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Another Eden Online  作者: 平民のひろろさん
1ー1 第一次βテスト
44/191

第四十四話:味噌汁

 今あるもので、やるしかない。

 無い物ねだりしても何も手に入らない。

 現実逃避はもうやめだ。


 ……中位妖精 先触れ:ヤタ

 昨日は悔しい思いをした。


 大量に魔物を倒したことで、素材もドロップもお金も、解体が必要な魔物もたくさんある。とってもたくさん。数なんか数えていない。


 それだけ倒しまくったのは、みんなが頑張ったからで。

 その(ねぎら)いに、カツを作ると言ったのだけど……。


「まさか、卵がないなんてねぇ……」


 卵、残り少なくて、カツの衣に使う分もなくて。


 仕方なく、以前解体したオーク肉と、《料理》スキルで《熟成》させたオーク肉、オークのドロップ《高級豚肉》と、ソルジャーやナイトのドロップ《特上豚肉》と、ジェネラルのドロップ《極上豚肉》をステーキにして、食べ比べの夕食となった。


 ランクが上がるごとに、柔らかさと、肉の旨味と、肉汁の(あふ)れ具合と、脂身の甘味と、もう、これ以上言葉が出てこないよ……。


 あ、噛み応えだけは、ただのオーク肉が一番だったね。


 最後の締めには、オークキングのドロップ《天上の豚肉》を、ステーキ肉を一枚分だけ焼き、サイコロ状に切り分けて、一個ずつ分けあって味わって、肉を焼いた際に出た油で麦飯チャーハンを作ったよ。

 あっという間になくなったっけ。

 そして、卵もこれでなくなっちゃった。


 ……卵の、安定供給を望むよ! 切実に!


 そしてそして、オークキングのドロップの《天上の豚肉》は、天にも昇るような美味だったよ……。


 みんな、無言で、最高の笑顔で、味わってたね。


 ……こうなると、お肉の安定供給も出来るようにしたいな。




 回想終わり。

 あんなもの、毎日食べてたら舌がおかしくなっちゃう。

 なので、今朝のご飯は、


 ・麦ご飯

 ・茹でた薄切りオーク肉と野菜のサラダ

 ・豆腐とねぎの味噌汁

 ・根菜と玉ねぎの醤油煮


 です。異論は認めません。


 お味噌とお醤油が作れたのは本当に嬉しい。料理の幅が一気に広がったからね。

 そして、試してみて良かった。大豆と塩と水で、お豆腐が作れたんだ。

 これもまた、料理の幅が広がるね。

 油で揚げたら、お揚げが出来るし、甘塩(あまじょ)っぱい味付けをしたら、お稲荷(いなり)さんが作れるね。

 ……本当は、寿司飯が必要なんだけどさ。



 全員揃っていただきますをして、思い思いに食べ始める。

 食いしん坊の妖精とワンコ二匹は、競うようにしてガッつくけれど、トールくんは、一口一口よく噛んで、味わって食べている。そんな量で足りるのかな? と心配になってしまうくらい。

 ……それでも、僕よりは食べてるんだけどね。

 でもでも、今朝は麦ご飯をお代わりしたよ。ちょっと恥ずかしそうだったけどね。


「このスープの味付け、おれ、好きだよ。毎日飲みたい」


 ……えっ? それって……。いやいや、味を誉めただけだよね。

 でも、この味付けでいいんだね。嬉しいなぁ……。


『お代わり』

『お願い』

『しますワン』


 はいはい。今日も僕は大忙しだよ。


 僕が作ったご飯を、美味しく食べてくれるのって、本当に嬉しいね。


 お昼の分も頑張るぞーっ!



 ヤタ(……声が漏れてるんだけどな)

 ジョン(お昼も美味しいもの食べられるワン?)

 メグ(くぅん、邪魔しちゃダメだワン)

 ヤタ(……頑張るのは、昼飯より拠点の整備にしてほしいんだが……まあ、いいか)

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― 新着の感想 ―
[一言] >「このスープの味付け、おれ、好きだよ。毎日飲みたい」 プロポーズキターーーー!!!!!!(大歓喜)
[良い点] オークは上位にいく程、おいしい肉なのですか(笑) 調味料から完璧に和食を作るミコトちゃんの、 料理スキルがすごいですね。 トールくん。そのセリフは毎日、僕の味噌汁を・・・ ってやつですね。…
2020/07/06 20:26 退会済み
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