かれていた。

 それどころか、召喚したことがログにしっかり書かれてたよ……。



『あー、犬どもは待機状態の《帰還》と《召喚》をしたことなかったから、忘れてたんだろうけどな』



 ……えーと、なんか、ごめん?



『まずはやってみろ。スキルの使用に必要なMPと、現在のMPの確認を忘れるなよ? 下手するとまた倒れるからな?』


 心配性だなぁ。と思いつつも、僕は実際にやらかしたから、なにも言えないね。


 MPをちゃんと確認してから、スキル《召喚》を使用。対象は、《ゴスケさん1号》。



「《召喚》、《ゴスケさん1号》!」


 地面に金色の魔法陣が現れ、ワイバーンの骨から造り出された、二足歩行の竜、の、骨格模型のようなスケルトンゴーレムが姿を現す。


 ……なぜか、指をピンと延ばし両手を左斜め上に向けたポーズをとっていたけれど。


『……どうでもいいが、その名前なんとかならなかったのか?』


 もう、そんなのいいじゃないのさ。


「ゴスケさんゴスケさん、そろそろおうちに帰るから、この子をね、そっと運んでほしいんだ。できるだけ揺らさずに」


 ゴスケさん1号は、なぜか片足立ちになり両手を上げてYの字を体で表現するようなポーズをとった。


 ……えっと、了解ってこと?


「じゃ、じゃあ、お願いね?」


 上げた両手を今度は下げて、荷物を抱えるようなポーズをとる。

 ……なんのポーズだろう?


『キレてるよって言ってやれよ』


「……うーん? 何がきれてるの?」


『さあな。知らないならそれでいいだろうさ。おう、骨、伝わらないから無駄なポージングはやめろ』


 今度は両手両ひざを地面に着いてしょぼんとしていた。


 ……えっと、なんか、ごめんね?



 まあ、気を取り直して、まずは無人の開拓村へ。

 そこからは、ポータルゲートで拠点へ。




 帰ろう。《僕たちの家》に。




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― 新着の感想 ―
[良い点] ゴスケさんが、か、かわいい……!! 無駄に召喚したくなっちゃうじゃないかー!! では私も、ナイスバルク!
[一言] ナイスバルク! 仕上がってるよ!
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