第六話:そろそろスキルを。しかし
一次職なら問題はなかった。
『次は、スキルなんだが……』
ちょっとオシオキしようかな? 何て考えていたら、さっさと話を進めるみたい。
「なんだが?何か問題でもあるの?」
『……複合三次職ともなると、二種のジョブをマスターしてることになるから、何十とスキルを持っているはずで、それを前提としたスキル構成なんだよな。《かんなぎ》は』
「うん、つまり?」
『……つまり、開始時はスキルが五枠しかないんだが、巫のスキルを使うには、たくさんレベル上げなきゃならん』
…………。
……初期のスキル、見てみよう。
・付与
・回復
・禊
・奉る
・神降ろし
『付与は付与士のスキル、回復は僧侶のスキル、禊、奉る、神降ろしは、巫のスキルだな』
ヤタ、詳しい説明ぷりーず。お仕事お仕事。
『付与は、能力上昇や属性、耐性を一定時間付与する。時間と効果はものによって変わる。回復は、HPや状態異常を回復したりする。禊、奉る、神降ろしは、三つセットになってる』
んー? セット?
首をかしげると、長い髪がさらりと揺れた。
『禊で清めて場を整えて、奉るで捧げ物を献上して、神降ろしで討伐した神をその身に降ろす』
「うん、つまり、儀式な訳だね? で、神って?」
『……ようするに、レイドボスだ。討伐したレイドボスを儀式で呼び出し、使役する。それが、巫。それが、かむなぎ。つまり、神薙ぎ』
うーん? つまり……。
「つまり、召喚士? の上位版?」
理解に少しかかったけど、こうなんじゃないかと聞いてみるけど……。
『うーん、まあ、似たようなもんかな? 召喚士は別ルートでジョブチェンジするんだけどな』
段々めんどくさくなって、結論を急いでみる。
「つまり、今使えるスキルは? 付与と回復でいいの?」
『ああ。その認識でいい。じゃあ、チュートリアルに行ってみるか?』
「チュートリアルって、何するの?」
『それはもちろん、ナマで殺り合うんだよゴブリン辺りと』
えー。何かヤだなぁ……。
ここまでで、既にリアル過ぎるじゃん?
ってことはさ……リアルなわけじゃん? ゴブリンがさ?